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Ammo→Re!!のようです

328名も無きAAのようです:2015/07/19(日) 22:30:54 ID:XwtdpWiY0
情報共有の速さが遅ければトラギコにとって不利になる。
希望的な観測をしているわけではないが、彼女ならば大丈夫だろう。
若くして警察の最高責任者の秘書の座に就き、多くを機械的にこなす彼女ならば。
今回、トラギコとアサピーの作戦で欠かせないのはやはり狙撃手の注意がトラギコに注がれることだ。

狙撃手は風に対して非常に神経質な性格をしており、常にそれを知ろうとする。
風向きとその強さを知るためには観測手か道具が必要なのだが、臨機応変な対応が要求される現場ではあまり使われない。
事前に相手のいる場所などが分かっていれば別だが、街中に出現する標的を狙撃する際には、やはり周囲の物から計算するのが一般的だ。
このエラルテ記念病院で最も分かりやすく風向きとその強さを知るには、病院の屋上に干されている洗濯物が一番の手がかりとなる。

だが屋上にばかり目が行ってしまうと、アサピーの姿が見つかる可能性が高まる。
彼はこの作戦の要であるため、何が何でも失うわけにはいかない。
そこで考え出したのが、狙撃手がトラギコの出現場所をあらかじめ知り、別の場所に目を向けさせることだった。
病棟から出て行ったヅーに頼んだことは、もう一つあった。

トラギコがいる事を知らせるという名目で、隔離病棟の格子に白い布を巻かせた。
これで狙撃手は安心して風向きとその強さを知ることが出来る。
相手にとって最高の環境を整えてやれば、後は自然と動き出してくれる。
問題があるとしたら勿論トラギコの身の安全だけだ。

撃たれないわけにはいかない。
撃たせなければいけないのだ。
当たらないようにするには、防具が必要になる。
強いて防具になるとしたらブリッツとコンテナぐらいだ。

防げるかどうかは運次第。
時計を見ながら、準備運動を始める。
走ることは出来ない。
文字通りの相対しかない。

(=゚д゚)「……ふぅ」

久しぶりの感覚。
初めて立てこもり事件を力で解決した日を思い出す。
踏み出せば始まり、失敗すれば死が待っている。
心臓の鼓動が生きている証となり、手に滲む汗が己の体の限界を教えてくれる。

時間は正確でなければならない。
鐘の音が銃声を隠すその時、トラギコは歩き出すしかないのだ。
残り数分が一分、そして秒となる。
アタッシュケース型のコンテナを手に、覚悟を決めた。

(=゚д゚)「行くぞ、カメラマン」


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