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Last Album

336 ◆xh7i0CWaMo:2014/10/10(金) 20:44:23 ID:bKltLt3M0
12.一度きりの物語(interlude 4) 20130403KB

事故で亡くなる二日前、Kは私をいつもの秘密基地に呼び出した。
 
Kはひ弱な体質だったためか、小学校ではよくいじめられる少年だった。
それは四年生になった当時も変わらず、スポーツマンタイプの番長格の男が率先して彼をいじめていた。4
その内容は単純な暴力から陰険な噂話まで多岐にわたり、Kはもう殆ど慣れっこのようだった。
 
それでもたまにどうしても我慢できなくなったとき、
Kは決まって幼なじみである私を自宅近くにある鬱蒼とした森林の小さな洞穴に呼び出すのだった。

彼はその場所を秘密基地だと称していたが、今思い返せばそんな立派なものではない、藪蚊の群生地帯だった。
彼はその秘密基地で、日頃積もり積もった鬱憤を私に向かって泣きながら思い切り吐き散らすのだった。
 
その日も、Kはそういった名目で私を呼び出した。
私がそこへ駆けつけた時、Kは既に目を腫らしていた。
そして何枚かの原稿用紙をぐいと私へ突きだしたのだ。


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