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( ^ω^)百物語のようです2014( ω )
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( ^ω^)おいすー。今年も百物語の季節がやってきたおね。
( ^ω^)ここは百物語専用スレだお。開催日まではルール確認や質問等、自由に使って欲しいお。
・開催日は八月八日(金)から八月十七日(日)まで
※ただし投下できるのは八日〜十日と十五日〜十七日の金土日のみ。投下期間以外の本スレは作品の感想などご自由に使用してください
・作品はホラーでなくても幽霊、妖怪、人外などが出るならギャグでもなんでも可。
・レス制限は一作品30レスまで。それ以上は個別スレ建てをお願いします。
・ながらはNG。個別スレを建ててそこでやるのは可。もちろんVIPに建てるのもOK。
※個別スレ参加の場合
レス制限無し。
スレ立て
↓
百物語スレにて投下開始報告、URLを貼る
↓
投下終了後、百物語スレにて投下終了報告(その際、前の人の数字を引き継いで話数宣言)
・1人何話でも投下可!
※連続投下→次に投下する人がいないか確認を取り、無ければOK
※作品の投下間隔についてはルールはありませんが少し間を開けることを推奨します
・イラストでの参加も可!一話としてカウントします。
※ただし作品への支援絵は作品としてカウントしない
・開催時間は18時から翌朝7時まで
・話が終わったら本スレ(自分でスレを立てた人はそのスレでも可)で蝋燭のAAを貼る
過去の百物語のまとめ
( ^ω^) ブーン系図書館主催・百物語のようです ( ω )
http://iroirotunpeni.blog11.fc2.com/blog-entry-521.html
( ^ω^)百物語のようです2012 in創作板( ω )
http://boonbunmaru.web.fc2.com/collaboration/dreadful_story/dreadful_story.htm
( ^ω^)百物語のようです2013( ω )
http://mzkzboon.blog.fc2.com/blog-entry-755.html
( ω )なお、こちらは何があっても責任は負いませんので、自己責任での投下、閲覧をお願いいたしますお
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第二夜はほのぼの系やギャグが多いなって思った瞬間これだよ!!
いやああああああああああ
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乙
ゴミ捨て場こあい
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らめええええ!!ゴミ捨てに行けないいいいい!!
ラストのせいでゴミ箱すら直視できないいいい!!
乙んんんんん!!
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四十五本目、頂きます。
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(i,)
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川ー川「ねぇ、肝試しに行こうよ」
上京する前まで、幼馴染みの彼女に怖がりな僕は腕を引っ張られて、色々な心霊スポットへと連れ回されたものだ。
彼女は僕が怖がる顔が大好きらしく、泣く僕を見てはいつも笑っていた。
心霊スポットは大嫌いな僕だったけど、彼女の幼い時から変わらない笑顔を見るのが好きで、怖がりな癖に沢山の心霊スポットをまわったものだ。
しかし、上京して彼女とも疎遠となり、心霊関係に関わることは無くなったと思っていたんだけど…
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川ー川 「お久し振り。ねぇ、こわぁい話してあげる」
一人暮らしを始めて一年後、彼女が夢にでてくるようになったのだ。
それも、百本の火の付いた蝋燭に囲まれて
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川д川百物語より怖い物のようです(-_-)
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(;-_-)「ななななんで貞ちゃんが此処に!?」
川д川「何でって、ヒッキー君が呼んだんじゃない」
(;-_-)「えっ、呼んだって…?」
川д川「というか夏だから、毎年恒例の心霊スポット巡り出来なくて寂しがってるかなぁと思って」
(;-_-)「むしろ喜んでたよ、今年はいかずにすむって」
川д川「じゃあ、私に会えないのも寂しくなかったの?」
(;*-_-)「そ、それは、その、寂しかったけど…」
今だって夢だと分かっていても、会えて嬉しいと思ってるし…。ってか、夢なのになんで照れてるんだ、僕は!!
