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Ammo→Re!!のようです

257名も無きAAのようです:2015/06/27(土) 22:15:01 ID:m/DZJGrM0
脚部の車輪を使う事で足にかかる負荷を軽減させ、部下を先頭にすることで自分自身の負担を軽くしながらヅーは森の中に分け入った。
周囲の光源の量を感知したカメラが自動で切り替わり、熱源を可視化する赤外線暗視モードになった。
赤い映像として野生動物や高温の何かが青黒い森に浮かび上がる。
暗い色をした木を避けつつ、バランサーの稼働状況が良好であることを確かめた。

山道が危険と言われる所以は、その足元の不安定さにある。
段差の有無だけでなく、その性質が場所によってまるで異なるためだ。
湿った場所、乾いた場所、落ち葉の積もった場所、岩だらけの場所、水のたまった場所などその種類は千差万別。
棺桶に内蔵された戦闘環境情報は非常に豊富だが、その入力と各部位の調節はアナログに頼る部分が大きい。

戦闘中の環境変化に応じて全身の微調節を行うには、高性能な処理装置や強固な部品と対応したパーツが必要になる。
無論、量産型の棺桶にそのような機能は備わっていない。
激しい戦闘下での使用が大前提となる棺桶に求められている物を考えれば、開発段階でその機能が省かれた理由は想像に難くない。
木を掴みながら斜面を下ると、最前列を歩く男がライフルに付いた赤外線ポインターを使って十数フィート先に広がる平らな地点を示した。

そこにあったのは、キャンプの跡だった。
わざわざ設備の整ったテントサイトから離れて森の中に設営するなど、明らかに普通ではない。
そしてそれを裏付けるようにして、テントの周辺に転がる肉塊とオフロードバイクの残骸をセンサーが捉えた。
人間の形をしていた肉の塊は動物に食われ、目玉を失い、内臓が引き摺り出されている。

が、彼らは幸いだっただろう。
それぞれ差はあるが彼らは別の攻撃によって命を奪われており、生きたまま食われるという恐ろしい経験をせずに済んだのだから。
銃創、切創はいずれも急所に対して当てられている。
また、地面に転がる真鍮製の薬莢の多さに思わず驚く。

形を見ると拳銃のそれが僅か、ほとんどがライフルの物だった。
これを全て拾って調べる気にもなれず、その必要性も感じなかった。
死体を部下に任せ、ヅーはテント周辺に有益な情報を秘めた証拠品を探し始める。
小さな焚火の跡、つい先ほどまで使っていたかのように整然と地面に並ぶ食器類。


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