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Last Album

13 ◆xh7i0CWaMo:2014/09/28(日) 21:29:55 ID:jDTTQVVk0
通りに沿って立つプラタナスは、手入れを放棄されて好き放題に生い茂っている。
その下を歩いていると、宵闇の暗さも相まって、何か絶望のような空気に抑えつけられている気がした。
 
誰もいない。本当に、人っ子一人見当たらなかった。
守衛にもう少し詳しい情報を聞き出しておくべきだったかもしれない。しかし今更引き返すのも億劫だ。
 
片側にはシャッターが犇めいている。かつては土産物屋や飲食店、ブティックなんかも軒を連ねていたのだろう。
しかし、あらゆる装飾の取り除かれた街路の景色は、没個性をも遙かに凌ぐほど殺風景だ。

もっともそれ自体は、
この街の機能が全て『彩色の奇跡』を際立たせるために存在しているのだと考えれば不思議ではない。
 
私はぼんやりと歩き続けていた。このまま進めば件の洞窟に到達してしまう。
案外と、目的地はすぐそこであるのかもしれない。

しかしそれは、あまりにも神秘的過ぎるのではないか。
歩きながら思考すると、考えがまとまるようでまとまらない。紙とペンが欲しくなってきた。
私が今、何をするべきか……。


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