したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

( ^ω^)だから僕は働かないようです

1名も無きAAのようです:2014/11/09(日) 03:05:03 ID:82Lk1.oM0
某県備府(びっぷ)市、入速(にゅうそく)町。特別なものは無く、有名タレントの出生地でもない。どこにでもあるような普通の町だ。
そんな入速町の名が全世界に知れ渡ったのは確か十数年前のことで、その原因となった出来事の中心には間違いなく僕がいた。

2名も無きAAのようです:2014/11/09(日) 03:06:24 ID:82Lk1.oM0
僕の名前は内藤地平線。年齢は忘れた。
僕は職に就いていない。いわゆるニートだ。
買い物に行く以外は基本的に家から出ない僕は家にいる間のほぼ全てを自室で過ごす。
ついさっき起床した僕は自室の机に向かっている。机の傍には古い新聞が10部ほど放ってあった。汚い部屋において一部分だけ整頓されているそれらは、乱雑に脱ぎ捨てられた服や中身の腐ったペットボトルが創るある種の調和を乱している。
僕はそれらの中から3部を拾い上げて目を通す。特に意味は無い。強いて言うならば暇だったから、という所だが生憎と言っていいのか悪いのか僕は常に暇なのでこんな理由付けは意味を成さない。
こんな風にいちいち言葉を頭に浮かべることは無駄だということも知っている。それでも独りよがりな念話を続けてしまうのはある人物と対話するためにこうせねばならないからで、前述の通り僕は人と接する機会がないため頭の中で独り言を呟くのが癖になっている。もしかすると口に出ているかも知れないがどうせ聞く者はいない。
ある人物とは僕の行動……新聞を読もうとしていることからそろそろ姿を頭に思い描くことになる筈なので暫らく待つように。なんて途中からわざと声に出してみるが、僕の声の届く場所に僕以外の人が存在しないことは僕が一番理解している。
改めて新聞に目をやる。当然だが僕はその内容を知っていて、いちいち読まずとも何が書いてあるかは把握している。しかし新聞を手に取ったわけだから、読まないという選択肢は無い。と思う。
そろそろ本当に読もう。僕が持っている新聞、そのいずれにも見知った人物……朗らかな笑顔を浮かべる少年の写真が載っている。

その名を内藤と言った。

3名も無きAAのようです:2014/11/09(日) 03:07:08 ID:82Lk1.oM0
〜天才少年、1000年問題を解く!〜※朝目新聞2051年10月20日の朝刊より この注釈は僕の脳内で表示されている。気にするな。
その少年は世界の数学者たちが解決に1000年はかかると言った問題を中学校の授業中に解いた。

〜天才少年、剣道で全日本優勝〜※朝目新聞2059年11月5日の朝刊より
その少年は運動も出来た。

逆に彼には何か出来ないことがあるかと問われれば、彼が不得意とする何かに僕はいまだ巡り会ったことはない。

4名も無きAAのようです:2014/11/09(日) 03:07:49 ID:82Lk1.oM0
僕の名前は内藤ホライゾン。僕はかつて天才と呼ばれていた。
僕に出来ないことは無かった。勉強も、スポーツも、全てに於いて他を圧倒した。
僕が1000年問題を解いた時も、全日本で優勝した時も、周りは僕を天才と褒め立て、祭り上げた。
僕は天才だった。しかし、そんなことは僕にはどうでもよかったのだ。

5名も無きAAのようです:2014/11/09(日) 03:08:36 ID:82Lk1.oM0
そう、この少年は僕だ。
しかし「この少年」は「今の僕」と同一人物かと問われれば自分でも首を傾げるところだ。
「今の僕」の名前は内藤地平線。
そして「この少年」の名前は内藤ホライゾン、と言った。

6名も無きAAのようです:2014/11/09(日) 03:09:39 ID:82Lk1.oM0
あれは確か中学生に上がりたての頃だったと記憶している。
僕は僕が一人ではないことに気付いた。切っ掛けなどなく、解ったのだ。
僕は「僕」に話しかけようとした。どうやるかは知らなかったし、「僕」が応答するともその時は思わなかった。
ただ一つ言えるのは、僕が希望したことを「僕」が叶えなかったことは無いということだ。
つまり、対話は成立した。おぼろげではあるが、僕の頭の中に僕のものではない声が響いた。