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川*д川「でしょ?だから、今年は夢の中で百物語しようと思って!」
(-_-)「へぇ、百物語…」
(;-_-)そ「って、えぇ!?なんでそうなるの!?」
川д川「だって、ヒッキー君と現実では会えないから夢で会うしかないじゃない?だからよ」
(;-_-)「だからと言って、なんで百物語を夢の中でするの!?そんなの悪夢じゃん!そんなことより、もっと楽しいことしようよ!」
川д川「百物語より楽しいことってなに?」
(;*-_-)「そ、そりゃあ夢なんだから普段できないあんなことやそんなこと…」モゴモゴ
川д川「ん?なに?」
(;*-_-)「やっぱり何でもないよ…」
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川д川「だよね、百物語より楽しいことなんかないし!早速始めようか!」
(;-_-)「でも、二人で百物語って…」
川д川「大丈夫、ヒッキー君は百本目の時だけ話してくれればいいから」
(;-_-)「えぇ…、よりによって百本目…」
川ー川「ね、いいから早く始めようよ」
グイッと腕をつかまれる、懐かしい感触だった。
そして
(-_-)「…その笑顔はずるいよ」
川д川「なにが?」
久々に見た彼女の笑顔を見て、断れるわけがなかった。
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川д川「じゃあ、まず一本目ね…」
僕は彼女の笑顔に負けたことを本当に後悔した。彼女は並み大抵のホラー好きでは無かったのだ。
そう、彼女の持ちネタも滅茶苦茶怖かったのだ。
(;_;)「も、もう、やめてぇえええ!!」
川*ー川「あはははは!相変わらず脅かしがいがあるなぁ、ヒッキー君は」
(;_;)「今日はここまでにしよう、ね!?」
川д川「え、でも、まだ十本目の途中だよ?」
(;_;)「もう無理!寝れなくなる!」
川д川「今まさに寝てるじゃない」
(;_;)「とにかく、もうギブ!」
川д川「まぁ、ヒッキー君がいいならそれでもいいけど…」
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四十五本目頂きます
ホラーのようです〜良い子のみんなへ〜
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(i,)
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(;_;)「いいにきまってるじゃない!」ガバッ
(;_;)「…あれ?」
どうやらあまりの恐怖で夢から覚めたらしい、僕は現実でも涙を流していた。
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('A`)「それは凄い夢だな」
(;-_-)「幸せなんだか、不幸せなんだか分かんない夢だったよ…」
大学の友達に夢の話をすると、ホラー好きの彼は興味津々だった。
('A`)「で、どんな話だったんだよ。彼女の怖い話は」
(;-_-)「なんか一人暮しにジワジワくる系の話ばっかだったよ…」
('A`)「あぁ、たち悪い奴か…」
(-_-)「十本目は、愉快犯がバラバラにした死体をどう処理したかって話だったけど、オチを聞く前に目が覚めちゃったから分からないけど」
('A`)「オチ聞かない方がある意味怖くね?」
(-_-)「僕は聞かない方がマシだね」
('A`)「まぁ、またその夢の続きみたら教えてくれよ」
(;-_-)「出来れば見たくないけどね…」
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ミス!!
うわぁぁぁぁ
申し訳ありませんでした。
支援
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そして、その日の夜。僕は彼女から聞いた一人暮らしにジワジワくる系の怖い話を思い出して、ビクビクしていた。
(;-_-)「もー…、本当に貞ちゃんのバカ」
しかし、夢なのだから、実際の彼女は何も悪くないので八つ当たりもいいとこだろう。
(-_-)「まぁ、いいや…。部屋にいても落ち着かないし、コインランドリーに洗濯物洗いに行こう…」
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僕の住むアパートは、歩いて二分のコインランドリーが近くにあり、四つの洗濯機が置いてある。そこは客が少ないのか、いつも一つも回っていなかった。
しかし、
(-_-)「あれ、今日は全部回ってる」
珍しく今日は四つの洗濯機が全部回っていた。
一体何を洗っているのかなぁと思って、回る洗濯機を見ると言うことは良くあることだと思う。
例に漏れず、僕も何の気なしに、回る四つの洗濯機の中身を見た。
そして、僕は腰を抜かしてしまった。
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(;-_-)「あは、あははは!まさか、まさかねぇ!?だってそんな訳…」
僕が自分はバイトのし過ぎで疲れているんだと考えていると、四つの洗濯機は一斉に回るのを止めた。
そして、洗濯機の中身がはっきりと見えた。
(;゚_゚)「うわあああああ!!」
僕は急いで家に帰り、布団に潜って目を瞑った。あれが現実な訳がないと思い込みながら。
だって、四つの洗濯機がそれぞれ回していたもの、それは…
*
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川д川「それぞれの洗濯機にはいってたのは、頭、腕、胴体、足でしょ?」
(;_;)「やっぱりアレ幻覚じゃなかったの!?」
(;-_-)「…って、なんで貞ちゃんが?」
川д川「ここは夢だよ、夢。ヒッキー君は寝ちゃったのよ、泣き疲れて」
(;-_-)「そ、そうなんだ…」
泣き疲れて寝るなんて、赤ちゃんみたいだな、僕…
(;-_-)「…じゃなかった!なんで貞ちゃんが僕が見たコインランドリーでの出来事を知ってるのさ!」
川д川「あれが昨日途中で話すのを止めた十本目のオチだからだよ」
(;-_-)「…へ?」
川д川「だから途中で止めるのはオススメしなかったのに」
(;-_-)「何それどういうこと?」
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川д川「私の怖い話を最後まで聞かないで途中で起きちゃうと、現実でオチの部分を体験することになるの」
(;-_-)「ええええ!?何それ、そんな話聞いてないよ!?ってか、どうしてそんなことに!?」
これはただの僕の見ている夢のはずなのに!
