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Last Album

268 ◆xh7i0CWaMo:2014/10/08(水) 21:58:54 ID:cxCxhwjA0
K君は中学時代の友人であり、その当時私はまだ地元にいました。
彼の父はコンピュータ関係の小さい会社を経営しており、私の家よりも比較的裕福な暮らしをしているようでした。
常から居丈高に振る舞う性格のK君でしたが、それに伴っているらしい慈愛も持ち合わせていました。

中学校からの帰りによくコンビニのジャンクフードを奢ってくれたのを憶えています。

(,,゚Д゚)「お前はしょうがない奴やな」

と言うのが彼の口癖でした。

当時のK君には惚れ込んでいる女優Aがいました。
私たちよりも二歳年上のAが出演する映画の話を、彼は事あるごとにしていました。そして、

(,,゚Д゚)「俺は、中学卒業したらA(彼はその女優を、親しげに名前で呼んでいました)に会うために劇団に入って、
     東京に行くんや」

という決意を仄めかしたのです。私には考えられない人生設計でした。
中学を卒業すれば次は高校、その次は大学、そして就職……
それが、私が確信していた常識的で唯一の選択肢だったのです。

そしてそのコースから外れてしまうことを、今でもなお怖れています。
だからその時のK君の雄弁を、私はただ大口を叩いているだけのことだと信じ切っていましたし、
現実には彼も高校に進学して生きていくものだと疑わなかったのです。


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