7名も無きAAのようです:2014/11/09(日) 03:10:32 ID:82Lk1.oM0
少し回想してみよう。確か僕は「僕」にこう話しかけた筈だ。

( ^ω^)「一体君は誰なんだい? 実に奇妙な感覚だよ、自分の中に別の人間がいるんだ。しかもそいつはどうも他人とは思えない。確かに自分ではないはずなのに、僕と別人ではないんだ。君なら答えを知っていると思ってね」

実に痛々しい喋り方だが、当時はこれが格好いいと思っていたのだ。
そんな事はいい。確かに僕はさっき言ったように「僕」に話しかけた。するとその瞬間「僕」の存在が急にリアルに感じられるようになった。息遣いや鼓動が聞こえてくるような錯覚、突如訪れた酸欠の状態に似た現実との乖離感。僕は眩暈を覚え、その場で嘔吐した。
一通り吐き終えると、意識が遠のいていった。自分の体が床と平行になっていくあの感覚は忘れられない。
そして……

8名も無きAAのようです:2014/11/09(日) 03:11:22 ID:82Lk1.oM0
(    )「         」

「僕」の最初の言葉を、僕は未だに思い出せない。

9名も無きAAのようです:2014/11/09(日) 03:12:53 ID:82Lk1.oM0
直接訊けば解るだろうって思っただろう? でも僕が家に引き篭もってからこの方「僕」は姿を見せないんだ。
周りから見れば僕は過去の栄光に縋る落ちぶれた元天才少年なのだろう。
でも僕はそんなことは気にしない。天才少年と呼ばれた「僕」とニートの僕とは別の人間であって──同一個体の中に存在しているのだが──、お互い思考は切り離されている。
僕の思考のベクトルは常に「楽がしたい、働きたくない」という方向へ向いていて、どのような形にせよ、その念願が叶ったということは間違いなく僕にとって喜ばしいことだ。
「僕」は消えたのだろうか。それでも僕の心は一向に痛むことはなかった。大切なのは僕は今の生活がたまらなく心地よい、ということだけ。誰とも会わず、生産性のない今日を過ごす。今日とはおそらく明日のことで、明日とはおそらく昨日のことなのだろう。
僕が死んでも何も変わることはないのだ。ただ僕が享受する「今日」がなくなるだけで。

10名も無きAAのようです:2014/11/09(日) 03:13:36 ID:82Lk1.oM0
そして「今日」はその瞬間へと緩やかに近づいているのだ。



11名も無きAAのようです:2014/11/09(日) 03:14:50 ID:82Lk1.oM0
投稿テストみたいなもんです。
駄文垂れ流して申し訳ありませんでした。

12名も無きAAのようです:2014/11/09(日) 11:52:10 ID:NNaj99R20
もっとだ
もっと地の文をくれええ

13名も無きAAのようです:2014/11/09(日) 12:12:47 ID:82Lk1.oM0
>>12
言われて気付いたけどマトモなセリフ1つしかない

14名も無きAAのようです:2014/11/09(日) 12:16:59 ID:w0NI2GKc0
なるほどね……

15名も無きAAのようです:2014/11/09(日) 12:26:56 ID:OKQby.h60
面白そうな文体だ

16名も無きAAのようです:2014/11/09(日) 12:33:35 ID:82Lk1.oM0
本当はこの後もいろいろあったんですけど途中からgdgdになってきたので切りました

17名も無きAAのようです:2014/11/10(月) 08:28:49 ID:tKHOhXsg0
このタイトルで話を思い付いてしまったwww
書き上げたら同じタイトルでスレ立てると思うわ

18名も無きAAのようです:2014/11/10(月) 14:21:19 ID:m5W1tRT20
果てしなく見づらい

19名も無きAAのようです:2014/11/10(月) 16:22:11 ID:M2ZFsUlw0
>>17
よろしくお願いします

>>18
一文が長すぎるんですかね?

