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ノパ⊿゚)いんだくしょん・ひーとのようです
49
:
名も無きAAのようです
:2014/10/22(水) 07:15:37 ID:67Ob39jY0
乙
50
:
名も無きAAのようです
:2014/10/22(水) 09:03:11 ID:V.qcuzQE0
ヒートにいんだくしょんされてきたら面白そうではないですかね
51
:
名も無きAAのようです
:2014/10/22(水) 11:04:22 ID:WQIKsdPI0
とある素直の誘導加熱
52
:
名も無きAAのようです
:2014/10/23(木) 01:01:42 ID:Hqiifad.0
ハインのからくりを解いたら完結っぽいけど
シリーズ化してほしいおつ
53
:
名も無きAAのようです
:2014/10/23(木) 01:31:23 ID:jRqhhnvs0
>>52
むしろハインの装置の謎を解いてからが本番です!
ということで、続きを投下していきます。
54
:
名も無きAAのようです
:2014/10/23(木) 01:33:47 ID:jRqhhnvs0
第三話「インダクション・ヒート」
55
:
名も無きAAのようです
:2014/10/23(木) 01:34:52 ID:jRqhhnvs0
―翌日。
ヾノハ*゚⊿゚)ノ"「ハーイーンー!!来てやったぞぉおおおおおお!!」
学校帰りのヒートはハインの家まで来ていた。
どうせムァッドサイエンティスト(笑)様のことだから家でヒマしているだろう。
ヒートはチャイムを連打しまくる。
ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン从#゚Д从「うるせえええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!」ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン
ノハ*゚⊿゚)「あ、出てきた」
56
:
名も無きAAのようです
:2014/10/23(木) 01:38:36 ID:jRqhhnvs0
何事もなかったかのようにヒートはハインの家に上がり込む。
お茶でも出すわと言いながら、ハインは一向に動く気配はない。
从 ゚∀从「…そいで、なんかわかったのかい?」
从 ゚∀从 旦
[浮 遊]== スィー
从 ゚∀从つ旦 ヒョイ
[浮 遊]
从 ゚∀从つ旦
==[浮 遊] スィー
ノハ;゚⊿゚) ! ! ? ?
ノハ;゚⊿゚)「その前にこっちが質問したいわ!何だ今の!!!」
57
:
名も無きAAのようです
:2014/10/23(木) 01:41:17 ID:jRqhhnvs0
从*゚∀从旦「お茶うめーなー」
ノハ#゚⊿゚)「こっちの質問スルーかよぉ!!てめーの発明に興味持ってやってんだからそこは説明してくれよぉ!!!!しかもそれ私のお茶じゃねーのかよ!!!!!!!!ヒート激ぉこだょ!!!!!!!」
从 ゚∀从「まあまあ、もうすぐ次のお茶が運ばれてくるから」
ノハ´゚⊿゚)。oO(ホントにスルーされた)ションボリ
58
:
名も無きAAのようです
:2014/10/23(木) 01:42:57 ID:jRqhhnvs0
从 ゚∀从「お茶が来るまで話を聞いてやろーじゃん?」
ノパ⊿゚)「おお、IHクッキングヒーターをめっちゃ調べてきたぞ!!」
从#゚∀从「IH?バカにしてんのか」
ノハ#゚Д゚)「うおおおおおおおおおおおおおいハインがヒントっつったから調べて来たんだろうがよォオオオオオオ!!!!!!」
从 ゚∀从「そうプンプンすると脳の血管切れるぞ」
ノハ#゚⊿゚)「相手が冷静だと余計にイラつくふしぎ!!」
59
:
名も無きAAのようです
:2014/10/23(木) 01:44:04 ID:jRqhhnvs0
从 ゚∀从「冗談はこのくらいにしておくか」
ノパ⊿゚)「そうして。ツッコミ切れないぞぉ」
从 ゚∀从「で、IHクッキングヒーターはどんなもんだったんだ?」
ノパ⊿゚)
ノハ*゚∀゚)ニパ
ヾノハ*゚∀゚)ノ「IHクッキングヒーターはなんとびっくり電磁石なんだよしかも交流で動いているんだよ交流で動く電磁石は時間的に変化する磁界を作ってそれがファラデーの電磁誘導の法則で金属の鍋の中に誘導起電力を生じさせるんだよ誘導起電力が発生するってことは電流が流れるってことなんだけどその電流は誘導電流って言ってあっこれは余談なんだけど誘導電流の流れる向きは磁界の変化を妨げるような磁界を発生させる向きになるんだ例えば上向きにN極を発生させるような電磁石を導体の下においてた場合は上の導体には下向きにN極が発生するような磁界を生じさせるように電流が流れるんだこれは電磁気学における慣性の法則みたいなもので元の状態に戻ろうとするような作用があるみたいなんだよ話がそれちゃったけど金属の鍋には電気抵抗があるから誘導電流がジュール熱を発生させて鍋が加熱していく!!」
从;゚∀从「日本語でおk、ちょっと落ち着け」
60
:
名も無きAAのようです
:2014/10/23(木) 01:45:38 ID:jRqhhnvs0
ノパ⊿゚)「ざっくり話すと」
・IHクッキングヒーターはファラデーの電磁誘導の法則とジュールの法則を用いている。
・電磁誘導の法則は、磁界が時間的に変化すると誘導起電力(電圧)が発生するというもの。
・誘導起電力が鍋側に発生すると、電流(誘導電流)が流れる。
・電流が流れると、ジュールの法則に従い、物体の電気抵抗によって熱が発生する。
・IHクッキングヒーターはこの発生した熱を利用している。
・電圧を発生させるために必要な『磁界の時間的変化』は交流電流を与えて発生させている。
・余談だが、誘導電流の流れる方向は『磁界の変化を妨げる方向の磁界を発生させる向き』になる
从 ゚∀从「ほう、だーいぶ詳しく調べてるな」
从 ゚∀从「この調子でやれるなら貴様を助手にしてやってもいい!この稀代のムァーッドサイエンティスト、ハインリッヒ高岡の助手にならんかクリスティーナよ?」
ノハ#゚⊿゚)「誰がクリスティーナだ」
61
:
名も無きAAのようです
:2014/10/23(木) 01:47:35 ID:jRqhhnvs0
从 ゚∀从「で、肝心のオレの装置のナゾは解けたのか?」
ノパ⊿゚)
ノハ;゚⊿゚) ハッ
ノハ;゚⊿゚)そ「わすれてた!!!!!!」
从;゚∀从。oO(ええー…このコ残念なコなのかな…)
62
:
名も無きAAのようです
:2014/10/23(木) 01:49:11 ID:jRqhhnvs0
ヒートは完全にハインの装置のことを忘れていた。
IHクッキングヒーターはあくまでも『ヒント』であったことを忘れてはならないのだ。
从 ゚∀从「うん、よくこんだけ短時間で調べたと思うぜ」
从 ゚∀从「正直オレもびっくりしている」
从 ゚∀从「だから、今回は特別にオレがお前を少し『誘導』してやるよ」
从 ゚∀从「『インダクション・ヒート』だ」
63
:
名も無きAAのようです
:2014/10/23(木) 01:50:05 ID:jRqhhnvs0
从 ゚∀从「ヒート、お前が余談だと思っている『レンツの法則』がカギだぜ」
.
