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◆xh7i0CWaMo
:2014/09/30(火) 21:53:21 ID:9BaR2n0c0
ともすれば不快な眠りに落ちてしまいそうな頭の上で再び光と音が放たれた。
ぼくは誰かに一喝されたかのように身体をまっすぐに硬直させ、そのままの姿勢で歩き出した。
ぼくは雨の息苦しさよりも、時折訪れる雷の激烈さに戦慄していた。
何故こんなにも雷に責められているような気分になるのか分からない。
ただ、その攻撃は泣き出したくなるくらいにおそろしかった。
そう……純粋に考えればおかしな話である。何もぼくは、雷鳴を怖がる必要なんてないはずなのだ。
本来なら、ぼくはもう既に死んでいる身なのだから。あの部屋の、あの吊照明の、あのネクタイ――
それはまだ、孤独にぶら下がっているはずだ――によって。
そのぼくが雷に挫かれるなど、本来なら不可思議でしかない。
にも関わらず、ぼくはこれ以上雷が落ちないことを願っている。
できればこの雨と共にさっさとどこかへ消え去ってほしいと切望している……。
何かのはずみで雷がぼくの真上に落ちてきたら、ぼくは呆気なく死んでしまうか。
そうでなくても意識不明の重体ぐらいには追い込まれてしまうのだろう。もしかして、ぼくはそれが怖いのだろうか。
首吊りによる死を望んではいても、落雷による死は本望ではないのかもしれない。
結果としては変わらないというのに、ぼくはあくまでも形式に拘っているのかもしれない。
では、形式としての死を求めているのであれば、ぼくは本来的には死を望んでいないのではないか。
だが、近いうちにぼくは死ななければならない。それだけは確かだ。
何故か。そんなことは分からない。分からないなら死ななくてもいいじゃないか。
死ぬだけの勇気があるなら、生きていけるはずだ。
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