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Ammo→Re!!のようです
124
:
名も無きAAのようです
:2015/04/12(日) 19:51:36 ID:u7PlYkbY0
飲食に関わる店で最も致命的となるのは、仕入れが出来なくなることだ。
島街であるティンカーベルは多くの島で構成されているため、それぞれが分担して農作物・畜産を管理することで、小さな領土内でも食糧に困ることのないようにしている。
収穫物は船や橋を渡って異なる島の市場へと定期的に出荷されるのだが、内外への移動が完全に禁止されてしまっているために、どうしても食材が不足してしまう。
一日程度ならば備蓄していた分でどうにか維持できるのだが、その島内で生産していない食材を使う料理は早々に提供が停止する。
分担生産による弊害は避けられなかったが、飲食店への打撃は経済学者が思うよりも小さく済んでいた。
材料不足を心配するのは多種多様な料理をメニューに載せている宿泊施設ぐらいで、小さな飲食店などは状況が不利と判断してすぐに店を閉じ、メニューの変更を視野に入れて休業していた。
提供できないのに店を開くのは愚かだし、それ以前に客が来なければ店を開いて準備をするだけ時間と材料と光熱費の無駄だと判断しての事だ。
特に速い反応を示したのは、アイリーン・ストリート周辺の店だった。
爆発が起こり、パニックが起こってから僅か一時間足らずの間に七割の店がシャッターを下ろし、二時間後には業突く張りな土産物屋以外全ての店が営業を停止した。
アイリーン・ストリートの近辺にある店がいち早く反応したのは彼らが優れた感性を持っていただけではなく、事件そのものがアイリーン・ストリートで起こったからだった。
朝市で市場が賑わい始めた午前四時頃にスタードッグス・カフェのテラス席に置かれた鞄が爆破し、市場を一瞬にして恐怖の坩堝へと変えた瞬間、店主たちは二つの決断に迫られた。
店を閉めるか、店を開いて店を求める客を手に入れるか。
緊急時における決断力の速さは商人としての優秀さを示し、結果的に大きな利益を生み出せるのであればそれは商人の鑑だ。
だが、彼らは店を閉めて救護活動に手を貸すことを即決し、店の利益を放棄したのだ。
人間らしさ、つまりは他者を助ける優しさが人一倍強い島民ならではの反応だったと言えよう。
互いに助け合うという事の多い島という環境が彼らを突き動かし、結果的には店の損失を最小限に抑え、商人としても正しい成果を得たのである。
幸いにして爆発による死傷者はおらず、音に驚いた拍子で転んで捻挫したり破片で擦過傷を負ったりした程度で済んでいた。
爆発という非日常的な事態にも関わらず混乱が経度で済んだのは、通報よりも先に駆け付けた警察官たちの努力の賜物だった。
偶然現場付近に居合わせたイブケ・ゼタニガ巡査は即座に一般人を現場から遠ざけ、更には民間人に協力を仰いで全体の混乱を回避させた。
彼は人間の心理を操る術を心得ており、一方的に命令を下すよりも協力を要請することで全体が秩序を保った状態で動くことを知っていたのだ。
斯くして事件現場の調査は迅速に執り行われ、負傷者の搬送と目撃者からの事情聴取などを終えた後、島全体に流す放送を通じて警察から島民への説明が行われることになった。
時刻は朝の八時十二分。
島民は誰もが目覚め、各々仕事に動き出す時間帯だった。
純度の高い金属がぶつかり合い、巨大な音を生み出す。
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