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57 ◆xh7i0CWaMo:2014/09/28(日) 23:33:06 ID:jDTTQVVk0
不意に私の口から言葉が途切れた。言葉は、妻の奇妙な表情によって掻き消されてしまったらしい。
彼女は、まるで涙を流さずに泣いているようだった。

ζ(゚ー゚*ζ「貴方はいつも正しいわ。私だって、そう思うもの」

彼女はそこで台詞を切り、微かに憂鬱を付け加えた。

ζ(゚ー゚*ζ「でも、そういうものだと思わない? 
       だって、あの子が死んだとき、私は貴方に同じような気持ちだったんだもの」
 
……それは、予想だにしていなかった反撃だった。私は思わず黙りこくった。
預けたままの息子の死への涙を思いだし、それでも不可思議なほど冷静だった。
ただ、声ばかりがつっかえている。
 
無論、彼女が忘れているはずもない。例え世界的な死が待ち受けていると予感したとしても、
息子の死がそれよりも重要であることは言うまでもないのだ。
それを知ると、彼女の顔つきが涙を堪えるものに見えてきた。


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