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◆xh7i0CWaMo
:2014/10/08(水) 22:11:07 ID:cxCxhwjA0
満員電車の滑り込んだ終着駅から別の路線に乗り換えました。
先ほどよりは混雑していないもののやはり座席にはありつけず、私はまた、じっと扉の近くに突っ立っていました。
K君の回顧に頭を使ったせいか、ちょっとした疲労と頭痛が溜まっていました。
それは電車が地元に近づくにつれて次第に増幅し、遂には看過しようのない痛みへ変貌したのです。
そのせいで、私はこの段階でも葬儀のことや父のことに考えを及ばせずにいました。
景色が揺らいで見えてきましたが、眼を閉じるとそのまま崩れ落ちてしまいそうでした。
そのため、何とか地を踏みしめながら虚ろな眼で徐々に空いていく風景を眺めていました。
醜態を晒さぬようにと必死で装う私は、周囲から一層奇異に映ったことでしょう。
衆目を気に掛けているからこその行動を取っているはずの私自身に、衆目を気にする余裕はなかったのです。
目的地に到着したのは三時頃のことだったと思います。しかし時計を確認するという発想はありませんでした。
脳みそが内側から鉄塊に変わっていくかのような重みと痛みに、私は徒歩で実家に赴くことを早々に諦め、
降り立った足でそのままタクシー乗り場に向かいました。
運良く一台だけ停まっていた車に乗り込み、私は、恐らくははっきりと実家の住所を告げました。
タクシーが発車し、頭をシートに預けると、途端に意識が朦朧とし始めました。
熱っぽさはなく、むしろひたすら冷えているようでした。
これまでに感じたことのない痛みと、強制的に活動をシャットダウンさせようとしているかのような微睡み……
振り返ってみると、それはトラウマを心の奥底に閉じ込めておこうとする、
無意識の武力的な抵抗だったのかもしれません。
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