川д川「まぁ、そんなことより!今日も百物語の続きをしましょう」
(;-_-)「あんな怖い思いもうしたくないんだけど!?リタイアとかできないの?」
川д川「…一度始めた百物語を、途中抜けできるとでも?」
(;_;)「ですよねー…」
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こうして、僕は毎晩彼女のとびっきり怖い話を聞くことになった。
時々、あんまりに怖すぎて途中で目が覚めてしまったり等して現実世界でとんでもない目に会うこともあった。
しかし、百物語を終わらせるためには話を聞くしか無く、泣きながらも頑張った。
そして遂に
川д川「これで九十九本目…」
フッと彼女が蝋燭を消す。火が付いている蝋燭は残り一本となった。
(;_;)「あぁ、やっと後一本で終わるんだね!さぁ、貞ちゃん!早く最後のお話を!」
川д川「忘れたの?最後の一本はヒッキー君が話す約束だよ?」
(;-_-)「えっ?あ、そういえばそうだった…」
川д川「…まさか用意してなかった
の?」
(;-_-)「あ、明日必ず!」
川д川「仕方ないなぁ、とびっきりなの待ってるからね」
(;-_-)「も、勿論さ!」
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(;-_-)「という訳なんだ…」
('A`)「それで怖い話が用意できないから俺に相談に来たって訳か」
(;-_-)「うん、頼むよ!貞ちゃんが喜ぶようなとびっきり怖い話、なんか教えてよ!」
('A`)「怖い話を教えてやるのは構わねぇが…」
(*-_-)「流石ドックン、頼りになる!」
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('A`)「お前、なんかヤバイのに取り憑かれてるんじゃねぇの?」
(;-_-)「へ?」
('A`)「普通に考えて可笑しな話だろ、夢の中で聞いた話が現実でも起こるなんて」
た、確かに、全くもってその通りだ。
(;-_-)「でも、取り憑かれてるなんてまさかぁ…」
('A`)「その貞ちゃんとか言う、心霊スポット巡りにお前を付き合わせた幼馴染みに連絡とってみろ。もしかしたら、そういう夢に出てくる幽霊に曰くがある場所に連れていかれたのかも知れないぞ」
(;-_-)「…う、うん」
('A`)「あぁ、それと」
(;-_-)「なに?」
('A`)「夢の中の貞ちゃんとやらに勝つには、本物の貞ちゃんに怖い話を聞くのが一番なんじゃないか?」
(*-_-)「確かに!流石ドックン、冴えてるー!」
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こうして僕は家に帰って、彼女に電話をしようとした。
だが、電話番号が書いてある紙を無くしてしまっていた。
なので、母さんに電話をして彼女の家の電話番号を聞くことにした。
そして僕は彼女の家に電話をかけることができ、百物語の最後に相応しい怖い話を手に入れることができた。
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川д川「こんばんは、ヒッキー君」
(-_-)「こんばんは、貞ちゃん」
川ー川「…どうやら、百本目に相応しい怖い話は用意できたみたいね」
(-_-)「あぁ、出来たよ。じゃあ、早速話させてもらおうかな」
僕は火が付いた最後の蝋燭を手に持ち、話を始めた。
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(-_-)「これはある男の子の夢に、ホラー好きな幼馴染みが百物語をしに出てくるお話なんだ」
(-_-)「男の子はホラーが大嫌いなんだけど、その幼馴染みが大好きだから百物語をすることを受け入れてしまったんだ」
(-_-)「そして始まった恐ろしい怖い話や、数々に現実で起きる心霊体験」
(-_-)「普通なら信じられないよね、こんなこと。ただの夢じゃないって、途中で止めてしまうよね」
(-_-)「でも、男の子は百物語に最後まで付き合うんだ。だって、男の子はその幼馴染みには逆らえないから」
(-_-)「そして、最後の百本目のお話を男の子は幼馴染みに託された」
(-_-)「しかし、男の子は自力で怖い話なんて何も用意できなかった」
(-_-)「だから、夢に出てくる幼馴染みの家に電話をしたんだ。所詮、夢に出てくる幼馴染みは男の子の脳が作った偽物であって、現実には敵わないからね」
(-_-)「それで、幼馴染みに電話したら…」
(;-_-)「…」
川д川「…ヒッキー君、話を続けて」
(;-_-)「電話を、したら…」
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(-_-)『あ、おばさん?お久し振りです、ヒッキーです』
『あら、ヒッキー君?お久し振りねぇ』
(-_-)『はい、ところで貞ちゃんは…』
『今日は貞子の命日だもんねぇ、電話してくれて貞子も喜んでると思うわぁ』
(-_-)『……は?』
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(;_-)「おさ、幼馴染みは死んでたんだ」
(;_;)「それで、僕は、去年あった出来事を全て思い出したんだ」
-
!?
