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Ammo→Re!!のようです

39名も無きAAのようです:2015/02/08(日) 21:44:41 ID:F94asbco0
古傷だらけの体を伝って落ちる湯が排水溝に吸い込まれ、体と床から立ち上る湯気はトラギコの眼球を洗い流した。
シャワーの音は雨音にも似ていた。
俯いたまま、トラギコはただその音を聞き流し、このホテルから逃げ出す方法を考えていた。
ライダル・ヅーの考えは分かった。

なら、何故わざわざここにトラギコを連れてきたのか、という事を考えなければならない。
協力するつもりならば、別にアサピーのアパートでそう告げればよかった。
その方が手間を省ける。
島の案内はドライブと称して連れまわし、最後にアパートに送ればそれで済む。

つまり、このホテルにトラギコを連れてくることがヅーにとっては好都合だということだ。
目的は一つに絞り込めたが、方法は二つに分かれた。
囮としての役割から逃げないかどうか、そして事件を解決できるのかどうかを見定めるために、監視の出来る場所にトラギコを配置したのだ。
そして、監視するためにホテル内、もしくは外に監視チームが結成されているかの二つだ。

与えられた偽りの自由など必要ない。
欲しいのは本物の自由だ。
自由に動けなければ、この事件の解決はあり得ない。
その辺りをヅーは理解していない。

マニュアル通りでは何も変わらないのだ。
最近妙に耳にするようになったCAL21号事件も、その内の一つだ。
思い出すだけで腸の煮えくり返るような事件だったが、何よりもトラギコを憤慨させたのは正義を名乗るジュスティアの対応だった。
故に、トラギコは己の手を使って事件を終わらせ、大顰蹙を買ったのである。

このまま行けば今回もまた、あの時と似た結果になるだろう。
違うのは、トラギコが手を下せないという事だけ。
しこりの残ったまま事件は終わり、そして忘れ去られる。
そうはさせない。


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