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Ammo→Re!!のようです
127
:
名も無きAAのようです
:2015/04/12(日) 20:01:02 ID:u7PlYkbY0
現場検証に立ち会うことになったボブ・ガガーリンは勤続十七年のベテラン警部で、これまでに十数件の事件の解決に助力してきた経験者だ。
新聞やラジオで報道されたような難事件にも関わり、他の新人の警官に比べれば現場の捜査を行った経験が豊富だと自負していた。
しかし、テロ行為の跡から犯人に結び付くような状況証拠を見つけ出す経験は一度もなかった。
ブルーシートで完全に封鎖された現場は、注意深く見なければ瓦礫と小さな爆心地以外に何も見当たらない。
爆心地となった場所には小さなテーブルとイスがあったのだが、木っ端微塵に砕け散って広範囲に散らばっている。
テーブルは金属とプラスチックで作られ、椅子はプラスチック製だった。
熱で溶けたプラスチック片が足元に落ちているのを見て、これが椅子の物なのか、テーブルの物なのか、それとも別の物なのかは分からない。
離れた場所には歪に折れ曲がった金属の棒が転がっており、その曲がり方から爆弾の近くにあったパラソルだろうか。
その他諸々の証拠品になり得るものを一人で収集し、分類してラベル貼りをするのかと思うと、非常に気が滅入る。
いつもならば新入りの警官や鑑識に命令して集めて分析させるのだが、現状ではボブ以外に現場慣れした人間はいなかった。
というよりも、この現場検証を担当する人間がボブ一人と、現場を封鎖するために必要な護衛が四人――平均年齢六十歳の駐在――だけだというのだから、自分でやる他選択肢はない。
汗水たらしてボブが集めた証拠品はこれまで自分がそうしてきたのと同じように、より優れた人間が捜査の材料にすることになる。
悔しいかどうかと尋ねられれば、ボブは迷わずに頷くだろう。
事件を自らの手で解決することはこの上ない快感だし、正義のためにこの身を使っているのだと実感できる数少ない機会を他人に持っていかれるのだ。
ジュスティアの人間なら、悔しくないはずがない。
だが命令は命令だし、優れた人間が捜査を担当するのは当然のことで、下っ端がその補助をするのもまた当然である。
白い手袋を指先までしっかりと嵌めて、ボブはそこで次に何をするべきかを考え始めた。
現場の総指揮を執るライダル・ヅーの配慮によって、この事件は解決したことになっているが、実際は何も分かっていない。
犯人像、犯人の目的、そして使用された爆発物の正体さえ分かっていない。
現場検証に関して言えば、ボブは素人だった。
持っている知識だけで現場から情報を収集し、何が起きたのかを分析するには荷が重かった。
それでもやらなければならないのが、この仕事の辛いところだ。
最大の証拠品となる爆弾はすでに運び出され、分析が進められている。
残るのは文字通りの残骸。
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