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Last Album

86 ◆xh7i0CWaMo:2014/09/29(月) 00:45:50 ID:NLjW9Fhg0
私はさっき、彼女に一つだけ嘘をついた。
実はついさっきまで、私は私が世界の主人公であるという思いを払拭できずにいたのだ。
 
すなわち、人生はこのようなものだと考えていたのだ。

最初から悲哀に偏って設定されていたのならば、私の人生こそそれにふさわしい。
だから、老人への敗北感に苛まれることもなかった。
私はただただ卑屈に開き直ってみせただけなのだ。それが本心であると、自己暗示できるほどの名演だったと思う。
 
しかし、それならばこの涙は何なのだろう。決まっている。私はやはり私の悲しみを認められずにいたのだ。
この涙には、多くの意味が含まれているに違いない。息子の死、妻との別れ、自分の余命、世界の……
いや、それは別に構わない。私には、そんなことまでは分からない。

そう、私の涙は、全人類の終わりに捧げる涙などではなく、
自分の中で複雑に絡み合った問題を解きほぐすためだけの涙だ。


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