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( ^ω^)はメダロットと共に歩むようです。

58名も無きAAのようです:2014/08/03(日) 20:37:54 ID:8LocSe860
まだかな

59名も無きAAのようです:2014/08/04(月) 21:18:29 ID:W6Oj6qJw0


Chapter5「ハービンジャー」

60名も無きAAのようです:2014/08/04(月) 21:22:25 ID:W6Oj6qJw0
…放課後、VIP高校内


( -ω-) 「…zzz」

VIP高校。
公立学校としては20年という長くも短くもない歴史を持つ高校。
VIP市に住む少年であれば、自然、進学する高校であり、比較的生徒数も多い。
もちろんブーンとドクオも通う高校だ。

その中の2階、ある1年生教室。
幾つもある黒鉛に汚れた古い机。その一つに顔を押し付け、寝息をたてるデブが一匹。
何者かが、その頭を小突いた。

( ^ω-) 「う…ん……?」

( ;゚ω゚) 「アッーー!もう学校終わりかお!」

目を覚ましたブーンが突然叫んだ。周囲に人影はなく、ごくありふれた白色の壁の教室に光が差し込む。
その光は既に橙色である。

('A`) 「いつまで寝てんだよ」

ドクオが、半ば呆れた声を発した。どうやら、ブーンを起こした張本人のようだ。
日を背に負っているせいか、顔が普段にも増して暗く見える。

61名も無きAAのようです:2014/08/04(月) 21:24:44 ID:W6Oj6qJw0
( ^ω^) 「いや、毎日眠くて仕方ないんだお」

('A`) 「こんなクソ暑い時に爆睡できるかよ?逆に関心するわ」

たった一つの言葉であっても、半ばの呆れを完全な呆れへと変えるには十分であったようだ。

('A`) 「まあ、お前の単位は俺には関係ないしな…。ところで、昼に妙なものをグラウンドに見つけてな。お前に見せたかったんだ。」

( ^ω^)「…お?」

('A`)「まあ、ついてこいよ」

ドクオは眠そうなブーンの腕をいきなりつかむと、そのまま強引に引き立たせ、廊下へと引きずり出した。
勢いに任せたせいで、ブーンの荷物は教室に置き去りだ。
残念なことに、寝ぼけ眼のブーンに理性は戻りきっていなかった。

62名も無きAAのようです:2014/08/04(月) 21:25:25 ID:W6Oj6qJw0
…VIP高校、グラウンド

ドクオにつれられたブーンは、下駄箱で内ばきから使い古しのエアホースにはきかえ、昇降口からグラウンドに出た。

('A`) 「こっちだ。」

ドクオは、黄土色が支配するだだっ広いグラウンドの、奥地を指差す。
そこには、フェンスで人の侵入を拒ませられた、小さな森があった。

…なぜ、高校の敷地内に森があるか?
VIP市は、意外にも森林の豊かな中規模の都市である。
メダロット等の最新技術を取り入れた行政の傍ら、環境への配慮の一環として森林の保護を行っているからだ。
VIP高校も例外ではない。数年前からグラウンドに隣接している森の保存や、植樹による拡大を行っている。

ブーンとドクオは、そんな行政の思惑で残されている森に侵入すべく、かつては緑色であったろう、赤茶に錆びたフェンスをよじ登り始めた。ガサガサと鬱蒼とした薮をかきわけ、少し進むと、突然ドクオが立ち止まった。

('A`) 「あれ」

ドクオはその細長い人差し指で、目的を指した。
それは、一本の杉が倒れている。という光景だった。…ただし、周囲の木々は未だたくましく天を目指している
倒れた木は、なんと、根本から1.3メートルほどで袈裟、もしくは逆袈裟に切断されたような斜めの切り口を持ってた。

( ^ω^) 「竹槍みたいだお」

('A`) 「竹?杉だろ。昼休みにサッカーしてたら偶然蹴りこんじまって。で、ここで探してたらいきなりこれ倒れてきたんだ」

( ^ω^)「よく考えれば杉ヤリか……やりすぎ!!だっておwww」

('A`) 「あ?話を聞けコラ」

唐突なブーンの言葉遊びにドクオは腹を立てた。

63名も無きAAのようです:2014/08/04(月) 21:26:25 ID:W6Oj6qJw0
しかし、そんな様子もお構いなしに、ブーンは自分のペースを崩さない。
今度は口を閉じて考え事を始めた。

( ^ω^) (にしても…なんだおこれ?メダロットが切ったのかお?でも、この木の直径は3メートルはあるお)

可能性を考えているうちに、遠くのしげみがガサガサと音を立てているのが聞こえる。
その時点で、ブーンは「多分風が揺らしている。」と思い込んでいた。

(*^ω^) (多分間伐じゃないかお…ドクオにモノを教えるチャンスだお)

