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Last Album

47 ◆xh7i0CWaMo:2014/09/28(日) 23:03:29 ID:jDTTQVVk0
初めて彼女がこちらに振り返った。愛すべき妻だ。その妻の、ほんの少し暖かみのある表情だ。
私はその姿を、何枚かスナップ写真にして脳裏に貼り付けた。

そこで彼女が投げかけてきた質問は、私の利己意識を少々抉るものだった。

ζ(゚ー゚*ζ「何故ここに来たの? この場所を知った理由は見当がつくわ。
      けれど、それならその後の展開にも感づいているはずよ。それなのに、何故?」

妻は私を真っ直ぐに見つめていた。新婚当時以来かもしれない。

ζ(゚ー゚*ζ「別に責めてるわけじゃ無いのよ。純粋な好奇心みたいなもの」

その目の色には何かが欠けていた。
私は返答と並行してその正体を考え、もしかしたらそれは愛情ではないのかと思いついた。

愛情、とは少々誇張した表現であるかもしれない。
けれどそれに似た諦観が私への表情に埋め込まれているようであるのは否めない。

(´・ω・`)「その質問は分かる。でも、僕にだって言い分があるぞ。
      そもそも、君が先に何の断りも無く家を出て行ったんじゃないか。
      その事を尋ねたいなら、まずは僕の質問に答えるべきだと思うけれど」
 
そのまま見つめ合って数秒、妻は軽く頷いた。

ζ(゚ー゚*ζ「そうね、その通りだと思う。本当、いつも理詰めばっかり得意なんだから」
 
先に質問権を得られたのは喜ばしいが、少々空気が険悪になってしまったような気がする。
普段の口喧嘩と同じようなパターンだ。彼女の感情論に、私が屁理屈のような論理で反論する……。


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