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◆xh7i0CWaMo
:2014/10/01(水) 21:45:29 ID:h2WvNwoE0
わたくしは、もう殆ど耄けたような心持ちになっておりましたが、
それでもまだ、この探偵への疑いを持ち続けていました。
すなわち、全てがこの、探偵を名乗る男の一人芝居なのではないかと……
全ては、何らかの目的でわたくしを騙すための策略に過ぎないのではないかと……。
しかし、そんなわたくしの疑惑や期待は、彼の次の言葉によって華麗に打ち砕かれることとなってしまったのです。
( ・∀・)「イヤイヤ……貴女の恋愛観は素晴らしいものです。
この時代にそれほど堅牢な心をお持ちである事には、ホトホト頭が下がる思いです。
とは言え……私も職業柄、貴女の感情的な言葉だけで屈するわけにもいかない……
ええ、これは男性である私からはやや言いにくいんですがね……
依頼人が貴女を心配なさっていたのには、格別の理由があるからなんですよ……。
これは直接的な動機があるわけではなく、
ただ依頼人が過去の貴女からお聞きなさっただけのことではありますが……
事実であれば成る可く速やかに自覚していただかなければならない……。
ええ、そうです。過去の貴女はね、依頼人に、ご自身が身重であるという風に告白したそうなんですよ」
私は彼の言葉を噛み砕いて、ようやく意味を理解した瞬間にグラリと揺らめくような目眩を覚えました。
それと同時に、お腹の方から心臓に向かってゾワゾワと悪寒が競り上がりました。
まるで言葉に反応し、自らの存在を主張するかのような不気味な悪寒が……。
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