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J( ;ー;)し『貞ちゃんが死んじゃうなんてねぇ…』
(-_-)『…』
J( ;ー;)し『だから一人であんな森に入っちゃ行けないって言ってたのに…』
(-_-)『…百物語』ポツリ
J( ;ー;)し『…え?』
(-_-)『百物語を最後まですれば、貞ちゃんはきっと出てきてくれる…』
J( ;'ー`)し『ヒッキー、あんた何言って…』
(-_-)『百物語をやらなくちゃ…』
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(;_;)「そうして、僕は一人で百物語をやったんだ。…貞ちゃんが死んだあの森で」
(;_;)「…百物語は見事、成功した」
川д川「…ヒッキー君に呼ばれてから一年かかっちゃったけどね」
(;_;)「夢の中で百物語をしている間だけ、貞ちゃんと会える機会を与えられたのに、僕は百物語を早く終わらせることばかり考えて…!」
川д川「まぁ、百物語をした代償に記憶を奪われたんだから仕方ないよ」
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僕は泣き過ぎて、話を続けることができなかった。僕の鼻をすする音だけが、響いた。その沈黙を破ったのは彼女だった。
川д川「悪いけど、ヒッキー君。今回の百物語の代償も貰うね。今回の代償は…」
(;_;)「貞ちゃん、お願いだ、僕を連れていって!今回の百物語の代償は、僕の魂を差し出すよ!」
川д川「ヒッキー君…」
(;_;)「怖い話は大嫌いだけど、貞ちゃんがいないこの現実で生きていく方が僕にとっては恐ろしいんだ!」
川д川「ヒッキー君、そんなことを言われたら私…」
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川ー川「ヒッキー君が、怖がる方を取るにきまってるじゃないですか」
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彼女は僕の大好きな笑顔をしたかと思うと、僕が持っていた百本目の蝋燭の火をフッと吹き消した。
(;_;)「待って、貞ちゃん!!」ガバッ
目が覚めると、そこは何も変わらない、いつも通りの僕の部屋だった。
彼女は勿論いなかったし、僕の魂は取ってはもらえなかった。
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あの日以来、彼女は夢に出て来てはくれないし、心霊現象も起こらなくなった。
毎年、この季節になると彼女を思い出すのだけど、どうしても大好きだったあの笑顔は思い出せなくなってしまった。
魂の代わりに、代償として彼女が取ってしまったのだろう。
そして、僕は心霊現象や怪談が怖くなくなった。
なぜなら、この世界でなによりも怖い、「大好きな人との別れ」を体験してしまったのだから。
*
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四十五本目、お終い。
(
)
i フッ
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しんみりした
乙!
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貞ちゃんええ子やぁ……乙
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埋まりそうなので新スレ建てました
こっちがもうちょっと埋まってから次スレを使用してください
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/read.cgi/internet/13029/1408210693/l30
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乙です。
では出来立てほやほやの短編をこちらへ投下させてもらおうか……
四十六本目
人体幻視行のようです。
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(i,)
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かつてぼくが本で読んだ言葉の中に、以下のようなものがあった。
『人の身体を構成する器官は、そのほとんどが生涯において、日の光を浴びることはない』
人体のうち白日の元に晒されているのは、皮膚、眼球の一部、耳朶、唇、爪、もろもろの体毛と極僅かであり、その他の部位は一生日の目を見ることなく、その生涯を全うするのだそうだ。
ぼくはその言葉を初めて読んだとき、人の内腑に広がる遠大な闇を想像して、うっとりしていたものだった。
どんな老若男女、美男美女醜男醜女であろうとも、その肉の内側に一点の光明も艶めきもない、黒暗淵(やみわだ)を持っている。
想像してほしい。一切の明かりのない場所で、課せられた本能のままに日夜蠢く臓器たちを。その臓器たちを動かすために一心不乱に循環する、無数の色を持った体液たちを。
人は皆自覚のあるとなしとに関わらず、その内に光すら差さない闇を抱えている。
その事実、その量感、その言霊が、ぼくの心の柔らかな部分で、事あるごとにかそけく波打つのだ。
まぶたの裏にこそ真の闇はあり、そして己の内側にこそ真の深淵は存在しうる。 そう思うだけで、得体の知れない興奮がぼくの身を包むのである。