64
:
名も無きAAのようです
:2014/10/23(木) 01:53:29 ID:jRqhhnvs0
ノパ⊿゚)「…あとは『IHクッキングヒーターの説明書を読み直してみろ』、かぁ…」
ヒートはハインの家を出て、家に向かって歩いていた。
あたりは既に真っ暗になっていた。
当初の目的からは少し脱線してIHクッキングヒーターマニアの少女になりかけてしまったが、どうやら正解には近づいているようだ。
…身近な装置にも、こんなに不思議がいっぱいある。
冷蔵庫が何で冷えるのか、何で遠くの人と電話で話せるのか、わからないことは枚挙に暇がない。
ノパ⊿゚)「今日はIHクッキングヒーターで、私が晩御飯作ってみようかなぁ」
ヒートはそんなことを考えながら、帰宅した。
…クー姉が晩御飯をすでに用意しており、帰りが遅いヒートにご立腹だったのはまた別のお話。
65
:
名も無きAAのようです
:2014/10/23(木) 01:56:28 ID:jRqhhnvs0
第三話「インダクション・ヒート」 終
66
:
名も無きAAのようです
:2014/10/23(木) 02:04:58 ID:jRqhhnvs0
今回は単なるまとめですが、またワケの分からないハインの装置が出てきましたね。
前にも述べましたが、このお話は「ハインの装置の謎を解き明かしてから」が本番となります。
目指せ最高時速500km。
では、また磁界。
67
:
名も無きAAのようです
:2014/10/23(木) 02:06:36 ID:3f.KePBY0
乙
68
:
名も無きAAのようです
:2014/10/23(木) 06:43:15 ID:b8613H7Y0
ヒート頑張ってるなぁ
乙んこ
69
:
名も無きAAのようです
:2014/10/23(木) 07:13:58 ID:OdV2AWiI0
乙
70
:
名も無きAAのようです
:2014/10/24(金) 10:41:47 ID:UdW8gG2I0
やだ何このアラサー男子がワクワクするスレッドは
71
:
名も無きAAのようです
:2014/10/24(金) 10:57:14 ID:9xB1KR7c0
>>70
ギクっとしたww
72
:
名も無きAAのようです
:2014/10/24(金) 15:11:58 ID:sbiEWAgA0
おつ
73
:
名も無きAAのようです
:2014/10/25(土) 04:11:22 ID:tWuGf34g0
>>70
>>1
もギクッとした
では、続きを投下していきます。
74
:
名も無きAAのようです
:2014/10/25(土) 04:13:11 ID:tWuGf34g0
第四話「 浮 上 」
75
:
名も無きAAのようです
:2014/10/25(土) 04:14:15 ID:tWuGf34g0
翌日。
ヒートは朝からIHクッキングヒーターの説明書を眺めていた。
今日は土曜日、学校も休みだ。部活もない。
ノパ⊿゚)「気になる記述は『鍋が滑る恐れがある』なんだよなぁ」
鍋が滑るということはどういうことだろう?
ノパ⊿゚)「一旦、情報を整理してみる必要かあるなぁ」
ノパ⊿゚)「昨日、ハインは『レンツの法則』がカギだって言ってた」
ノパ⊿゚)「IHクッキングヒーターで空焚きをすると鍋が滑る恐れがある」
ノパ⊿゚)「ハインの装置は電磁石を使ってアルミの板が浮遊しているようだった」
ノハ;゚⊿゚)「…ん?」
ノハ;゚⊿゚)「…そういえば、磁石の反発力で浮いているんだったっけ…?」
76
:
名も無きAAのようです
:2014/10/25(土) 04:22:14 ID:tWuGf34g0
原点に立ち返るということは大事なことである。
ハインの装置は空気で浮かせているようなものではなかったのと、電気を与えることで浮上を可能にするものだった。
ハインから明確な回答は貰っていないが、おそらく磁気の反発力を用いているはずだ。
ノパ⊿゚)「つまり、何らかの方法でアルミの板から磁気が発生する必要がある」
ノパ⊿゚)「アルミの板が磁気を発生するには…」
ノハ;゚⊿゚)「…誘導電流の作る磁界だ…」
77
:
名も無きAAのようです
:2014/10/25(土) 04:27:26 ID:tWuGf34g0
昨日、それに近いことを自分で言っていた気がする。
ヾノハ*゚∀゚)ノ『誘導電流の流れる向きは磁界の変化を妨げるような磁界を発生させる向きになるんだ』
ヾノハ*゚∀゚)ノ『例えば上向きにN極を発生させるような電磁石を導体の下においてた場合は上の導体には下向きにN極が発生するような磁界を生じさせるように電流が流れるんだ』
これだ。
興奮してベラベラとしゃべっているうちに、非常に答えに近いことを言っていたのではないだろうか。
ノハ;゚⊿゚)「上向きにN極を発生させるような電磁石を導体の下においていた場合は、上の導体には下向きにN極が発生するような磁界を生じさせるように誘導電流が流れる」
ノハ;゚⊿゚)「あんときゃN極って言ってたけど、実際は下の電磁石に流れているのは交流電流だから、時間と共に極性は反転する…」
ノハ;゚⊿゚)「極性が反転したらS極だ」
ノハ;゚⊿゚)「アルミの板には『磁界の変化を妨げるような磁界を作る電流』が流れるから、電磁石の上側がN極→S極になるような磁界を作っていると、導体は変化を打ち消す方向に電流が流れるから…」
ノハ;゚⊿゚)「導体の下側もN極→S極だ…」
78
:
名も無きAAのようです
:2014/10/25(土) 04:29:37 ID:tWuGf34g0
磁界の変化を打ち消す、というのは一瞬よくわからない概念である。
すごく簡単に考えると、こう。
[アルミの板]
↑ ←N極
旦 ←電磁石
電磁石が上向きにN極を作っていたとする。
これを打ち消すためには、電磁石の上側から下向きにN極を加えてやれば良い。
[アルミの板]
↓ ←N極
↑ ←N極
旦 ←電磁石
ノハ;゚⊿゚)「つまり、交流電流を流している電磁石の上と導体の下に発生している極は常に一緒になる!」
79
:
名も無きAAのようです
:2014/10/25(土) 04:34:51 ID:tWuGf34g0
