したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。

Ammo→Re!!のようです

294名も無きAAのようです:2015/07/19(日) 19:52:18 ID:6KurIn5.0
アサピー・ポストマンがティンカーベル支社を出た頃、トラギコ・マウンテンライトも仮眠を終え、すでに準備を整えていた。
武器も道具も揃えた以上、残っている準備は予定地点への移動だけだ。
移動してからは、病院の正面から出て狙撃手に狙わせなければならない。
顔をこちらに向けさせた状態でなければ撮影は無駄になる。

無論、自殺をするつもりはない。
みすみす殺されてやるつもりもない。
狙撃手を相手に正面に立つという事が愚行であることは百も承知だし、相手の腕も理解しているつもりだ。
それらを考えに入れた上で、狙撃手と向かい合う。

策はいたってシンプルだ。
鐘の音と共に病院から姿を現し、撃たせる。
そしてアサピーがその様子と共に相手の顔を写真に収め、切り札を手にするという寸法だ。
互いの連携がなければ成功しないが、それ以前に信頼関係がなければ成立しない話でもある。

アサピーが定位置についてカメラを構え、いつでも撮影が出来る状態にあるという事。
トラギコが時間通りに姿を現すという事。
狙撃手がトラギコを見つけ、狙いを定めるという事。
アサピーはトラギコを、トラギコはアサピーを、そして二人は狙撃手を信頼している。

そういった信頼の数々によってこの策は成り立っており、一つでもずれれば破綻につながる。
それはあってはならない。
それでは、トラギコのために死んだカール・クリンプトンが浮かばれない。
愚直なまでの医者として生きた男の命を奪った人間には、死ぬまでに多くの苦しみを与えなければ気が済まない。

あの夜。
トラギコは何故自分が撃たれなかったのか、ずっと疑問だった。
だが、答えは驚くほど簡単な物だった。
狙撃手は単純にトラギコとカールを間違えて撃ったのだ。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板