ぼくの知らない場所でぼくを生かすために動くそれらの物たちを、ぼくは死ぬまでこの目に捉えることは叶わないのだ。
長年そんな思いを抱えていたからだろうか。ここ数日ぼくの頭は、おかしな具合に変調をきたしてしまったようだった。
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ぼくがその異変に気づいたのは、部屋の隅に転がる、何の変哲もない小さな綿埃を見つけた時だった。
木造平屋の、一人暮らしには少々手広すぎる一軒家がぼくの住み処である。とても多いとは言えない遺産と共に、ぼくが両親から譲り受けた数少ない物の一つだ。
仏間の畳は毛羽立ち、板間の板は歩けばギシギシと音を立てたが、それでも長年住んだ分だけ、それなりに愛着のある家だった。
独り身の男にありがちなように、お世辞にも我が家は片付いているとは言えない。それ故に、埃が立つことくらいはさして珍しい現象でもない。
それなのに、ぼくがその埃に目を取られてしまったのは、そこにぼくの部屋には通常あり得ない、異質なものが混ざっていたからかもしれない。
出かける準備をしたぼくの足元に、風もないのにどこからともなくころころと埃が転がって来る。
その埃を何の気なしにつまみ上げると、雑多な灰色の中に一筋だけ、鮮やかな色みが混ざっている。
埃の中からその色みを探り当てて思いきり引っ張ると、小さな摩擦音を立てて、ぼくの指の間からでろりと人毛がぶら下がった。
恐らくは人の毛髪だろう。 指でつまむのが困難なほど小さい綿埃から、驚くほど長い金髪が姿を現した。無論それは、ぼくのものとは髪質も色も全く違う。
よくよく観察してみれば、その髪の毛にはキューティクルも毛根も存在しているようだ。つまりこれは、カツラや人工毛のような作り物ではないということになる。
冷蔵庫の裏に溜まっていた埃が、コンプレッサーの動きに合わせてまろび出てきでもしたのだろう。そう思い、まじまじと眺めていた髪を、埃ごと丸めて塵箱へ捨てた。
その金髪の持ち主が誰なのかは、可能な限り考えないようにした。
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家を出てしばらく歩くと、商店街の古めかしいアーケード通りがある。そこでもぼくは、奇妙な物を目撃した。
特に注意を払うべくもなく歩いていたせいか、何か柔らかな物を踏んづけてしまったのだ。
さては犬の糞でも落ちていたかと恐る恐る足をどけてみると、ころりとした眼球が靴の下から転がり出てきた。
眼球。どこからどう見ても、完全に眼球である。
どこかに瑞々しさを保ったまま、思いがけないほどの弾力でもってぼくの足の裏から自己主張をしている。
ぼくは数瞬、眼球と見つめ合った。何故だかは分からないが、その一瞬でぼくはそれが作り物の類いではないことを、本能的に悟っていたように思う。
瞳の色は青いが、表面にまとわりつく血管は赤い。そして本来なら脳へと繋がっているはずの太い視神経が、やる気無さげに球の末端から垂れ下がっていた。
頭では理解できていたはずのそれら眼の仕組みも、現物の生々しさを知ればどこかへ吹き飛んでしまうものらしい。
まだ生きて何物かを見ているかのごとく、眼球はギョロリとぼくの顔を睨む。
ぼくはそれを思いきり踏みつけにすると、眼球が潰れずに形を留めているのを確認してから車道へと蹴り飛ばした。
『先生……』
どこか遠くの方からぼくを呼ぶ声が聞こえたような気がしたが、恐らくは気のせいだろうと思った。
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しばらく歩くと、再びぼくの歩みを止める物が見つかった。
三叉路の合流地点にある横断歩道の前で、ふと感じた違和感に頭を上げる。
ぼくのいる場所の対岸にある歩行者用信機の、赤のマークがやたらに毒々しい気がしたのだ。
目を凝らしてよくよく見てみると、微かではあるが赤い色が動いているのが分かる。
しばし観察を続け、その動きが命ある物に付き物の、脈動だということに気づいた。
人の脈拍の元となる臓器。それはもちろん心臓に決まっている。
世界広しと言えども、信号機の赤い部分に人の心臓が嵌め込まれている奇妙な図など、ぼく意外に見たことはないだろう。
他の通行人の邪魔になるのも構わず、ぼくは文字通り脈絡なく現れたその心臓を、食い入るように見つめた。
大中小の血管、そして蠢き躍動する無数の筋肉。それらの密集した塊が、確かにそこにはあった。
心臓はぼくに見られていることなぞお構い無しに、実に堂々と動いていた。さすがに臓器の王様と言われるだけのことはある。
しかし一体あの心臓は、あの場所で拍動しながら、どこへ血液を送り続けているのだろう。
まさか信号機そのものに血液なぞはあるまい。ではあの心臓は、全く無駄な動きにその能力を費やしているのだろうか?
それを思うとぼくはなんだか虚しい気持ちに苛まれ、目線を心臓から外してやることにした。
やがて信号は青へと変わり、ぼくはそれまでのことがなかったかのように、通行人に紛れて歩き出す。
ξ ⊿ )ξ「先生」
横断歩道の反対側から、ぼくへ向かって手を振り走りよってくる少女のことを、ぼくは華麗に無視していた。
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それからまたしばらく歩くと、今度は不意に空模様が怪しくなり始めた。
空がゴロゴロと鳴っている。今はまだ遠雷だが、しばらくすれば雨が降ってくるだろう。
そう思ってから間もなく、雨宿りする場所を確保する暇も与えられずに、唐突に雨は振り出してきた。
