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Last Album

85 ◆xh7i0CWaMo:2014/09/29(月) 00:43:40 ID:NLjW9Fhg0
改札に立つ守衛は、昨夜の二人とは別人だった。
私は努めて穏やかに、「失敗したよ」と声をかける。
片方の男が、眠たげに「そりゃ、お気の毒に」と答えてくれた。
 
寂れたプラットホームで始発をひたすら待った。その間は何も考えていなかった。
やがてやって来た電車に、薄い感慨だけを持って乗り込んだ。
 
走馬燈の街を離れていく電車が、徐々に朝と生気に向かっていく途中、不意に私の両眼から多くの涙が溢れた。

しばらく、何が起こったのか分からなかった。
頬を伝い、足下へこぼれ落ちていく雫を、私は屍体を眺めるように訝しげに見下ろしていた。
それが涙だと理解してもなお、私は呆けて垂れ流し続けていた。


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