ノハ;゚⊿゚)「電磁石の上がN極だったらアルミの下もN極!」
ノハ;゚⊿゚)「電磁石の上がS極だったらアルミの下もS極!!」
ノハ;゚⊿゚)「NとNは反発する!!!」
ノハ;゚⊿゚)「SとSは反発する!!!!」
ノハ;゚⊿゚)そ「浮くわこれ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
80
:
名も無きAAのようです
:2014/10/25(土) 04:40:24 ID:tWuGf34g0
・
・
・
从 ゚∀从「…で、あんまりにも朝からうるさくしたせいでクーに叩きだされてきたんだな?」
ノハ*゚⊿゚)「そんな感じだてへぺろ」
あまりにも興奮しすぎたせいでかなりうるさくしていたらしく、ヒートは寝起きのクーに川#゚ -゚)「うるさい」と言われて叩きだされてしまった。
そんなわけで、謎が解けた(?)ため、答え合わせも兼ねてヒートはハインの家に来ていた。
ノパ⊿゚)「で、浮いていた理由なんだけど…」
ヒートはアルミの板の浮上原理を一頻り話してみた。
从 ゚∀从「うん、正解」
ノハ;゚⊿゚)そ「あっさり!?盛り上がりもクソもねえな!!!」
81
:
名も無きAAのようです
:2014/10/25(土) 04:43:27 ID:tWuGf34g0
从 ゚∀从「磁気の力を使ってモノを浮かせる技術を『磁気浮上』って言ってな」
从 ゚∀从「いくつか分類がある中で、これは『誘導反発』と呼ばれる方式だ」
从 ゚∀从「有名なところだと、リニアモーターカーの浮上方式はこれだな」
ノハ;゚⊿゚)「え、リニアモーターカーってあの最高時速500km超電導だぜワースゲーチョービックリ的なやつ?」
从 ゚∀从「そう、それ。他にもリニアモーターカーはあるけどな」
ノハ;゚⊿゚)「えっ、他にもあるの?」
从 ゚∀从「おう、別の浮上方式だけど、もう実際に運行しているのもあるぜ」
※例えば愛知高速交通東部丘陵線が2005年頃からリニアモーターカーの常設運転を行っています
82
:
名も無きAAのようです
:2014/10/25(土) 04:45:41 ID:tWuGf34g0
从 ゚∀从「さて、浮上の謎が解けたところで、ちょっとやってみようか」
ハインはそう言うと、どこからともなく鉄の丸棒とエナメル線を取り出してきた。
从 ゚∀从「ヒート、実際に電磁石を作ってやってみるぞ。電源はオレが用意してやるから、ひたすら鉄棒に線を巻いときな」
ノハ;゚⊿゚)「えっ」
ハインは材料だけヒートに手渡すと、白衣を羽織って部屋の奥へと消えていった。
ノハ*゚⊿゚)「小学校の理科の実験を思い出すなー」グルグル
ヒートは小学校の時に電磁石を作ったように、鉄棒にエナメル線をぐるぐると巻き付けていく。
…ところでこれ、どのくらい巻きつければいいんだろう?
从 ゚∀从「そうだなァー。棒の直径が10mm程度だから…」
从 ゚∀从「500回くらい巻けばいいかな。あとは電流で調整しよう」
ノハ;゚⊿゚)そ「多い!!!」
83
:
名も無きAAのようです
:2014/10/25(土) 04:49:05 ID:tWuGf34g0
・
・
・
ノハ;゚⊿゚)「ま、巻き終わったぞぉ…」
ヒートが電磁石を巻き終えた頃には、昼になっていた。
从 ゚∀从「よぉーし、ヒートお手製電磁石に電源をつないで…っと」
ハインが謎の箱からズルズルと線を引き出し、電磁石と線を接続する。
从 ゚∀从「じゃあ、電磁石の上にアルミの板を乗せるんだ」
[アルミ板]
旦
ノハ*゚⊿゚)ワクワク
从 ゚∀从「電源入れるぜー」ピッピッピッ ポチッ
\ファソラシ♭ドレミファソ-/
ノハ;゚⊿゚)「何だ今の」
84
:
名も無きAAのようです
:2014/10/25(土) 04:51:29 ID:tWuGf34g0
\ヒュイイイン/
[アルミ板]
旦
ノハ*゚⊿゚)。oO(なんか音鳴りだした!!)ワクワク
\ヒュイイイイイイン/
(([アルミ板]))
旦
ノハ*゚⊿゚)ワクワクワクワク
ε==[アルミ板] < スポーン
旦
ノハ;゚⊿゚)そ
\ カラーン /
旦 [アルミ板]
ノハ; ⊿ )
ノハ; ⊿ )そ「浮かねえじゃねぇ―か!!!!!!!!!!!!」
85
:
名も無きAAのようです
:2014/10/25(土) 04:54:00 ID:tWuGf34g0
ノハ;⊿;)「浮くと思ったのに」
从;゚∀从「何も泣くことはねーだろ…」デンゲン オフ
从 ゚∀从「ヒート、IHクッキングヒーターの説明書に『鍋が滑る』みたいな記述はなかったか?」
ノハつ⊿;)「あ」
从 ゚∀从「普通、一個の磁石同士を反発させると、安定して浮かないんだ。必ずどっちかが横に滑って吹っ飛んでいっちまう」
从 ゚∀从「これはアーンショーの定理って呼ばれている。定理自体は電場に定義されているモンだが、磁場にも適用出来る。静磁場の中に磁石をおいても、安定しないのさ」
ノハつ⊿;)「???」
86
:
名も無きAAのようです
:2014/10/25(土) 04:55:19 ID:tWuGf34g0
从 ゚∀从「これは永久磁石でやってみりゃあわかる。N極とN極、S極とS極を無理にくっつけようとすると横に滑るような力を受けるだろ?」
从 ゚∀从「同じことが目の前でも起きたのさ」
从 ゚∀从「このままじゃ安定して浮かない」
从 ゚∀从「もしこの現象が起こらないんだったら、とっくに巷は磁気浮上だらけのはずさ。成功させたらノーベル賞が獲れちまう」
ノパ⊿゚)「…じゃあ、ハインの装置でアルミ板が浮いてたのはおかしくないか?」
もし磁場中に磁石を置いても安定しないのであれば、ハインの装置が安定して浮いているのもおかしいはずだ。
从 ゚∀从「焦るなよ、大丈夫だ。この定理は永久磁石みたいな『静磁(電)場』」にしか規定されていない」
87
:
名も無きAAのようです
:2014/10/25(土) 04:56:06 ID:tWuGf34g0
从 ゚∀从「つまり、動的に変化する磁場には適用されない。オレたちがこれから扱っていくのは空間的、または時間的に変化する『動的磁場』だからな」
.