わたわたとうろつき、ともかく雨に濡れない場所をと思っていると、ぼくの額にも当然のように雨粒がぶち当たった。
反射的に額を拭い、これもまた反射的に拭った手を見る。その手が何故か、乳白色に染まっている。
三度反射的に空を見上げると、色とりどりの液体が、宙から地面へと落ちてくる最中だった。
たん、と一滴落ちたそれは、地面を茶色く染めた。
てん、と一滴落ちたそれは、地面を赤黒く染めた。
とん、と一滴落ちたそれは、地面を黄色く染めた。
それが何であるのか理解するのに時間がかかってしまったが、ほどなくして雨がどしゃ降りに変わるのを見て、ようやくぼくは納得する。
白色は、母乳。
茶色は、胆汁。
赤色は、血液。
黄色は、胃液。
空から降る数億の雨粒は、人の身体を流れる体液へと変貌していたのだ。
ぼくはやっと見つけたボロコンビニの軒先で雨宿りしながら、その体液の乱舞をぼんやりと眺める。
ξ ⊿ )ξ「……」
いつの間にかぼくの隣で雨宿りしていた少女に、ぼくは一瞥もくれなかった。
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オンボロコンビニの軒先で、ぼくは今日自分が見たものについて、少しだけ考える。
今もなお降りしきるこの体液色の雨は、果たして本当に現実なのだろうか。
そしてぼくはその答えを既に持っている。こんな非現実的な物が、現実のはずがないのだ。
何故ならぼく以外の誰も、この雨を見て驚いたりするような素振りを見せなかったのだから。
体液色の雨にまみれているはずのサラリーマンも、心臓の横断歩道で隣あった買い物帰りの主婦も、眼球を見つけた通りですれ違った若者も。
常と何一つ変わらない風で、恐怖や驚嘆なぞ微塵にも感じていなかったのだから。
ξ ⊿ )ξ「そんなの、当たり前じゃない」
いつの間にかぼくの背後に回っていた少女が、ぼくの首に腕を回しながらそっと囁く。
ξ ⊿ )ξ「だってこれは、人を殺した人にしか見えない幻覚なんだから」
あぁ、分かっている。分かっているよ。ぼくは心の中で、ぼくの殺した少女へ向けて何度もそう呟く。
そうしている間にも、巷にはぞろぞろと臓器が溢れだし、もはや百鬼夜行と呼んでも差し支えの無い様相を呈していた。
大脳が、肝臓が、大腸が、膵臓が、肺が、脾臓が、膀胱が。
大腿骨が小脳が横隔膜がアキレス腱が鮃筋が膝蓋骨が前頭葉が環状動脈がリンパ腺が静脈血が鼓膜が中指骨がホーデンが子宮が中枢神経が軟骨が虫垂が亀頭が蝸牛器官が皮下脂肪が骨髄が肩甲骨が。
闇に隠れていたはずの人の中身が、この世に溢れ返ってくる。
ぼくはそれを、ぼくが殺した少女の幻覚と共に、黙って見ているしか出来なかった。
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ぼくがその少女、津出玲子に対して記憶していることは、ごく僅かである。
はっきり言えることといえば、彼女は基本的に明るく、人付き合いも達者であり、それでいながら精神の根っこに、どこか病的なものを持っていたということだけだ。
誤解を恐れず言うならば、ぼくは彼女に、親子ほども歳の離れた少女に愛されていた。
何が彼女の琴線に触れたのかは、本人にしか分からない。ただある日突然、彼女の方から思いの丈を告げられたのだ。
あるいは大学の非常勤講師というぼくの立場も、彼女からすれば付き合いやすさを助長するものだったのかもしれない。
悪い気こそしなかったものの、ぼくは津出玲子に対して、いかなる感情も抱いてはいなかった。
ただ、どうやらぼくは彼女の恋情に対する執念を見誤っていたらしく、一度断ってからの彼女の再アピールには、凄まじいものがあった。
頼んでもいないのに弁当を作ってこられ、他の教員が見ている前で堂々と渡す。
おかげで学長から生徒と不純な関係を築いているのではと勘繰られ、こってりと絞られた。(大学生とはいえ彼女はまだ未成年である)
あるいは、大学の構内にも関わらず、ぼくの腕を取りベタベタと絡んでくる。
どれだけ離れろと言っても悪びれた風さえなく、露骨なボディタッチはどんどんエスカレートしていった。
そして、一週間前のあの晩。
どうやってぼくの住所を知ったのか、彼女はぼくの住む家へ現れ、あろうことかぼくと関係を結ぼうとしてきたのである。
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結論から言えば、ぼくはその晩に彼女を殺した。
愛憎の縺れなどという複雑な理由からではなく、単なる利害の一致からである。
ぼくはぼくに抱いてほしいという彼女へ向けて、ぼく自身の異常な性癖を事細かに説明した。
人知れず蠢く臓器たちへの愛情、その隠微なる淫靡を、である。
ぼくは人を愛せない。ぼくが愛してやまないのは、人の内側にある暗闇だけだ。そう正直に告白した。
それは当然、彼女を諦めさせるための方便の意味合いが強かったのだが、驚いたことに彼女は、それでもなお食い下がってきた。
人の内臓しか愛せないなら、私の内臓を見て欲しい、愛して欲しい。そんな提案さえしてきたのである。
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本来ならそこでぼくは、馬鹿なことを言うなと彼女をたしなめるべきだった。けれど、それが出来なかった。
恐ろしいことに、その時のぼくは彼女の提案に、大きく心を引かれていたのである。
彼女は言う。先生に殺されるなら、私はそれでも構わない。だから先生のそばへずっと居させて欲しい、と。
先生に迷惑をかけないよう、殺した後の死体はどこへ打ち捨てても構わないし、万が一警察にバレたら同意の上での殺しだったと遺書に書いておく、と。