ブーンは何故か知っている「間伐」というキーワードを結論に位置づけ、嬉々とした。
普段ドクオに指摘されることの多いブーンは、ここぞというチャンスだと考えていた。

(*^ω^) 「ドクオ!わかっ―――」

導き出した結論を自慢しようと、切断された杉から目をはずし、背後にいるはずの友に話しかけた。

が、しようとして、やめた。そこに友はいないことを知ったからだ。
そしてその友をすぐに見つけた。既に、グラウンドを脱兎の如く駆けていた。

( ^ω^) 「この野郎…」

代わりに、口から這い出してきたのは友に対するあまりの忌ま忌ましさ故の悪態だった。

64名も無きAAのようです:2014/08/04(月) 21:27:20 ID:W6Oj6qJw0
振り返れば、友の代わりに紫の装甲に犬を模した頭部−−否、頭両腕。
3つ首の地獄の番犬をモチーフとしたメダロット、「ヘロケロベロス」がそこにいた。

 ∧ ∧
く +ω+) 「ナンダキサマ?」

唸りを上げていたヘロケロベロスの、リーダーらしき頭部パーツが唐突にブーンに問答を始めた。

( ^ω^) 「えっと…その…。」

先ほどのイライラは瞬時に消える。ぽっかりと空いた空間に、代わりに恐怖が充填された。
ただならぬ空気を垂れ流すヘロケロベロスに圧倒され、ブーンはしどろもどろになる。

そのことが、ヘロケロベロスの不信を増幅させる。

 ∧ ∧
く *W*)「ゼッテーアヤシイ。」

 ∧ ∧
く tшt) 「ドウカンダ。」

両腕が口々に叫びだす。
ヘロケロベロスの行う腹話術じみたこの行為は、不気味という言葉につきる。
ブーンを、精神的にジワジワと追い詰めていく。

( ^ω^) 「いや、た、ただ遊びに−−−」

 ∧ ∧
く +ω+) 「ソンナハズネェダロ。モリヲアラシニキタニチガイネェ。コウナッタラ、ロボトルデキュウヲスエテヤル」

 ∧ ∧
く *W*) 「スエテヤル」

 ∧ ∧
く tшt) 「スエテヤル」

ブーンのはっきりしない態度に業を煮やしたヘロケロベロスが、強行手段へと打って出た。
どうも、このヘロケロベロスは野良メダロットではあるが、この森を管理しているメダロットのようだ。
だが、その管理に従順であるが故に、「森にいる=侵入者=敵」という、とんでもないステレオタイプが使命を乗っ取ってしまったと推測される。
だが、残念な事に侵入者であることに変わりはない。処罰対象に含まれてしまう。
森の狂犬が、今にも牙をむかんとしていた。

65名も無きAAのようです:2014/08/04(月) 21:28:12 ID:W6Oj6qJw0
( ^ω^) (灸をすえるとかまたふるくっせー言葉を…。やべ。やるしかねぇのかお…。)

ブーンは、ヘロケロベロスの成す意味不明の展開に戸惑う。 知らず知らずのうちに、ロボトルをするはめとされてしまっていた。
ヘロケロベロスはなおもブーンにロボトルを強要しようとする。

 ∧ ∧
く +ω+) 「サッサトテンソぶべら!?」

だが、ヘロケロベロスはブーンに制裁を加えることは叶わなかった。
突如、その頭部を地へと勢いよく打ち付けた。一見すると横に唐突に倒れ込んだように見えるが、どうも自分の意思で行ったように見えない。
不可視の力が側頭部に加えられたのだろうか、クレーターの如く地面に陥没している。
それきり、ぴくりとも動かなくなった。

( ^ω^) 「…なんなんだお、ギャグかお」

事が、二転、三転。
ブーンは口を開くが、呆然を上手く言葉で表現すうことができない。

(    ) 「こういうことだ」

独り言であったはずの言に、何者かが答えた。

ヘロケロベロスの後方1メートル。
何もないはずの空間が、陽炎が揺らめくように、歪み始めた。

数秒の後、事の真相が姿を現す。

66名も無きAAのようです:2014/08/04(月) 21:29:10 ID:W6Oj6qJw0
\\
(  ゚ ゚) 「ぎゃぐ…?それよりもこんな所で何をしている、ブーン?」

ルミナスが「いんぺい」を解除し、表れた。

( ;^ω^)「ええ…お前こそ何やってるんだお…つーか『いんぺい』ってそういうのだったかお?」

ブーンはルミナスへの不信感を隠ぺいしきれていない。

\\
(  ゚ ゚)「最新パーツだからな(大嘘) あと、ネコが爪を木で研ぐだろう。それと同じだ。何が悪い?」

その直後、大木倒れ、それにより生じた轟音が森に響き渡った。
それに驚いてか、ばさばさと鳥が慌てて飛び立つ音が数瞬遅れて聞こえた。

( ;-ω-)「はあ…」

幾分豪快がすぎる行為の全容を知り、溜息を一つブーンはついたが、ルミナスに届くことはなかった。





67名も無きAAのようです:2014/08/04(月) 21:30:15 ID:W6Oj6qJw0
5話終了です。
昨日はうっかり寝ました。

68名も無きAAのようです:2014/08/05(火) 13:25:57 ID:.AK8R3VI0
おつ


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