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Ammo→Re!!のようです
194
:
名も無きAAのようです
:2015/05/10(日) 19:56:10 ID:EB3u4DHo0
関わった――というよりも、一人で作り上げた――学級新聞が校内で表彰され、景品として渡されたポラロイドカメラは文字通り壊れて動かなくなるまで使い続けた。
思えば安物のカメラであったが、この上のない宝物としてアサピーはそれを使った。
最初に撮影したのは家事をする母親だった。
それが遺影になった日、十三歳になったアサピーは真実の普及に対して妄執的な考えを持つようになる。
精神的に不安定な女が運転する乗用車が歩道に突っ込み、歩行者七人が次々と撥ね殺された。
悲惨な交通事故として処理された突然の死に対して、アサピーが求めたのは真実だった。
事故が起こったアサピーの生まれ故郷である“潮風の街”、カティサークは幸いにしてジュスティアと契約して警察と司法が行き届いていたため、犯人はすぐに逮捕された。
問題となったのは、犯人の責任問題や事件が起こった背景にあったが、街の長の意向で犯人の名前や出自、事件の詳細などは一切公表されなかった。
裁判が行われたが傍聴席は解放されず、一般への公開もなかったことが事故の背後に何かがある事を匂わせていた。
秘匿された真実は逮捕から二日後に下された懲役七年という罰で隠され、遺族以外の記憶から風化するかに思われた。
事故の真実を教えてくれたのは、新聞だった。
複数の新聞社がこの事故の背後関係などを調べ、一年後、モーニング・スター新聞社のライバルであるオトコウメ・ニュースペーパーが一面を使って報道したのである。
そして公になったのはカティサークの長と犯人との間で金銭的な取引があり、意図的に情報が隠され、刑罰が軽くなったという真実だった。
司法はあくまでも警察と契約を交わしている人間の意見を反映するための機関で、いわば警察のおまけだ。
どれだけ非道な真似をしたところで、契約者がそれを非道と認めず、重い罰を望まなければそれまで。
事故が事件へと変わった瞬間、アサピーは救われた思いがした。
知りたかったのは理不尽の理由。
犯人の死に方よりも、理由に関係する情報の方がアサピーを救ってくれた。
真実とはあるべき人の手元に帰すべき物で、選ばれた人間だけが眺めていていいものではないと感じたのはこの日からの事。
以降は写真を取り、雑誌に投稿し、出来る限りメディアに関わりを持ち続けようとした。
アルバイトで貯めた金でカメラを買い、写真を撮り、新聞社や雑誌社に送る日々が続いた。
苦しい生活が続く中でもアサピーが耐えられたのは、夢があったからだ。
いつの日か隠された真実を写真に収め、世界に向けてそれを公表すると云う夢。
息苦しさを覚え、アサピーの意識がそこで覚醒した。
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