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◆xh7i0CWaMo
:2014/10/08(水) 22:41:20 ID:cxCxhwjA0
私は立ち上がり、ともかく母の携帯に連絡を入れてみようと思い立ったのです、
しかしもし既に通夜が始まっているとすれば、電話をしても迷惑なだけだと考え直し、
やはりどうしようもなくなって佇んでしまいました。
それもきっと、都合よく他人に理由を求めた逃避行動に過ぎなかったのです。
闇の中でどれだけかの時間が経ちました。
その無為な時間、私は初めて父について本格的に考え始めていました。
とはいえ、父に関して目立った思い出はありません。
幼少期から父は単身赴任で遠い地へ赴いており、顔を合わせる時が殆どなかったのです。
まだ赤ん坊であった私は、覗き込んできた父を見て泣き叫んだのだそうです。
時には映画館に連れて行ってもらったりもしたのですが、そんな時も私はどこか他人行儀であったように思います。
最近では出張も少なくなり、大体は実家にいるらしいのですが、今度は私のほうがいなくなってしまいました。
そんな父が亡くなるということがどういうことなのか……。
考えが袋小路に陥ってしまったとき、不意に背後の扉がガタリと開きました。
私は驚愕のあまり反射的に身体を前屈みに丸めました。
腹部に引き攣った痛みを覚えながら振り返ると、そこに母が立っていました。
母のほうはまるで驚いておらず、無様な格好の私を緘黙の如き表情で見詰めていました。
その時に感じた恐怖に似た心持ち……
まるで、私の見ていない時の母がプログラムとして動作しているのではないかという疑い……
上手く説明できる自信がありません。
ただ、私はその人物が母親であると認識してなお、暴漢と対峙するような警戒心を解けずにいたのです。
しかし母は、数度の瞬きの後にはいつもの母に戻っていました。
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