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Last Album

64 ◆xh7i0CWaMo:2014/09/28(日) 23:53:31 ID:jDTTQVVk0
実業家は、ベッドに身を埋めて真っ直ぐ天井を見つめていた。思っていたよりも遙かにちっぽけだ。
そして、その痩身は確かに死の空気を纏っていた。しかし、黒目ばかりのような双眸が私たちを捉えた途端、
彼の表情にみるみる生気が宿っていった。上体を起こし、私に手を差し伸べる。

/ ,' 3「ようこそ」

枯れたような腕には、意外なほどの力が込められていた。

/ ,' 3「すまないね、君の美しい奥さんを、小間使いのようにしてしまって」

(´・ω・`)「いえ、妻も嫌がってはいないようです」

私はどうしてもこの老人に好感を抱くことが出来ない。

(´・ω・`)「私としては、少々残念なことですがね」
 
無論、信頼など出来ようはずもない。目の前にいる男は、ともすればとんでもない妄想狂であるかもしれないのだ。
そう、私は少しだけ、ほんの少しだけ、この老人を論破出来るかもしれないと思っていた。

私の最低限の条件は妻の顔を一目見ることだが、それが果たされたことで、欲は際限なく膨らみ始めている。
願わくは『彩色の奇跡』にまつわる不可解な噂を覆し、妻との齟齬を埋め合わせて、
一緒に家へ帰るところまで持って行きたかった。


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