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Last Album

281 ◆xh7i0CWaMo:2014/10/08(水) 22:38:14 ID:cxCxhwjA0
その時、私は絶叫していました。

叫んだ瞬間の記憶は無く、刹那の後に自分の叫び声に吃驚していました。
それは何に対しての叫びだったのでしょう……。

例えば、思い出したくもない忌々しい過去が奥底から次々に競り上がってくるとき、
思わず声を上げて拒絶したくなります。自作の拙い漫画や、詩歌のことなど……
しかしその時、私は何一つ思い出していなかったのです。それはまったく、虚無から発せられた叫びでした。

ただ、それは私にとって別に珍しいことではありません。
時々、身に迫る巨大な不幸の予兆に対してどうしようもなく緊迫した気持ちになることがあります。

その時も、過去が噴出する時と同様の叫喚を口にしたくなるのですが、よく考えると何のことはない、
その不幸には実態も、そもそも予兆さえ実在していなかったのです。

何かに対して怖ろしい、怖ろしい、逃げたい、いっそ消えてしまいたいと考える感情は、
実のところ一切が妄想であったりするのです。

だから今回もその類だと考えていました。でも、もしそれが何らかの意味を持つ叫びだったとすればどうでしょう。
今になってはその仮定にも若干ながら説得力を持たせることができます。

そう、例えばK君のこと……役者の夢を絶たれたK君に、心のどこかで優越感を抱いている、
馬鹿にしていること……。或いはN君のこと……発達障害を抱えているかのようなN君と縁を切って以降、
私自身が虐められることは殆どなくなりました。私自身、N君の同類であると見做されなくなったためでしょう。

そのため、N君と疎遠になれた結果に諸手をあげて喜んでいること……。
そういった過去の罪悪感に対して、私は人知れず叫んでいたのかもしれません。

しかし昨日、その場で叫び声がもたらした効果は、私に現状を認識させることでした。
揺らいでいた思考回路が観測を経た量子のように固定化し、次の一手を要求してきました。


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