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◆xh7i0CWaMo
:2014/09/28(日) 23:47:09 ID:jDTTQVVk0
彼を育てていた五年間は、後にも先にも二度と訪れまい多幸感に日々苛まれたと言っても過言では無い。
そう、だから、私は間違いなく幸せだった。あの頃の私の世界は、まさしく完成形と言っても良いだろう。
愛すべき妻は若く美しく、息子は手がかかるが故に微笑ましく、両親も丁度良い年頃だった。
出来ることならその時、私はほんの少しだけでも時計を止めて、人生におけるちょっとした休憩を満喫したかった。
時間は前に進む。うん、わかってる、だけどちょっと待ってほしい、ここらで一服したいんだ……という具合に。
しかし時間は進んだ。息子はみるみるうちに成長し、ほどなくして幼稚園に入った。
息子は可愛らしいままだった。私たちは相変わらず彼を溺愛しており、特に妻はこの頃、
彼のファッションセンスを磨くことに執心していた。
貴方みたいに無頓着になっても困るから。
そう笑いながら、彼女は色々な服を息子に着せてはあれこれと考察していたのだった。
そんな具合で毎日は進んでいた。特筆すべき事は何もなく、だからその日も何の前触れもなく訪れた。
仕事中の私の携帯に妻から着信があった。受話口の彼女は酷く冷静であるように感じられた。
妻は、彼女が少し拗ねているときと同じ低い声で、息子が死んだと言った。
その日、自由時間に園庭で遊んでいた息子は、壮大な冒険のために園の外に出てしまったらしい。
それ以上の状況はよくわからない。
息子の友人の一人は、こう言っていた。どーんって、すごくとんだんだ。
息子には友達が居たんだ。そんな安堵を覚えていた。
車に撥ねられた息子はアスファルトに叩きつけられて逝った。
それが結果だ。そして、それで全てが終いになった。
※ ※ ※
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