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◆xh7i0CWaMo
:2014/09/30(火) 21:05:58 ID:9BaR2n0c0
稲光……修羅場を演出するにはあまりにも紋切り型に過ぎる。しかしそれは現実に起きていた。
ぼくは彼女の次なる言葉をただ呆然と待ち続けていた。
自ら何かを発するつもりは毛頭なく、ただひたすらに彼女へ従属しようという思いがあるばかりだった。
それは結局のところ逃避でしかないのかもしれないが、
だからといって積極的な行動が実を結ぶような場面であるとも思えない。
不思議と、ぼくは自分が浮気でもしてしまったかのような焦燥感に駆り立てられていた。
ミセ*゚ー゚)リ「ひどい」
と雨音にかき消される程度の声音で彼女は言った。
ミセ*゚ー゚)リ「どうして一言も相談してくれなかったの。何で頼ってくれなかったの」
( ・∀・)「ごめんね」
とぼくは少し俯いた。
ミセ*゚ー゚)リ「何かいやなことでもあったの。会社とか、人間関係とか……」
( ・∀・)「いや、万事がうまく進んでいたよ。ぼくにしては上出来なぐらい、順風満帆な人生を歩んでいたと思う。
充足していない、なんてことは何一つないんだ。だから誰のせいでもないんだよ」
嫌みたらしい言い回しだと、われながら思った。核心を突かずにその周囲を堂々巡りしているような調子。
相手を苛立たせるには十分な冗長さがあった。
そう分かりながら口にするぼくは、おそらく愚かしいほどのあまのじゃくなんだろう。
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