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Ammo→Re!!のようです

20名も無きAAのようです:2015/02/08(日) 20:40:23 ID:F94asbco0
ジュスティア警察と軍が島で警戒する中、不注意によって強化外骨格の不審者に放火されました、などとは口が裂けても言えない。
そういった意味では、トラギコの担当医だった男――名前は忘れた――の死は実に迷惑な物だ。
射殺された死体の始末と隠蔽は容易ではない。
偶然現場に居合わせた軍関係者が死体を隠したからよかったものの、医療関係者に見つかれば大事になっていた。

まだまだ手探りによる捜査が続きそうだが、どうにかするしかない。
溜息を吐くことを我慢し、ヅーはシートベルトを締め、車を走らせた。
ラジオを入れる代わりに窓を開け、風を車内に取り入れる。
夏の夜の匂いと潮の香りがする風が、車内を勢いよく駆け回る。

トラギコの匂いが、これでようやく消える。
正直、トラギコの匂いは苦手だった。
嗅いでいるとアルコールを摂取したような錯覚に陥り、思考が鈍ってしまうのだ。
決して不快な匂いではないのだが、自分を保つためには邪魔な匂いだった。

セダンは街を離れ、山奥に向かっていった。
街全体を見下ろすことの出来る小高い山は、日中はハイキング客、そして夜には天体観測を楽しむ人間でささやかな賑わいを見せる。
島全体が行き来を禁じられてからも、その客足は途絶えも衰えもしていない。
だが、海岸沿いには検問所と警察犬が配置されており、絶えず監視が行われている。

島から逃げるのは非常に難しいだろう。
ギアをサードからフォースに入れ、アクセルを深く踏み込む。
ジュスティアからの資金提供もあって、グルーバー島の車道はどこも綺麗に整備されている。
五年に一回はアスファルトを敷き直しているため、セダンでも難なく山道を走ることが出来る。

ライトをハイビームにして、ヅーは山沿いに一周してから街に戻ることにした。
グルーバー島で最も標高のあるアルマニック山の周囲は速度制限がない代わりに、常に転落と落石に注意という道路標識が目に入るようになっている。
ガードレールがあるとは言っても、速度が増せばそれを飛び越えて崖下に落下することもある。
それはハンドリングとアクセル、そしてブレーキ操作を誤った愚か者のすることだ。


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