88
:
名も無きAAのようです
:2014/10/25(土) 04:57:59 ID:tWuGf34g0
第四話「 浮 上 」 終
89
:
名も無きAAのようです
:2014/10/25(土) 05:07:54 ID:tWuGf34g0
補足
本編中に出てきた「超電導リニアモーターカー」ですが、例のアレです。
今、品川で新幹線に乗ろうとすると大々的に広告が出ていますね。
実は浮上と超電導に直接的な関連はありません。
超電導、磁気浮上、リニアモータの関係…。
ここらへんついては本編で触れていきます。
では、また磁界。
90
:
名も無きAAのようです
:2014/10/25(土) 06:10:35 ID:Mc9ZuiRA0
乙です
91
:
名も無きAAのようです
:2014/10/25(土) 07:49:22 ID:6ftZ54nQ0
乙!昔気になって調べた知識が整理されてってめちゃくちゃ面白いです
92
:
名も無きAAのようです
:2014/10/25(土) 16:37:34 ID:4f29Jhto0
aaもシンプルなのに分かりやすい!
93
:
名も無きAAのようです
:2014/10/26(日) 00:25:27 ID:a6PllgqE0
おつ
94
:
名も無きAAのようです
:2014/10/26(日) 07:06:38 ID:RJ.lyJEI0
あさりよしとおのまんがサイエンス
な雰囲気
95
:
名も無きAAのようです
:2014/10/29(水) 21:06:21 ID:t.w9PXaQ0
>>94
モロまんがサイエンス世代です
あやめちゃんが大好きです、ハイ
続きを投下していきます
96
:
名も無きAAのようです
:2014/10/29(水) 21:08:30 ID:t.w9PXaQ0
第五話「表皮効果」
97
:
名も無きAAのようです
:2014/10/29(水) 21:09:30 ID:t.w9PXaQ0
翌日、ヒートは再びハインの家の前まで来ていた。
結局昨日は
从 ゚∀从「今日はこんなもんにしとこう。いっぺんに詰め込むのは良くない。また来な」
と、ハインにそう言われ、ヒートはモヤモヤしたまま帰宅したのだった。
ヾノパ⊿゚)ノ"「ハーイーンー」
・
・
・
98
:
名も無きAAのようです
:2014/10/29(水) 21:10:30 ID:t.w9PXaQ0
从;゚∀从「お前もよく飽きずに毎日来るなぁ…」
ノハ*゚⊿゚)「いーじゃん、どうせヒマだろ?」
从#゚∀从「何を言う!この狂気のメァッドサイエンティスト、ハインリッヒ高岡は常に新技術の開発に余念がない!本来であれば貴様のような小娘を相手にしている時間は惜しいのだっ!」
ノハ#゚⊿゚)「誰が小娘だ…」
<ピンポーン ガチャ
_、_
( ,_ノ` )y━・~「おーいハインちゃん、頼んでたコイル出来てっか?」
从*゚∀从「おーう渋沢のオッサン!バッチリだぜ!!!このハインリッヒ高岡のIMEに不可能という変換候補はない!!フゥーハハハ!!」
ノハ;゚⊿゚)「近所のおじさん!!!???っていうか利用者いるのここ!!?」
99
:
名も無きAAのようです
:2014/10/29(水) 21:12:03 ID:t.w9PXaQ0
_、_
( ,_ノ` )y━・~「なんだ素直さんとこの嬢ちゃんじゃねーか。ここでアルバイトでもしてんのか?」
ノハ;゚⊿゚)「え?ええ?えええ???ばば、ばいと??」
从 ゚∀从「ヒートよ、オレは単なる暇人ではないぞ…。一応、ここ高岡研究所(仮)は電気機器全般のオーダメイドやらなんやらを請け負っているちゃんとした場所なんだ…。仕事殆ど無いけど…」
ノハ;゚⊿゚)そ「ちゃんとした仕事だったの!!???っていうかじゃあ今までの発明(笑)はなんだったの!!!!!???????しかも(株)とかじゃなくて(仮)なの!!!???????ツッコミどこ多すぎてどこからツッコんでいいかわかんねーよ!!!!!!!!!」
_、_
( ,_ノ` )y━・~「…素直さんとこの娘さんにしちゃえれえ元気いいな…クーちゃんやらシューちゃんはもっとおとなしかったが…」
从* ゚∀从「おもしろかろ?」
ノハ;゚⊿゚)「面白がるなっ!!」
100
:
名も無きAAのようです
:2014/10/29(水) 21:13:07 ID:t.w9PXaQ0
从 ゚∀从「あ、そーだ」
从 ゚∀从「ヒート、お前がここまでに勉強してきた『誘導加熱』は、IH以外にも使われているんだぜ。渋沢さんのところでも使ってもらってる」
ノパ⊿゚)「そーなのか?」
_、_
( ,_ノ` )y━・~「うちの会社なんかでは金属の『焼入れ』に使ってるな」
ノパ⊿゚)「ヤキイレ?」
_、_
( ,_ノ` )y━・~「金属の熱処理の手法さ。金属を加熱させたあと急速冷却することで材料の強度を増したり摩擦に対する強さを向上させるんだ」
_、_
( ,_ノ` )y━・~「オレは電気の詳しい理屈はわからねーが、表面だけ焼入れをするときにコイルを使ってるんだ」
_、_
( ,_ノ` )y━・~「もちろん、コイルに入らない形状の材料はダメだし、フクザツな形状のものは温度に差が出ちまうから出来ねえんだけど、他の方法と比べると調整がラクだったり、短い時間で処理ができる。小さい部品…軸や歯車なんかにはちょうどいいのさ」
101
:
名も無きAAのようです
:2014/10/29(水) 21:14:21 ID:GVX16Vg60
ばちこい支援
102
:
名も無きAAのようです
:2014/10/29(水) 21:14:30 ID:t.w9PXaQ0
ノパ⊿゚)「なんで表面だけなんだろう?」
_、_
( ,_ノ` )y━・~「それはハインちゃんに聞いてみたほうがいいな。ハインちゃん、オレは装置を運び出すけどいいか?」
