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Ammo→Re!!のようです

183名も無きAAのようです:2015/05/10(日) 19:10:45 ID:EB3u4DHo0
潜水装備を身につけた賊が現れる可能性を視野に入れ、二人はライトを地面ではなく海面の上を磨くようにして念入りに照らし、微細な変化に目を光らせている。
強化外骨格の中には潜水能力に長けた物が存在するが、使用するのが人間である以上は空気を外部に排出する必要がある。
つまり、不自然な泡があればそれは注意するに足るものという事。
仮に無呼吸で動いたとしても、多少なりとも透明度のある海中を動かなければならない以上、その姿を見つけ出すことは可能だ。

水平線に見えていた陽が沈み、オレンジとも紅蓮とも言える美麗な空が濃密な紺色に押しつぶされ、瞼をゆっくりと閉じるようにして夜へとその姿を変えた。
一日に一度しか見ることの出来ないその光景を、不思議なことに三人が三人とも眺めてしまっていた。
あまりにも美しい光景に目を奪われるのは人間として正しい反応だったが、彼らは決して警戒の糸を緩めたわけではない。
現に彼らは、無線機から聞こえてきた声に対して即時対応できたからだ。

『……こえるか? 聞こえるかオーナイン?』

聞き慣れたジュスティア軍人の声が無線機の向こうから呼びかけてきている。
いつもの雑談というわけではなさそうだ。
無線を通じてのやり取りしか行っていないが、すでに互いの好みや声を覚えるまでには仲が親密になっている。
何気ない故郷の話や酒の話。

事件が終わり次第、会って酒を飲みかわそうという約束まで取り交わしている仲となった。
共通認識が異なる街の人間を結び付け、思わぬ交友を広める機会になったのは皮肉というべきか幸運というべきか。
しかし規定のために名前を話すことは許されておらず、両者ともにその一線を越えないようにして話をしていた。

( 0"ゞ0)「こちらオーナイン。 何か起きたのか?」

『タクシーが来て、今検問で止められている。
オアシズへの乗船を求めている客がいるそうだ』

犯人の逃亡を防ぐため、橋に通じる道は厳重に封鎖され、特に船に近づくための道は徹底して守られている。
その検問の一つに引っかかったのは、今日はこれが初めての事だ。
むしろこの状況下で動くような馬鹿がいるとは思わなかった。


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