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◆xh7i0CWaMo
:2014/10/08(水) 22:29:09 ID:cxCxhwjA0
それまで記憶の片隅にも滞留していなかったはずのN君はおもむろに意識内へと染み出してきて、
私の頭を一度だけかき回しました。それが一体どうしてなのか……
考えているうちに鋭敏だった感覚はなりを潜め、再び耐えがたい頭痛が響いてきました。
そう、私はある場所に思いを馳せていたのです。その場所には今新しい戸建の住宅が建っていて……
過去、その場所は……母親の葬儀の直後、N君と話す機会があった際、
私は母親の死に関して随分と不躾な質問をしたはずです。その全てに対して、N君はこう答えました。
(●●●)「分からん、何も分からんねん」
……彼女からメールの返信が無い、という気づきが不意に混ざり込みました。
そして私は、しばし意識を失ったらしいのです。
私はその間死んでいたようでした。次に目覚めたとき、私には覚醒の感覚がありませんでした。
私にとって、断絶した時間は瞬き程度のものにしか感じられなかったのです。
にも関わらず、窓外は既に暗くなっていました。携帯を見ると、間もなく六時といった頃合いでした。
しかし、そんなことは有り得ないのです。何故なら、私は三時前後にタクシーへ乗り込んだはずで、
実家までどれだけ遠回りしても一時間と掛かりません。メーターを見ても想定の範囲内に留まっていますから、
私が意識不明になったのをいいことに運転手が無茶な針路を取ったとも考えられません。
あまりにも不条理なハプニングでした。
しかし、私はそれ自体をさほど問題視していませんでした。
むしろ、予定より遙かに遅れてしまったことで、
通夜に遅刻してしまうことに対する恐怖が汗となって全身に噴き出したのです。
不義理なことに、その時初めて、
私はこの通夜が父を弔う儀式であると言うことを切迫した現実として認識したのです。
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