20名も無きAAのようです:2014/11/10(月) 16:25:56 ID:m5W1tRT20
他の地の文アリの作品見てきて勉強してきたらいいんじゃないかな
ネット小説とssじゃ違うし、ssとブーン系でも違うから、こればかりは口で説明するよりも自分で掴むしかない
内容じゃなくて書き方、話の作り方を意識して勉強してこい

21名も無きAAのようです:2014/11/10(月) 16:45:09 ID:4Ls7k/uc0
言うほど読みづらくはないよ
改行入れたほうがいいとは思うけどね
それより続きが読みたい

22名も無きAAのようです:2014/11/10(月) 21:38:01 ID:M2ZFsUlw0
>>20
アドバイスありがとうございます

本当それなんですよね……ふと起承転結の「起」か「結」だけ思いついて設定だけ作るのが殆どで、初めて形にしたのがこれです
始まりだけふと思いついて、途中の展開を全く考えずに書き出したので着地点がわからなくなりました


一回終わらせといて図々しいですが、続き需要あります?

23名も無きAAのようです:2014/11/10(月) 23:12:48 ID:kFjbQ0qc0
たまに需要聞くやついるけど見る度いつからお前らは求められるから物を書くお偉いセンセになったの?って思う

24名も無きAAのようです:2014/11/10(月) 23:35:04 ID:I8H0zMCY0
>>1は作家気取りか何かか?
アンカー付けて理屈こねてる暇あったら続きか別の作品書け

25名も無きAAのようです:2014/11/10(月) 23:35:56 ID:M2ZFsUlw0
>>23
なんつーか、形式……ですかね?
何となく作者の皆さん需要聞いてる気がするので

26名も無きAAのようです:2014/11/10(月) 23:38:42 ID:ckTP.vuE0
>>25
こういう言い方はあれだが……
むしろ嫌がられる行為だからスレを荒らしたくなければ控えたほうが無難だぜ

27名も無きAAのようです:2014/11/10(月) 23:44:17 ID:M2ZFsUlw0
ブーン系書く奴は投下して読んでくれてありがとうございましただけ書けばよくね?みたいな誰かのレスを思い出しました

すいませんでした今度続き書きます

28名も無きAAのようです:2014/11/11(火) 02:56:37 ID:y3MuYkOE0
読みやすいほうがそりゃ良いだろうけど、別に気にしなくても良い気がする。
ただ中身有りきだよ。
続きは見たいと思った、どう展開していくのか期待感はあった、それだけで読み辛さなんて些細なことでは?

29名も無きAAのようです:2014/11/11(火) 04:19:08 ID:nyZKA6jY0
一度形にしてみるってのが大事だよね
慣れてないと難しいけど挑戦しないと始まらないし

続き書けって言われたから書くんじゃなくて続きを書きたいから書く、ここで終わらせたいから終わらせる、でいいんだよ

30名も無きAAのようです:2014/11/11(火) 07:17:20 ID:7tHGTw5.0
>>28
それで読んでもらえるならいい
世の中には改行も何もない上にレスの長さの統率もないってだけで読まない奴もいるんだよ

32名も無きAAのようです:2014/11/27(木) 22:41:02 ID:3Ew8bXJc0
今日も「今日」がやってきた。

33名も無きAAのようです:2014/11/27(木) 22:41:44 ID:3Ew8bXJc0
いつもの「今日」。1つ前の「今日」と何も変わることはなく、誰も僕の「今日」に干渉してくることはない。
いつものように布団から抜けだし、いつものように飯を食べ、いつものように部屋でパソコンをいじり、いつものように布団に入る。
僕の生活の中にある不確定要素といえば、たまに夕飯を抜く、たまに数分ほど自慰に耽る、その程度のものだ。
判を押したような生活の中に時折イレギュラーが入る。


今自分は生きていると気付いたのが不思議になるほど、僕にとって生きることは義務と化していた。

34名も無きAAのようです:2014/11/27(木) 22:42:28 ID:3Ew8bXJc0
誰に言われて僕は生きることを始めたのだろう。

親が僕の生誕を馬鹿みたいに喜んだ時?
「僕」が世界中から称賛され、人類の宝ともてはやされた時?
僕がこうして引きこもり、世界の溜め息を聴いた時?

