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117 ◆xh7i0CWaMo:2014/09/30(火) 21:31:23 ID:9BaR2n0c0
それにしても、彼女の言い分をこのまま認めてしまってもいいものだろうか。
身勝手な話、できれば彼女にはぼくが死んでしまうまで離別してほしくなかった。
できることなら、なるべく彼女をそばに感じたまま――それでいて密かに――たくらみを成功させたかった。

でも、それはあくまでもぼくの都合だし、こうやって全部が暴露されてしまった以上、
心の中でそっと思っておくのも無粋というものだろう。

だからぼくは、自分がしようとしていることをより確実に実行するためにも、
彼女の言葉に首肯してやるべきなのかもしれない。しかし、あまりに冷たくは無いだろうか……
いや、今になってそう考えること自体が罪であるようにも思える。

ミセ*゚ー゚)リ「馬鹿」

ぼくの思案は彼女の言い放った一言によって不意に現実へ揺り戻される。

ミセ*゚ー゚)リ「馬鹿……」

彼女はもう一度呟いた。そしてしばらく口をつぐんで、更に

ミセ*゚ー゚)リ「馬鹿」

と繰り返した。

そして少しだけ苦しげにうめいてから、戻ってきたときと同じように部屋を駆け出ていった。
数秒と経たず、玄関ドアがいきおいよく閉まる。ぼくはその様子をぼんやりと見送ってから、
彼女がテーブルに落とした三枚の遺書を拾い集め、ぐしゃぐしゃに丸めてくずかごに放り投げた。

一度目を通されたのだからもう十分だ。書き直すこともないだろう。


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