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Ammo→Re!!のようです

305名も無きAAのようです:2015/07/19(日) 20:29:30 ID:6KurIn5.0
ようやく病院の姿を目の端に捉えたアサピーは、グレート・ベルの射線上に体が出ないように裏口に通じる道に回り込んだ。
予想に反して病院に近づいても警官の姿を見ることはなく、道が封鎖されている雰囲気もない。
人の通りにも滞りや不自然な物はなく、自然な形で時間が流れている。
裏口の門を押し開き、院内へと足を踏み入れた。

ここから先、決して鐘楼の視界の中に入ってはいけない。
入ればそれは狙撃手に目に留まり、警戒心を与えてしまいかねない。
そうすれば撮影する前に銃弾がレンズと本体、そしてフィルムとアサピーの眼底を粉砕するだろう。
リスクは極力減らさなければならない。

植え込みの傍を通り、焼け焦げた隔離病棟の裏を歩く。
特に激しく燃えた壁は炭のように黒焦げになり、地面も同様に焼けていた。
病棟の裏側を伝いながら本棟の非常口に向かう。
途中、朝の散歩を楽しむ患者とすれ違いざまに軽く挨拶をかわしつつ、情報収集を行う。

三人目の患者と挨拶を交わした時、それが思わぬ幸運をもたらした。

(-@∀@)「どうもおじいさん」

(ΞιΞ)「あぁ、おはよう」

ベンチに腰掛けた老人は少し寝ぼけた様子でアサピーを見上げ、ごく自然に挨拶を返した。

(-@∀@)「お医者さんたちがどこにいるかご存じで?」

(ΞιΞ)「そりゃあ病院だから病院の中に決まっているさね」

はっきりとした返答は老人がまだ健康である証だったが、彼の足が片方失われているのを見れば、入院している理由は明白だった。
歩行が困難になった人間は徐々に意識に異常をきたし、やがては健康そのものに影響を及ぼす。
老人が何者であれ、こうして入院しているのは賢明な判断だと言える。


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