もし捕まってもそれを見せれば、少しは情状酌量の余地があるはずだ。少なくとも、ただの快楽殺人よりは、遥かに。
ξ゚⊿゚)ξ「だからね、先生」
ξ゚⊿゚)ξ「先生の手で、私を殺していいよ?」
( ^ω^)
……ぼくはその甘い提案に、抗いきることができなかった。
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今になって思い返せば、ぼくと津出玲子はその時、大きな勘違いをしていたのが分かる。
ぼくは内臓そのものを愛していた訳ではなく、暗闇においてその使命を忘れず蠢く臓器の、その健気さを愛していたはずだったのだ。
けれどぼくは、誘惑に負けた。
日の光に晒されることのない数多の臓物。それらをこの手で露にして、肉眼で見てみたい。
そんなおぞましい、刹那的な誘惑に、醜い欲望を強烈に刺激されてしまったのだ。
ぼくは無言のまま、津出玲子の細い首に手をかけた。最初から刺し殺しては、さすがに彼女も苦しかろうと思ったからだ。
その間彼女は、抵抗らしい抵抗をほとんどしなかった。その顔には、笑みさえ浮かんでいたような気さえした。
そうして彼女の腹を出刃包丁で割いた後に、ぼくの脳裏に湧いた感情は、後悔などという生易しい言葉では到底足りないものだった。
人を殺した罪悪感より、この少女を生かすと決められていた臓物たちを、無下に散らしてしまったことへの罪悪感が勝っていた。
明るいところで見る臓器は無残なほどに醜悪で、注視に耐える代物ではなくなっていた。
ぼくはこんなものを見るために、人一人を殺してしまったのか。こんなもののために、こんな、こんな……。
ぼくはトイレに駆け込むと、胃の中身が空になるまで何度も何度も嘔吐した。
何度嘔吐しても、足りなかった。
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雨上がりの夕暮れの中を、少女の幻覚と歩く。それは出来るならば、彼女が生きている間にしてあげるべきことだったのだろう。
彼女への謝罪の言葉を、ぼくは持たない。何故ならぼくは、既に罰を受けているのだから。
闇にあって人を生かし続ける美しい器官たちは、日の光の当たる場所にあるだけで、こうも醜悪に変わり果てると知ってしまったのだから。
外へ出ながら結局何も買うことなく、ぼくはぼんやりと家路についた。
帰る道すがらにも、臓器たちはぼくの視界の中から消えてはくれない。ぼくはその事実を、徐々に受け止めつつあった。
我が家まであと僅かというところで、ぼくは自宅の前に、見慣れない車が停まっていることに気づく。
その車の横を通りすがる時、思いがけずその車の持ち主に、声をかけられた。
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( ・∀・)「……内藤文吾さん、ですね?」
その車の運転席から出てきた男……小綺麗なスーツを着こなす利発そうな男は、ぼくの名前をはっきりと正確に発音した。
(,,゚Д゚)「津出玲子失踪事件の重要参考人として、お前の身柄を拘束させてもらう」
もう一人、助手席側から出てきた男……くたびれたコートを羽織った中年男は、ぼくへの要件を簡潔に述べた。
男たちはどうやら、ぼくを逮捕しにきた刑事であるらしい。
とはいえ、今さら抵抗するつもりも、言い訳する気も起きなかった。来るべき時が訪れた、ただそれだけのことだ。
家宅捜索が入れば、冷蔵庫へしまわれた津出玲子のバラバラ死体も、彼女がしたためたぼくを擁護する遺書も、すぐに見つかるはずだ。
そんな状況で足掻いて逃げて、一体何になるというのか。
いっそのこと、ぼくの傍らに佇む幻覚の少女が彼らにも見えていれば手っ取り早いのだが。そんな下らないことを考える余裕さえ、ぼくには在った。
( ・∀・)「彼女が失踪する前、あなたに会っていたかもしれないという証言を得ましてね。少しお話を伺えますか?」
そんな刑事の言葉も耳に入らず、ぼくは改めて二人の男へ視線をやると、その立ち姿をじっと眺めた。
スーツの男の首には大腸が、コートの中年の肩口には頭皮が、この期に及んでそれぞれ引っ付いており、それがなんだか少しだけ可笑しかった。
(,,゚Д゚)「何を笑っている?」
いえ、とぼくは断りを入れ、何気なく空を見上げる。
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( ^ω^)「あ……」
見上げた空の彼方には、真っ赤に照るはずの夕日の代わりに、巨大な髑髏が燦々と輝いていた。
ぼくはもう永遠に、この幻視から逃れることはできない。そんな確信を、ぼくは抱いていた。
<了>
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終わりです。冷静に狂う人間が一番怖いのかも、というお話でした。
(
)
i フッ
|_|
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今回の作品で1番好きだわ、乙
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泣きそう
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乙乙、虚しさがとてもいい
四十七本目
.,、
(i,)
|_|
ガマンできないようです
(やや閲覧注意)
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ζ(゚ー゚*ζ『早く入れてよう』
クソみたいな女だった。
