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◆xh7i0CWaMo
:2014/10/06(月) 21:25:29 ID:ok723CeU0
視界はもう、とうの昔からボヤボヤとしている。
間近なところを多数の羽虫が飛び交っているような具合だ。
聴覚は水底不覚に沈みこんでしまっているように音が籠っていて、
近所から聞こえてくる生活の音がわけのわからぬ言語のようにさえ聞こえてくる。
唯一、触覚だけが背中の方から伝わってくる淋しい冷たさを全身に伝えている。
だが、それでさえフローリングの冷たさなのか、
はたまた私の身体が新しい不調を訴えているのか、見当もつかない。
だがどうせ……いつものことだろう。
私はまた、どこから湧き上がったかも知れぬ力で己のベッドから転がり落ち、
意思なき意思によって行動を決意し、誰の視線を恥じらうことも無く、
死に損なった百足よりも無様にのたうち、もがき、這いずり回っているのだろう。
いや実際、今の私が死に損なっているのは間違いないし、あまつさえ百足なぞよりも遥かに有害でさえあるのだ。
そして何よりも絶望的なのは、そんな自分を悔いたり、羞恥を覚えたり、
反省するなどという気持ちが僅かでさえも首をもたげぬことなのだ。
/ ,' 3「……!」
私は何らかの声をあげた……それは、
ウウ、とかアア、とか、言葉では形容できぬ耳障りな呻き声であったに違いない。
それは本心からの叫びではなく、どこからともなく現れる、
私の感覚器を支配した何者かによる意図のない怒声なのだった。
こんな光景をいつだったかテレビのドキュメンタリー番組で視たような憶えがある……いや、或いは幻想であろうか。
……どっちだっていい。どうせ正確な過去など思い出せるわけもないし、
誰かが私の言葉を擁護してくれるわけでもないのだ。
この期に及んだ私に最早一人として信頼なぞ寄せてくれるわけもなかろうし、
あまつさえ我が息子でさえ乳飲み子のように私を弄ぶだけなのだ。
……否、そうか。そう言えば、息子は昨日か数日か前に、私に愛想をつかせて出て行ったのだった……。
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