したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

Last Album

311 ◆xh7i0CWaMo:2014/10/09(木) 00:17:13 ID:ft4TltCY0
……何と紋切型で、語るべくも無い風景でしょう。それでも、目の前の世界よりはましだったようです。
幻視は長々と続きました。それは全て恋人に関連した景色で、しかも新鮮味の無い、
良くいえば穏やかな光景ばかりが映されたのです。

しかしそのために、私はそれらの光景が実際に自身の体験した昔日であるかどうかを判別出来ずにいました。
それらが当たり前のように日常に組み込まれていたようで、そうではなかったような気もするのです。
私のような人間を慕ってくれた恋人……何の取り柄も無い下らない人間に、彼女として属してくれた恋人……。

そうやって自虐することが彼女に対する重大な背反であることは重々承知していたつもりです。
しかし、止まりませんでした。遂には、私自身に恋人が存在していたという可能性さえ、
虚ろであるような疑惑が膨れてきたのです。
 
誰かが私をシャットダウンしてくれることを切に願いました。
このまま考え続けていると頭がおかしくなりそうでしたし、実際おかしくなってしまったのです。

その時はまだ間に合うと思っていました。
ですが本当のところ、最初に母からの電話を取った時点で私の末路は決定付けられていたのです。
それは誰のせいでもありません。全て、何一つ積み重ねてこなかった自分の存在の不確かさが悪いのです。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板