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◆xh7i0CWaMo
:2014/10/09(木) 01:00:11 ID:ft4TltCY0
元来大人の逆鱗に触れぬようびくびくして生きていた私は、その時咄嗟に逃げ出してしまおうとしました。
「お前が悪いんだからな、謝っておけよ」などと捨て台詞を吐いて他の友人と立ち去るつもりでしたが、
その時に当てられた友人の眼の色に私は思わず立ち止まったのです。
友人の眼は、あまりにも多くの感情を吸い込んでいました。
裏切った人間への絶望、怨嗟、自責の念、訪れる近い未来への悲観、そして後悔……
私の同類であったその友人もきっと怒られ慣れていなかったのでしょう。
そのためにあんな、過剰に彩られた表情を浮べたに違いありません。
そしてそれは、目の当たりにした私たちにも様々な情念を呼び起こさせました。
何より強く恐怖を感じました。自分のしようとしていることが死にも値する罪悪であるように思われ、
それは未来永劫償いきれないもののようでした。
そもそも人に見られることが苦手だったこともあってすぐに眼を逸らしたのですが、
結局逃走出来ず、一緒に説教されたわけです。しかし後々になってその時逃げなくて良かったと思えましたし、
次に同じようなことがあったら決して良からぬ事を考えないようにしようという決心にも役立ったのです。
そんな過去が実際にあったかどうかに自信は持てませんが、今はまさに、その時と同じ心境でした。
彼は私から目を離さないでしょう、そして絶対に逃亡を認めないでしょう。
それを思うと、みるみるうちに内なる罪悪感が巨大化していきました。
私のような人間は、葬られるより他、承認される方法はないのだ。私は自分で自分を棺に納めなければならない。
私は自分で自分を、処刑しなくてはならない。
洗脳にも似た錯誤でしたが、誰も解いてくれないのだからどうしようもありません。
「わかってるよ」と囁きました。
「わかってるから」そして私は棺に手を掛けました。
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