从 ゚∀从「おう、いつものとこに置いといてあるから持ってってくれ」
_、_
( ,_ノ` )y━・~「じゃーな、素直の嬢ちゃん、頑張んなさいネ〜」
ノハ*゚⊿゚)ノシ「ありがとうございました!!さよーなら!!」
从 ゚∀从「「じゃあヒート、順番に説明していくぜ」
从 ゚∀从「渋沢さんの言ってる焼入れは、正確には『高周波焼入れ』って言ってな」
从 ゚∀从「高い周波数の電流をコイル…エナメル線をぐるぐる巻いたアレに流すんだ」
从 ゚∀从「電磁石の時には鉄の棒を中に入れただろ?あれは鉄心って言うもので、電磁石の磁力を強化するために入れたものなんだが…実はアレにも誘導電流は流れる。磁場があるから、あたりまえだな」
从 ゚∀从「電流が流れるってことは加熱するってことだ。つまり、金属焼入れは鉄心のかわりに焼入れしたい材料を通すんだ」
从 ゚∀从「まあ、渋沢さんのところのヤツなんかだと流す電流が大きいから『銅線』っつーか『銅棒』ってくらいの太さのコイルなんで、ヒートが作ったやつとは見た目が全然違うんだけどな」
103
:
名も無きAAのようです
:2014/10/29(水) 21:15:51 ID:t.w9PXaQ0
从 ゚∀从「で、本題だが…何故表面の焼入れに使うのかってことなんだが」
从 ゚∀从「ヒート、誘導電流をいっぱい流すためにはどうしたらいいんだったかな?」
ノハ*゚⊿゚)ノ「短い時間でいっぱい磁界を変化させて、大きい誘導起電力を作る。磁界を作る交流電流の周波数を高くするか電流自体を大きくする!」
从 ゚∀从「うん、その通り。周波数が高くなると1秒あたりに極性の入れ替わる回数が増えていくから、短い時間でたくさん磁界が変動する。もしくは電流自体を大きくして磁界そのものを強化することで、誘導電流量は増加する」
从 ゚∀从「電流をいっぱい流すには電圧を大きくしなきゃいけないし、磁界を作るコイル自体が加熱しちまうから危ない。最近は周波数を変化させるのも簡単になったから、周波数を高くして誘導させてることが多いな」
从 ゚∀从「この高い周波数ってのが厄介でね」
104
:
名も無きAAのようです
:2014/10/29(水) 21:16:48 ID:t.w9PXaQ0
从 ゚∀从「実は電流は導体の中を均一に流れているわけじゃないんだ」
从 ゚∀从「電流は、周波数が高くなると金属の表面側に集中して流れるようになる。表面のほうが電流密度が高くなるってことだな」
从 ゚∀从「これを『表皮効果』って呼ぶぜ」
ノハ*゚⊿゚)「おお、周波数が高いから表面だけにしか電流が流れないんだ。それで表面だけが加熱していくんだな!」
从 ゚∀从「そういうこと。ちなみに、同じ周波数の磁界をかけても『抵抗の小さい導体』や『磁気を強くする材料』のほうが表面に集中しやすくなる」
ノパ⊿゚)「『磁気を強くする材料』?」
从 ゚∀从「鉄とかニッケルとかだな。一般には『磁性材料』とか『磁性体』とかって呼ばれてるもんだ」
ノパ⊿゚)「ほぇー」
从 ゚∀从「だから、正確には高周波焼入れは『表面にだけ使う』んじゃなくて、『表面しか出来ない』ってのが正解かもな。勿論周波数を落として全体を加熱するようにしてやりゃ全体をやれなくはないけど、そうすると電流が小さくなるから難しいんだ」
105
:
名も無きAAのようです
:2014/10/29(水) 21:18:38 ID:t.w9PXaQ0
从 ゚∀从「ついでだから言っとくと、実はこれ、オールメタル対応と関係がある」
ノハ;゚⊿゚)「あ。そんなヒントもあったな!」
从 ゚∀从「それについては少し休憩してからにするか、お茶でも出すぜ」
ノパ⊿゚)「この前みたいに運ばれてきてハインが飲む、みたいなのはカンベンだぞぉ」
・
・
・
106
:
名も無きAAのようです
:2014/10/29(水) 21:19:22 ID:t.w9PXaQ0
第五話「表皮効果」 終
107
:
名も無きAAのようです
:2014/10/29(水) 21:29:01 ID:t.w9PXaQ0
だいぶ磁気よりな話になってきました。
では、また磁界。
108
:
名も無きAAのようです
:2014/10/30(木) 00:25:44 ID:FTUL/aME0
おつ
109
:
名も無きAAのようです
:2014/10/30(木) 01:47:50 ID:RrN49IrM0
おもしろい
110
:
名も無きAAのようです
:2014/10/30(木) 18:46:06 ID:UWC2YjJc0
乙
111
:
名も無きAAのようです
:2014/11/07(金) 02:19:04 ID:qFVzc3ow0
ノパ⊿゚) 「本スレのテーマソングは『only my railgun』です」
川 ゚ -゚)「磁気だけにか」
lw´‐ _‐ノv「フレミング左手の法則〜」
ノパ⊿゚) 「ちなみにお姉ちゃんたち今回の出番ここまでです」
川; ゚ -゚)lw´;‐ _‐ノv「えっ」
では、続きを投下していきます。
112
:
名も無きAAのようです
:2014/11/07(金) 02:19:44 ID:qFVzc3ow0
第六話 「オールメタル対応」
113
:
名も無きAAのようです
:2014/11/07(金) 02:21:03 ID:qFVzc3ow0
从 ゚∀从「っさて、オールメタル対応だったな」
ハインは机に出された栗まんじゅうを口に放り込むと、本棚から分厚い本を取り出してきた。
从 ゚∀从「ヒート、何故アルミ鍋は周波数を高くしてやらないと温まらないんだと思う?」
ノパ⊿゚)「うーんと…」
从 ゚∀从「今までの知識からちょっと一歩進むとわかると思うぜ」
ノパ⊿゚)。oO(周波数を高くしないと誘導起電力が大きくならない。誘導起電力が大きくならないと電流が流れない。でもアルミの鍋は鉄の鍋より電気抵抗は小さいはずだから、そんなに大きな誘導起電力はいらないような…)