2つ目だと僕は踏んだ。
暫く姿を見せない「僕」の残滓が僕を生きつづけさせているのだろう。

35名も無きAAのようです:2014/11/27(木) 22:43:12 ID:3Ew8bXJc0
何ということだ。

僕は僕ならざる「僕」に生きることを強いられているのである。

それでも死ぬ気が全く起こらないのは僕の中に僕といえるものはもうあまり残ってはいないのだろうと思った。と口に出した。
この癖が無くなった時、本当に僕は「僕」になってしまう気がして怖かったからだ。と口に出す。

36名も無きAAのようです:2014/11/27(木) 22:43:54 ID:3Ew8bXJc0
( ^ω^)「僕は狂っているんだ。狂ったように生きつづけているんだ。『僕』は僕に取って代わろうとしている。『僕』を消さなければ。僕が僕として生きる為に『僕』を消さなければ。狂ってしまう。いやもう既に狂っていたんだ。『僕』に逢ったあの時から。」

( ^ω^)「思考が錯綜するが全て口に出さなければならない。何故ならそれが僕である事の証明であってこの癖が無い僕など僕ではないのだから。」

37名も無きAAのようです:2014/11/27(木) 22:44:53 ID:3Ew8bXJc0
( ^ω^)「いや」

( ^ω^)「待てよ」

( ^ω^)「生きることが『僕』の望み」

( ^ω^)「ならば死ねばいいんだ。僕が僕であるうちに」

( ^ω^)「死んでしまえば僕は永遠に僕でいられる」

( ^ω^)「死のう」

( ^ω^)「死ぬしかない。死ぬまで喋り続けるんだ。死のう。死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう死のう」

38名も無きAAのようです:2014/11/27(木) 22:45:43 ID:3Ew8bXJc0
( ^ω^)「死のうが脳死に変わって3分程でマンションの屋上に着いた。息が苦しい。舌が回らない。開放されたい。飛び降りよう。ここから。今すぐに。」

( ^ω^)「そうして僕は屋上の縁に立っている。体が傾き始める。水平になる、今落下を始めた。死ねる。僕のままで。もうすぐじめ」

(  ω )「ぐしゃっ。僕の体は響いた音の大きさに比例して無残なことになっているだろう」

(  ω )「こ……うやく死……ぼ……がぼく……で……に」

(  ω )「」

39名も無きAAのようです:2014/11/27(木) 22:46:38 ID:3Ew8bXJc0
言葉が出ない。最期まで喋り続けなければ。物言わぬ死体になる瞬間まで。
最期まで僕である為に。
僕が僕でなくなるその時、僕は『僕』であってはならない。

40名も無きAAのようです:2014/11/27(木) 22:47:25 ID:3Ew8bXJc0
(  ω )「…………ぅぅぅぅぅ」

(  ω )「ぼ……のこえ……る……てい……。それ……るのだ。」

(  ω )「聞いて……だろうが……もう……のだ。」

(  ω )「……から、……たらかない。」

(  ω )「だから僕は……かない」

41名も無きAAのようです:2014/11/27(木) 22:48:07 ID:3Ew8bXJc0
(  ω )「僕は……まま……ぬこと……できた」

(  ω )「僕は僕のまま死ぬことが…………できた」

(  ω )

42名も無きAAのようです:2014/11/27(木) 22:48:49 ID:3Ew8bXJc0
僕は僕のまま死ぬことができた。





43名も無きAAのようです:2014/11/27(木) 22:50:23 ID:3Ew8bXJc0
続きません。
読んでいただいた方、ありがとうございました。

感想とかあれば適当にどうぞ。質問も気が向けば答えます。

44名も無きAAのようです:2014/11/28(金) 00:46:32 ID:xnQ7K1n20
乙 
>>8に入る「僕」の最初の言葉って>>7の僕のセリフそのもの?

45名も無きAAのようです:2014/11/28(金) 07:30:43 ID:P6w30wLE0
>>44
>>7は僕が「僕」に話しかけたセリフで、>>8はそれに応えたって感じです つまり別のセリフ
>>8で何て言ったかは想像にお任せします 伏線もどきが目立ちすぎてしまった

46名も無きAAのようです:2014/11/29(土) 09:48:25 ID:51pyw9rQ0
好きだこういうの
おつです


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板