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Ammo→Re!!のようです

240名も無きAAのようです:2015/06/27(土) 20:46:55 ID:m/DZJGrM0
一通り撮影を終えてから、アサピーはようやく負傷者の救助に当たることにした。
幸いにして死者はおらず、軽傷者だけで済んだのは奇跡か、はたまた意図的なのか。
それを記事にすればより人々の関心を得られると思ったが、今回はトラギコへの情報提供が主であるためにそれは一先ず置いておくことにした。
彼に協力をすれば多くのスクープが自ずと舞い込んでくると信じたからだ。

動揺して頭の回らない――つまり、口が緩くなっている状態――を逃すことなく、目撃者に情報を聞き込み、新鮮な内に仕入れを済ませた。
それでも、すぐに警察官が現れて現場を封鎖し、以降は聞き込みによる情報収集だけしか行えなかった。
警察官の名前を写真に収めるのと同時に記憶したのは、彼を英雄的な存在として記事にする時が来た場合に備えてだった。
名前はイブケ・ゼタニガ、階級は巡査だ。

写真を撮られたことに対してひどく憤慨し、フィルムを寄越せと怒鳴ってきたがアサピーは逃げた。
彼の英雄的行動が多くの証拠を残し、被害者の拡大と混乱を回避できたのだから、何も恥ずかしがる必要はないのだ。
ここまでが、アサピーが爆破事件で行った主な行動である。
その中にアサピーを消してまで隠したい情報があるのか、それを考える。

上り坂になり、アサピーは少し歩調を早めることにした。
坂になれば速度が落ち、余計な時間がかかってしまうからだ。
街でトラギコに関する情報を集め、新聞社に寄って配達用の原動機付自転車を使って彼の足取りを追わなければならない。
事態は一刻を争う。

あのトラギコの消息が途絶えるという事は、紛れもない緊急事態だ。
星空を眺めながら、トラギコの安否を気遣う。
巻き直したばかりの包帯に湿り気を感じ、指で触れてみる。
僅かだが、濡れていた。

傷口が少し開いている。
しかし、それでも歩みは緩まない。
思考もまた、止まる事を知らない。
ただただ、動き続けた。


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