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53 ◆xh7i0CWaMo:2014/09/28(日) 23:22:11 ID:jDTTQVVk0
彼女の説明を要約すると以下のようになる。
 
そもそもこの場所へ集まってきた人々は、当初自らの来訪の意義を解明するところから始めなければならなかった。何故自分たちがここへ来たのか分からない。しかし、帰るつもりもない……
自分と、自分以外では何らかの隔たりがある。それだけは確信できていたらしい。
 
集まった全員の頭に、一定のイメージがあった。
ぎこちないやり取りでそれらが共通のものであることが分かり、次にはそのイメージが、
死に関するものであると理解した。

それでも、まさかそれが『彩色の奇跡』に関係し、あまつさえ全世界に影響が及ぶとは考えもしなかったらしい。
更に考察を続けようとしたとき、人々は件の実業家、そしてその昔の愛人であった老婆と邂逅した。
全員の意見を総合し、議論を重ねた上で、最終的に仮説をたてたのは実業家だった。

誰もが等しくそれを受け入れたのは、恐らくイメージという名の超常現象を既に体験していたからだろう。
この辺り、カルト宗教の論理に通ずるところがある。
 
そうして人々は彼らなりの真実を掴むことが出来た。
しかしそれが、自分たち以外の人々に納得できるものではないということも、同時に悟っていた。

だから彼らは決して外部にそれを漏らさぬようにし、ただひたすら世間と隔絶された者として、
この街で最期の時を過ごす決断を下したのである。
 
……ちなみに、雑誌に書かれていた、失踪から電話がかかって来るまでの二ヶ月という期間は、
それらの議論の成熟、また必要な手続き――大半は、諸々の費用を全て実業家が負担するという手続き――
を待っていたためであるそうだ。今では、もう少し早めに全てが済まされるのだという。


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