114
:
名も無きAAのようです
:2014/11/07(金) 02:22:15 ID:qFVzc3ow0
从 ゚∀从「お茶が来たぜ」
从 ゚∀从 旦
[浮 遊]== スィー
从 ゚∀从つ旦 ヒョイ
[浮 遊]
从 ゚∀从つ旦
==[浮 遊] スィー
ノハ#゚⊿゚)「くそー、わかんないっ」
ノハ#゚⊿゚)「なんでアレ安定して浮くんだろ」
从#゚∀从「俺の質問に答えろ。お茶やらねえぞ」
115
:
名も無きAAのようです
:2014/11/07(金) 02:23:36 ID:qFVzc3ow0
从 ゚∀从「順番にやっていこうか。鉄とアルミの違いは?」
ノハ*゚⊿゚)ノ「鉄は磁性があって、磁力を強化するけど電気抵抗が高い!アルミは磁性はないけど抵抗が小さい!」
从 ゚∀从「そう。鉄が『強磁性体』であることが理由の一つなんだ。コイルが作る磁界…っていうより磁束だな…が強くなる条件を思い出してみな」
从 ゚∀从「今までは磁場とか磁界とか磁力って曖昧にしていたけど、ここからはきっちり言葉を使い分けていくぜ」
ノハ;゚⊿゚)「お、おう」
从 ゚∀从「厳密に言うと電流が作る『磁界』ってのはあくまでも概念だ。実際は、磁界の強さと方向を示す『磁束』で考える」
从 ゚∀从「磁束が多くなると磁石の力が強くなる。『磁束』が最終的に作用するってワケだな」
从 ゚∀从「ちなみに近くに磁性体があった時に大きくなるのは正しくは『磁束』だ。『磁界』はあくまでも電流が作るもので、言わばどの程度の磁束を作れるかの目安値だな」
ノハ;@⊿@)「お、おう…?」
116
:
名も無きAAのようです
:2014/11/07(金) 02:25:14 ID:qFVzc3ow0
从 ゚∀从「まあ、あんまり難しく考えるな。質問に戻るけど、コイルが作る『磁束』が強くなる条件は?」
ノパ⊿゚)「コイルに鉄が入ってること?」
从 ゚∀从「半分正解だ。正しくは『電流の周囲に強磁性体があること』だから、コイルの中に入ってるだけじゃなくて、上に乗っているだけでも隣においてあるだけでもいいんだ」
ノパ⊿゚)「なるほど」
ノパ⊿゚)「あ」
117
:
名も無きAAのようです
:2014/11/07(金) 02:26:28 ID:qFVzc3ow0
ノパ⊿゚)「…そうか!鉄がIHのコイルに乗っかってると、IHのコイルが作る磁束が強くなるから誘導起電力が大きくなる!」
ノパ⊿゚)「抵抗が高い鉄でも、強い磁束のおかげで電流が流れるんだ」
ノハ*゚⊿゚)「それなりに電流が流れるようになると、鉄の抵抗値×電流の二乗の熱が出る。鉄は抵抗が大きいから発熱も大きい!」
从 ゚∀从「そういうこと」
ノハ*゚∀゚)ドヤァ
从;゚∀从。oO(『誘導』してやってるのにこのドヤ顔ッッ!)
118
:
名も無きAAのようです
:2014/11/07(金) 02:28:02 ID:qFVzc3ow0
从 ゚∀从「…逆を言うと、アルミは強磁性体じゃないから磁束が大きくならない。なのに抵抗値は小さいから、全然熱が発生しない。ここが問題だった」
从 ゚∀从「ちなみに、鉄とアルミで磁束はどのくらい変わると思う?」
ノパ⊿゚)「2倍とか3倍とか?」
从 ゚∀从「んー。材料密度にもよるんだけど」
从 ゚∀从「5,000倍くらいかな」
ノハ;゚⊿゚)そ「ご、ごせんッッ!!!!????」
从 ゚∀从「電流が作る磁界に対し、どのくらい磁束が強くなるかを示す値を『透磁率』って言ってな。珪素鋼板なんかだと7,000倍くらいだ。材料によっちゃ100万倍なんてのもあるぞ」
ハインが持ってきた分厚い本―物理定数表には、確かに純鉄の透磁率は空気中の5,000倍と書いてあった…。
ノハ;゚⊿゚)「界王拳どころか超サイヤ人だったわ」
119
:
名も無きAAのようです
:2014/11/07(金) 02:30:42 ID:qFVzc3ow0
从 ゚∀从「さて、話を進めるぞ。つまり、元々アルミと鉄では発生している磁束量がケタ違いなんで、誘導電流の大きさがぜんぜん違うんだな」
从 ゚∀从「アルミ鍋じゃ磁束を強くすることは厳しいから、必然的に周波数を上げるかIHのコイル自体に流す電流量を大きくするしかない。かと言って、周波数を5,000倍にするわけにも行かない」
从 ゚∀从「なぜなら、IHクッキングヒーターは鉄対応の段階で既に電流の周波数が20kHzくらいだったんだ。これは家庭用電源の約400倍の値。地方で異なりますけどネ」
从 ゚∀从「これを5,000倍にしようもんなら100MHzだ。そんなんは電流生成側の技術的にムリ。だけど、実際の今のIHはだいたい90kHzくらいで動作している。なぜでしょう?」
ノパ⊿゚)「???」
从 ゚∀从「ここで、『表皮効果』の話に戻るんだ」
120
:
名も無きAAのようです
:2014/11/07(金) 02:33:33 ID:qFVzc3ow0
从 ゚∀从「周波数が高くなると、電流は金属の表面側に集中して流れるようになる。表面のほうが電流密度が高くなる」
从 ゚∀从「これは電流が流れる経路が制限されることを意味する」
ノパ⊿゚)「電流の経路が制限される?」
从 ゚∀从「表皮効果は電流が導体表面側だけに流れるようになるから、実際は棒状の導体でも、電流の経路が制限されるせいで、同じ太さのパイプ状の導体に電流を流しているのと同じ状態になるんだ」
从 ゚∀从「そんで、物体の抵抗は、電流経路に対しての断面積が大きいほうが小さくなる」
ノパ⊿゚)「パイプ状の導体の方が、棒状の導体よりも断面積が小さくなるから抵抗が大きくなるってことか」
ノパ⊿゚)「あ」
从 ゚∀从。oO(今日は『あ』が多いな…)
121
:
名も無きAAのようです
