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Ammo→Re!!のようです
367
:
名も無きAAのようです
:2016/08/07(日) 17:10:50 ID:eFiZr2lo0
彼女は何者なのか。
本名は。
出身地は。
これまでに何を見て、何をしてきたのか。
ヒートは何も知らない。
世界最強の街、イルトリアの人間とも深い交流を持つ彼女。
これまでに何を経験し、何を見て来たのか。
彼女について知っていることなど、ほとんどない。
まるで世界の秘密そのもの。
彼女のスカイブルーの瞳に見据えられると、世界そのものに見透かされているような錯覚に陥る時がある。
あらゆる隠し事はその意味を失い、真実が見抜かれ、気を抜けば膝を突いて屈しそうになってしまう。
全ての生命は彼女に平伏し、首を垂れるのが摂理にさえ思える。
だがそれは些細な――とは言い難いが――問題だ。
彼女との旅は楽しいし、何より安心していられる。
不思議なことに、彼女が秘密の固まりだと分かったところで、何一つ不安になることはなかった。
短い付き合いだが、決して、希薄な付き合いではない。
ヒートは人を見る目が少なからずあると思っており、その目で見れば、デレシアは悪人には見えなかった。
それでも気になることは気になるが、今はまだ訊く時期ではない。
過去は誰にでもある。
ヒートも例外ではない。
デレシアが過去について深く追及することをしないことは、ヒートにとっては幸いだった。
人に進んで話せるような過去ではなく、血濡れた暗い過去がヒートにはあった。
いつか機会があれば、その話をすることがあるのかもしれない。
今はまだ、その時ではない。
ノパー゚)「……らしくねぇな、おい」
少し考えすぎているのだと思い、ヒートは瞼を降ろして眠りにつくことにした。
ヒートがデレシアと旅を続ける大きな理由は、別にあった。
デレシアが連れている、小さな旅人。
その少年の行く末が見てみたいという気持ちが強く、彼がどう成長し、どう変わるのかを最前列で見守りたかった。
その気持ちがあるからこそ、ヒートはデレシアと共に旅を続けることを楽しんでいた。
だから、その旅人が海に落ちた時は自分の半身を失ったような喪失感があり、無事だと分かった時は本当に安堵した。
今のヒートの生きる目的は、彼の成長を見続けることだけだと言っても過言ではない。
小さな体に刻まれた無数の傷跡は、彼の悲惨な歴史だ。
彼がこれまでに受けてきた処遇を考えると、今の彼はかなり変わったのだと思う。
奴隷として売られた彼の生い立ちは分からないが、それがどれだけ悲惨な人生だったのかは想像できる。
少年はただの人間ではなく、“耳付き”と呼ばれる獣の耳と尾を持つ人間なのだ。
耳付きは総じて人間として扱われず、道具として扱われ、虐げられる。
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