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Last Album

327 ◆xh7i0CWaMo:2014/10/09(木) 01:43:19 ID:ft4TltCY0
その時包まれた息苦しさは初めての体験ではなかったような気がします。
いずれ解消されようのない虚無的な罪悪感……加害と被害が入り混じった妄想に囚われ、
直向きな自尊心を抱えて生きていると、関係性においてはどうしても壁に衝突してしまうものです。

だから私は敢えて自らの価値を底辺まで落とし込もうとし、歩んできた形跡を掻き消してしまおうとするのでしょう。
どちらも、想定以上に自分が愚かであると気づかないようにするための予防線にすぎないのです。
そしてそれを暴こうとする他人の視線に……息苦しさや吐き気などの心身の不調を訴えてまで哀愁を誘うのでした。

棺の中の私には他人の同情を引く行為が制限されています。
しかし自分自身どうしようもないと思えるのは、そのような状況に陥って自らの卑しさを悟るのではなく、
この場合は仕方がないのだと例外化して考えることです。

仕方がない、今回は特別だったんだ。私はまだ大丈夫だ、人間として正常なのだ、と……。
 
再び蓋が閉じられたとき、私は心底安らげました。淀んだ空気を目一杯吸い込み、焦燥とともに吐き出しました。
直後に不気味な浮遊感がありました。どうやらいよいよ葬儀場から運び出され、火葬場へ向かうようです。

この時、私は妙な感覚に包まれたのです。その正体はまだ分かりませんでした。
不自然な揺らぎに堪えながら、私はもう一度死について考え始めましたが、
骨にへばり付いている粘液のような異物感をどうしても拭い去れませんでした。

そのうち響いた重低音……私は、死地へ運送されるために霊柩車へ格納されました。


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