:2014/11/07(金) 02:35:18 ID:qFVzc3ow0
ノハ;゚⊿゚)「周波数が高くなると鍋の底に誘導電流が集中する…つまり、電流経路が狭くなるから、抵抗値が普段より大きくなるのか!!!!」
从 ゚∀从「ハイご名答。ちなみに表皮効果は『強磁性体』か『高導電率』の材料のほうが表面への集中が顕著になる。鉄は『強磁性体』だから、実は抵抗自体も大きくなってんだよね。だから電流も流れにくくなるんだけど、温まりやすかったんだ」
从 ゚∀从「参考までに、IHクッキングヒータの動作帯域だと鉄は表面から0.01mm程度の深さまでしか流れない。アルミは0.2mmくらい」
ノハ;゚⊿゚)「ほぇー…」
ノパ⊿゚)「ってことは」
ノパ⊿゚)「『高導電率』で『強磁性体』な材料があると最強なのか」
从 ゚∀从「世の中うまく出来ていてな、そういう材料はないんだなー」
ノハ´゚⊿゚)ショボーン
122
:
名も無きAAのようです
:2014/11/07(金) 02:37:41 ID:qFVzc3ow0
ノパ⊿゚)「…オールメタル対応の原理はわかったけど、表皮効果とハインの装置になんの関係があるんだ?」
从 ゚∀从「んー。表皮効果っていうよりは、高周波駆動であることに意義がある感じだな」
从 ゚∀从「浮上対象がアルミだから、磁束が強く出来ないんだよ。それで周波数を高くして動かしているってワケ」
ノハ*゚⊿゚)「なるほどネー」
从 ゚∀从。oO(表皮効果は表皮効果で、別のトコロで恩恵を受けているんだけどね)
ノハ*゚⊿゚)「磁束強くしたいんなら」
ノハ*゚⊿゚)「浮上対象を鉄にすりゃいいじゃん」
从 ∀从「」
123
:
名も無きAAのようです
:2014/11/07(金) 02:38:46 ID:qFVzc3ow0
从;゚∀从「…」
从: ∀从「…ヒート」
ノハ*゚⊿゚)「なんだ?」
从 ゚∀从「鉄は!!!!!」
从#゚∀从「電磁石に張り付いちまうだろうが!!!!!!!!!!!!!!」
ノハ*゚⊿゚)「あ、そーだった。てへぺろ」
124
:
名も無きAAのようです
:2014/11/07(金) 02:40:18 ID:qFVzc3ow0
第六話 「オールメタル対応」 終
125
:
名も無きAAのようです
:2014/11/07(金) 02:46:22 ID:qFVzc3ow0
最初に書きましたが、このスレのテーマはonly my railgunなのです。
この話のオチは遥か彼方にあります。
では、また磁界。
126
:
名も無きAAのようです
:2014/11/07(金) 05:50:00 ID:C6bx6ets0
どんなオチがつくんだろう。乙です
127
:
名も無きAAのようです
:2014/11/07(金) 10:42:40 ID:zJ4xfw.E0
磁k..次回も楽しみにしてるぜ乙
128
:
名も無きAAのようです
:2014/11/07(金) 20:44:54 ID:sywd7JqA0
おっつんつん
129
:
名も無きAAのようです
:2014/11/07(金) 22:38:41 ID:LNTZefPU0
テーマソング『鋼鉄ジーグのうた』
130
:
名も無きAAのようです
:2014/11/08(土) 12:34:00 ID:SeiVJCeA0
コンバトラーVとかボルテスとかでも良さそう
131
:
名も無きAAのようです
:2014/11/08(土) 20:50:09 ID:W0CtRlPs0
全滅ッ☆DA♪
132
:
名も無きAAのようです
:2014/11/08(土) 22:22:04 ID:xSjefPSM0
れ、レッドバロン…
133
:
名も無きAAのようです
:2014/11/09(日) 14:04:42 ID:vNFVCJZ20
おつ
134
:
名も無きAAのようです
:2014/11/17(月) 01:36:19 ID:CoTLaxOA0
ノパ⊿゚)「一週間くらい考えたけど」
ノハ;゚⊿゚)「全然わからんかった」
表皮効果の話のあと、从 ゚∀从「明日からオレ一週間ばかしいないから」と言われた。
この一週間はハインに聞きに行くこともできなかったので、ヒートは一人で「安定して浮くための方法」をずっと考えてみた。
が、ダメだ。知識不足もあるが、思考実験で正しいか予測することも出来ない。
―分からなかったら、人に訊く。
ノパ⊿゚)「…ハインの研究所、誰か居るかなぁ?」
135
:
名も無きAAのようです
:2014/11/17(月) 01:37:31 ID:CoTLaxOA0
ノパ⊿゚)「…明かりついてる」
正直期待はしていなかったのだが、明かりが付いているということは誰かいるということだろう。
ノパ⊿゚)「おじゃましまーす」
ハイン宅は玄関兼打ち合わせスペースまでなら誰でも入れるようになっている。その奥に研究所スペースとハインの自室がある。
明かりがついていたのは研究所スペースだ。誰か居るはずだ。
ノパ⊿゚)「もしかしたら帰ってきてるのかなぁ」
136
:
名も無きAAのようです
:2014/11/17(月) 01:38:59 ID:CoTLaxOA0
ヒートが研究所の方のドアノブに手をかけた時だった。
「…デレ、すごくきれいなのである」
「もう…褒めても何も出ないよ?」
ノハ;゚⊿゚) ! ?
奥から、男女の声が聞こえてくる。
これは、もしや…。
137
:
名も無きAAのようです
:2014/11/17(月) 01:40:17 ID:CoTLaxOA0
「デレ…中もこんなに綺麗なのである…」
「あっ…だめ…恥ずかしいよぉ…綺麗なんかじゃないよ…」
…もしや、これは!
アレか!!!
男女がキャッキャウフフする瞬間!!!!!
ノハ//⊿//)。oO(と、とんでもないことを聞いてしまった!!!!!)
