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Ammo→Re!!のようです

130名も無きAAのようです:2015/04/12(日) 20:14:20 ID:u7PlYkbY0
残ったヅーは、さっそく現場検証を行うことにした。
散った破片に法則性がある事は、一目で分かった。
瓦礫が四方八方に散る中でも、爆心地の北に向けてそれが集中して散らばっている。
これが意味するのは、指向性の爆弾が使われたという事だ。

つまり、殺すべき対象がその方向に座っていたことを意味している。
テロではなく殺害が目的だったのだ。
殺害されかけた人物についての聞き込みを行わなければならないのだが、今は人手が足りない。
情報収集をもっと早い段階で行えていれば、人々の記憶が新鮮な内に情報を手に入れられただろう。

現場を封鎖した警察官は確かにいい判断をしたが、肝心の調査についてはほぼ手出しをしていないのが惜しまれる。
命令がなければ捜査を始めないのは、警察の悪い習慣の一つだ。
組織である以上命令に従うのは当然だが、状況を読んで独自の判断を下せなければ事件の早期解決は夢と化す。
常に会議で槍玉にあげられるトラギコ・マウンテンライトは、その点で言えば一流だった。

勤続年数と手柄に見合わない刑事という階級にも関わらず、彼は事件解決のプロフェッショナルだ。
警部の立場にありながら、事件の直接解決に貢献したことのないボブ・ガガーリンなど比較対象にならない程の高次元に位置する人間だった。
暴力による解決方法は容認しがたいものではあるが、それでも彼は事件を解決し続けてきた。
解決力という一点においては、ヅーはトラギコの事を尊敬していた。

尊敬の念を抱く一方で、束縛を嫌う自由主義に嫌気がさしているのもまた事実。
集団行動や組織的な行動というものに協力的ではなく、警察という組織に属している以上はチームワークを重んじてほしいところである。
現に、軍の追跡班を使ってトラギコの動向を調べたところ、爆発発生時にこの現場にいたとの目撃証言を手に入れている。
その後姿を晦ましていることから彼はこの爆破事件を目撃し、何かしらの証拠を手に入れたのだと推測が出来たが、チームで動いていれば爆破を防げたかもしれない。

いつまでもトラギコの身勝手な行動に頭を抱えている暇もなく、ヅーはもはや彼を追うことを諦めていた。
諦めざるを得ないのだ。
爆破事件の後に二つも新たに事件が発生し、そちらの隠蔽でヅーは手一杯だった。
警察官二人と民間人一名の使者を出した発砲事件と、モーニング・スター新聞社で起こった大量殺人事件。


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