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299 ◆xh7i0CWaMo:2014/10/08(水) 23:34:06 ID:cxCxhwjA0
私には追いかける気力もなく、ただ呆けていました。
男の声は幾度も頭蓋の壁にぶつかって反響していましたが、いくら経っても全く飲み込めませんでした。
引き出しがカタカタと震えているのを押さえながら、私は思考を空白にする作業に追われていました。

それは逼迫した自己承認のようなもので、
つまり男の言葉を全て妄言として片付けるための消極的手段だったのです。
 
眼球が自ずから動き、その視界に母の姿を捉えました。母はいつの間にか私の傍に正座していたのです。
私は皮肉っぽい笑いを浮べながらその表情に視線を固定しました。
言うまでもなく、私は母が加勢してくれるものだと信じていました。

だから最初、母の沈痛の極みに至ったような面持ちに気付かなくても仕方なかったはずです。

J( 'ー`)し「気にせんでええんやからね」

噛みしめるように、自分に言い聞かせるようにして母は言ったのです。

J( 'ー`)し「気にせんでええんよ、あんたは、何も悪くないんやから」

しかしそれは、私の私自身に対する疑いをより加速させました。


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