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◆xh7i0CWaMo
:2014/10/05(日) 22:18:02 ID:ecWgD/1k0
数年も経つと、自分を取り囲む壁の殆どが文字で埋め尽くされ、
最近では書き付けるスペースを見つけることさえ難しくなってきた。
そうなると、壁は違った側面を見せ始める。
そもそも、ヒッキーは壁に書き殴った言葉について、いちいちその時の記憶を保持しているわけではない。
だからそこに存在しているのは、自分の言葉でありながら自分の言葉で無いのだ。
数年前か、或いは数ヶ月前に書いた言葉は、しかし今の自分の思想と違えている部分はあまりない。
自分が進歩していないおかげで、壁はただ一方的に言葉を叩きつけられる存在から、
自らも言葉を投げ返す劣等なコミュニケーションの手段と化したのだった。
例えばヒッキーはその日、こんな言葉を書こうとした。
『無意味に人生が進められていく、今どの辺だ?
どこかにあるロープがそれを教えてくれるのかも知れない!
腐敗した頭を文字で書き表すのはもうたくさんなんだ!』
しかしそれに似た言葉はすでに用意されていた。
『どうせ死ぬ勇気も無い、死せるだけの手段もない!
それならば結局生きていくのだ!
無様に、無恥に、遺書の風体を装った文字を完成させることも出来ずに書き殴ってばかりで!』
壁そのものの存在自体、自分以外の人間にはどうでも良い程度のものであることぐらいは何となく理解出来ている。
そこにへばりついている言葉も含めて、他人にとっては空虚な面にしか映らないだろう。
ヒッキーにはそんな無意味さが、人生の全体に適用されている気がしてならない。
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