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Ammo→Re!!のようです

134名も無きAAのようです:2015/04/12(日) 20:31:43 ID:u7PlYkbY0
アクセルを深く踏み込み、ヅーはギアをサードからフォースに切り替えた。

瓜゚-゚)「……」

ハンドルを握りしめながら、ヅーは昨晩のことを思い出していた。
森の中から突如として現れたバイクとSUVはヅーの目の前でカーチェイスを繰り広げ、久しぶりに彼女を興奮させた。
SUVに乗っていた一人は昨夜の内に捕えて護送させ、現在は軍の駐屯地で尋問の最中である。
が、その後ヅーが追ったバイクの運転手が極めて曲者だった。

ヅーの扱う強化外骨格、“イージー・ライダー”は舗装された路面を高速移動することに特化した物でその出力や機動性はバイクを遥かに凌ぐ物だ。
単一の目的をもって設計された唯一の棺桶であるコンセプト・シリーズは、初見の相手に最も効果を発揮する。
公の場で棺桶を使うことがないヅーにとって、イージー・ライダーは犯人追跡の切り札とも言えた。
つまり、ヅーがイージー・ライダーを使うという事は、犯人を、そして目撃者を確実に捕らえるという事に他ならない。

にも拘らず、運転手はイージー・ライダーの弱点である山道に素早く進路を変更し、まんまと逃げおおせたのだ。
人相は愚か性別すら分からず、正確な人数も分からずじまいだった。
ナンバープレートを目視しようとしたが、プレートは上向きに曲げられていて確認は出来なかった。
それらに加えて、使われていたのはただのバイクではなく、大型ツアラータイプの物に改造を加えて爆発的な加速と機動性、そして荒地での対応力を両立させていたことが追跡を困難にさせた。

ただし、どれだけ単車の性能が良くても運転手が使いこなせなければ意味がない。
その点、ヅーを出し抜いた運転手は非の打ちどころのない完璧な人間だった。
無駄な蛇行運転をすることもなく、迎撃をするわけでもない。
直前までSUVに追われていたことなど微塵も感じさせない冷静さで、イージー・ライダーの姿が迫るや否やすぐに進路を変えて対応したのである。

ある意味で、あの夜の出会いが思考を手助けしてくれたのだ。
追う者と追われる者、この二者の構図はショボンと彼が追う標的に重なる部分があった。
ヅーが追い、逃げられた人物がショボンの獲物だとしたら。
捕まえた男がショボンの仲間だと分かれば、追っていた人間の正体なども分かるはずだ。


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