「もう我慢できないのである…いれるのである…!」
「だ、だめぇ…もうちょっとちノハ//⊿//)「あ、アカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!!」
138
:
名も無きAAのようです
:2014/11/17(月) 01:42:34 ID:CoTLaxOA0
ノハ//⊿//)
(;ФωФ)
ζ(゚ー゚;ζ
思わず扉を開けてしまった。
蓋の開いた謎の装置…少し不格好ではあるが、綺麗にセットされたコイル…電源ブレーカーに手をかける猫目の男…。
ノハ; ⊿ )「い…」
ノハ;゚⊿゚)「いれるって電源かよぉおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!」
(;ФωФ)「ほ、他に何を入れるのだ!!!!!!!!!」
139
:
名も無きAAのようです
:2014/11/17(月) 01:43:36 ID:CoTLaxOA0
ζ(゚ー゚*ζ「あーびっくりした…いきなり叫んで入ってくるんだもん。漏電でもしているのかと思っちゃった」
ノハ;゚⊿゚)「すみませんすみません」
( ФωФ)「所長の言っていた面白い高校生ってキミのことであるか…」
ノハ; ⊿ )「あ、やっぱり面白い子で通ってるんですね私」
ζ(^ー^*ζ「ヒートちゃんでしょ?噂は聞いているわ。はじめまして、高岡研究所のデレです!」
( ФωФ)「ロマである。先週まで国際学会で海外に出ていておらんかったのである」
ノパ⊿゚)「なんかすごそう」
140
:
名も無きAAのようです
:2014/11/17(月) 01:45:06 ID:CoTLaxOA0
そういえば、ハイン以外にも人が居るとは聞いていたが、実際に会うのは初めてだ。
ノパ⊿゚)「ここって他にも人がいるんですか?」
ζ(゚ー゚*ζ「幽霊も含めると結構な人数いると思うよ?」
ノハ;゚⊿゚)「幽霊って…部活か!」
( ФωФ)「少なくともテーマ分は担当している者がいるはずである。デレとモララー以外あんまり見たことないが。あと所長」
ノハ;゚⊿゚)「出席率悪いな!!」
141
:
名も無きAAのようです
:2014/11/17(月) 01:46:45 ID:CoTLaxOA0
ノパ⊿゚)「あ、テーマってなんですか?」
ζ(゚ー゚*ζ「研究テーマね」
ζ(゚ー゚*ζ「ここは電気機器関係の総合サービスもやってるけど、メインは研究なの。研究もハインちゃん一人で全部やってるわけじゃなくて、何人かでテーマ別に研究を進めてるのよ」
ζ(゚ー゚*ζ「大きく切り分けると、モータ・変圧器・磁気浮上」
ζ(゚ー゚*ζ「各テーマ区分はこんな感じね」
・回転型モータ{直流モータ・誘導モータ・同期モータ}
・リニアモータ{直流モータ・誘導モータ・同期モータ}
・変圧器
・磁気浮上{吸引式・誘導反発式・永久磁石のみ}
ζ(゚ー゚*ζ「ヒートちゃんが見たのは『磁気浮上』に区分されている『誘導反発』」
ζ(゚ー゚*ζ「あたしとロマは『モータ』に区分されている、『リニア誘導モータ』の担当なの」
( ФωФ)「さっきやろうとしていたのはデレが試作した装置の試運転だったのである」
ノハ;゚⊿゚)「り、リニアモータ…!超技術が身近にッ!」
( ФωФ)「原理知ればそんな超技術でもないのである。リニアモータなんて、ぶっちゃけ回転型モータが切り開かれて直線上に進むだけなんで…」
ノハ;゚⊿゚)「えぇー…夢も希望もないな」
142
:
名も無きAAのようです
:2014/11/17(月) 01:47:59 ID:CoTLaxOA0
( ФωФ)「ヒートがリニアモータを超技術に感じているのは、リニアモーターカーの印象が強いからではないか?」
ノハ;゚⊿゚)「そ、そうです」
(;ФωФ)「…浮くってのはとかく超技術に見えるものであるな」
( ФωФ)「某電鉄のアレが有名なせいで、よく勘違いされるのだが…リニアモータや超電導は浮くのとは直接関係ないのである」
ノハ;゚⊿゚)「ええ…関係ないの?」
( ФωФ)「リニアモーターカーは『浮く』のには『誘導反発』を使っているのである」
( ФωФ)「リニアモータ…正確に言うとリニア同期モータ自体は、あくまでも『推進』にしか使っていない」
( ФωФ)「超電導を使ってるのは、あの馬鹿でかい車体を保持するのに電流量を稼がなければいけないからである」
( ФωФ)「超電導リニアモーターカーってそんなもん」
ノハ;゚⊿゚)「うわあ。なんか超技術の秘密がいともあっさり暴かれていく」
143
:
名も無きAAのようです
:2014/11/17(月) 01:49:22 ID:CoTLaxOA0
ζ(゚ー゚*ζ「原理的には分かれば大したことないって思っちゃうかもしれないけど、それを実現するカタチにするのが本当に難しいのよ」
ζ(゚ー゚*ζ「誘導モータなんて、原理が発見されたのはは200年前だけど、未だにみんな研究してるし」
ζ(゚ー゚*ζ「『技術を知る』っていうことは、カタチにするところの大変さまで知って、初めて『技術を知る』になんだと思うの」
ζ(゚ー゚*ζ「今のヒートちゃんはどちらかと言うと『エンジニアリング』って言うよりは『サイエンス』って感じじゃないかな」
ζ(゚ー゚*ζ「あたしは『サイエンス』だけで理解できるほど、電気の技術はカンタンじゃないと思うわ」
ζ(゚ー゚*ζ「技術的に分からないことがあったら、自分でやってみるのが『エンジニアリング』では大事だと思うわ。とにかく手を動かす!」
ζ(゚ー゚*ζ「だからね、ヒートちゃん」
144
:
名も無きAAのようです
:2014/11/17(月) 01:50:58 ID:CoTLaxOA0
ζ(^ー^*ζ「一回自分で作ってみましょうか、『誘導反発式磁気浮上装置』」
ノハ;゚⊿゚)「」
.
145
:
名も無きAAのようです
:2014/11/17(月) 01:52:05 ID:CoTLaxOA0
(;ФωФ)。oO(なんでここの研究所の女はこうも強引で不条理な奴が多いのだ…)
― 第七話 「やってみよう!」 終 ―
146
:
名も無きAAのようです
:2014/11/17(月) 01:55:28 ID:CoTLaxOA0
しまった、デレの切り分けた研究テーマ区分にリニアアクチュエータが入ってない。
ではまた磁界。
147
:
名も無きAAのようです
:2014/11/17(月) 08:11:20 ID:JKoiB6dU0
乙
さらにテーマが拡大しそうな予感
148
:
名も無きAAのようです
:2014/11/18(火) 01:04:44 ID:FpRdanjQ0
おつ
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