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◆xh7i0CWaMo
:2014/10/09(木) 00:42:36 ID:ft4TltCY0
私はまた、何でもない罪を回顧して叫びました。残念ながら、返事はありませんでした。
飢えた子供のように儘ならぬ足取りで前へ歩き続けました。そのうち、眼前に橙っぽい灯りが見えました。
私は羽虫の如き低能さでその光へ吸い寄せられていきました。
灯りはやはり精神を純化させる効能を持つのでしょう。
その光の傍まで歩み寄ったとき、私はあらゆる非現実から解き放たれたような気がしました。
そこは先ほど通夜が行われたホールで、灯りは蝋燭を模した電飾によるものでした。
防火対策と夜伽を一身に引き受けたその装置に、私は心を落ち着かせる現代の合理的な空気を感じたのでした。
その一瞬、私は何もかもを忘れてその灯りに自分の全存在を委ねていました。
安堵どころか、自我の救済と復権をも感じ受けたのです。
甘美でした。そしてその恍惚は当たり前のようにして打ち毀されました。
視界に、例の空白の遺影が入っていることに気付いたのです。私はぎょっとして後ずさりました。
下らない思い込みのようですが、私はそこで確かに自尊心を阻喪したのです。
それは、未だ私が逃れ得ぬ創作じみた宇宙に縛られている証左でした。
茶目っ気たっぷりな思考回路が再び、それで最後となる暴走を始めました。
私はこの額縁に入れられるべき死者は誰なのかと考えず、
ここに入れられるべき生者は誰なのかを、虱潰しに探し始めたのです。
相応しい人物はすぐに見つかりました。当然、この私です。
御丁寧に中立の評価を与えてくれるこの脳髄は生存本能などまるで無視して私に死ねと宣告したのです。
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