四六時中セックスしていないと気が済まないような女だった。
よく知りもしない男、どころか出会って30分しか経っていない男へも簡単に股を開くような、
どこもかしこも緩みっぱなしのゴミだった。
ゴミは「歩くダッチワイフ」と学部内で呼ばれているのを自覚し、それでもへらへら笑っていた。
( ^ν^)「……」
かたかた。かたかた。
キーボードを打ち込みながら、ディスプレイを見つめる。
文字の羅列を読み流す。
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ζ(゚ー゚*ζ『入れてよ、ねえ。もうガマンできないよう』
会えばすぐにそう言っていた。
映画なんかを見に行っても、大してスクリーンに集中せぬままぼんやりと二時間を消費し、
終わればすぐに俺の手を引いて近くのホテルに入る。
そうして早々に服を脱ぎ、ベッドに転がるのだ。
白状すると、互いに相手の体──ひいては体を合わせる行為──にしか興味がなかったので
手っ取り早いと言えば手っ取り早かったが。
それにしたって、向こうの明け透けさにはしばしば興醒めした。
かたかた。かたかた。
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あいつと関係を持った男の数など、確かめるのも億劫だ。
とにかく誰にでも誘いをかける女だったので。
たまに、勘違いした輩から「俺以外の男と寝ないでくれ」と懇願されるらしい。
本人は深く思い悩んで発したのであろう願いを、あいつは困り顔で他の男に話し、相談する。
「彼氏でも夫でもない人に、そんなこと言われてもね」と。笑える。
あいつからすると、肌を晒してきた男の大多数は恋人でも友達でも知人でもない。
自分を気持ちよくしてくれる棒だ。あいつが必要としているのはそこだけだ。つまり道具。
物を考える頭も言葉を吐く口もよく動く手足も、あいつにとっては棒の付属品だった。
道具から、ましてやその付属品から独占欲を向けられたってどうしようもないのである。
かたかた。かたかた。
それを理解せぬまま、自分は特別だ、あいつの彼氏なんだと
勘違いしてしまう馬鹿は、相当数いたらしい。
何をどうすれば、あんな尻軽に熱を上げられるのだろう。
数十、下手をすれば数百もの男に共有されてきた便所を恋人にしたいと、なぜ思えるのだろう。
向こうはこちらを道具として見ているが、こちらだって向こうを道具だと思っている。
向こうの挙動もこちらの挙動も何もかもどうでもいい。
そういう認識が一番楽で、また、正しくもあるのに。
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その点俺は上手くやっていた。
あれは性欲発散にすこぶる丁度良かった。
女に慣れていない俺のような男の誘いにも簡単に乗るし、金もかからない。便利極まりなかった。
ゴムの着用を徹底させているのは意外だったが、病気を移されるよりはいい。
かたかた。かたかた。
だが、わけもなく苛立たされるような女でもあった。
時折、無性に腹が立つ。
へらへら笑う顔やころころ高い声が神経を逆撫でする。
会う度にそれが増す。
それらが零れないようにと支えていた糸が切れてしまったのは、つい先日。
かたかた。がたがた。
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ζ( O ;ζ『ぉあ゙……っ……ぎ……』
あの汚い声と歪んだ顔は、多分俺しか見たことがない。
細い指を全部折った。あるいは潰した。
ここが弱いの、といつぞや言っていた乳首に針を何本か刺した。
付け根に小さな裂け目が出来るほど舌を引っ張った。手に力が入りすぎて先端がやや潰れていた。
薄汚い穴にはリモコンとかペンとか、入りそうなものを手当たり次第ぶち込んだ。
やめて許して痛い苦しいと喚く度に舌を引っ張っていたら、いつの間にか黙った。
楽しくはなかったが、やらなければならない気がしていたので、そういうことをひたすら繰り返した。
粗方済ませた後、穴から異物を全て抜き取る。
限界まで開かされてもなお異物をくわえ込み続けていた穴は裂けてしまっていた。
ズボンと下着を下ろし、興奮しきったモノを宛てがう。
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( ^ν^)『早く入れてって言えよ。いつも言ってるだろ』
ζ( 、 ;ζ『ぅぎ、ぎぃっ……』
( ^ν^)『言ったら終わりにするから』
ζ( 、 ;ζ『っ、ぃ……いれて、いれてくださいっ、いれて、いれて、いれて』
言う通りにしたので、終わらせてやった。
犯しながら首を締めていたら白目をむいて完全に沈黙した。
整っていた顔は、安物のダッチワイフの方がマシなくらいぐちゃぐちゃだった。
ゴミ女は本当にゴミになった。
細かくしてゴミ袋に小分けする。
ああ、これでこいつ、他の男の相手できなくなったなあ。
そう思った途端に満足した。
ようやく楽しい気分になった。
何故そんな風に思ったのか分からない。
どうせ大した理由じゃないだろう。
どうでもいい。
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がたがた。がたがた。
( ^ν^)「……」
ディスプレイから目を離す。
さっきまで小さく震えるだけだったドアが、大きな音を立てて揺れている。
〈……れて……〉
音に混じって声がした。
あいつが事切れる間際の濁った呻き声に似ている。
〈入れて……入れてよう……ねえ……〉
がたがた。がたがた。
ドアを押さえる、背の低い本棚も揺れていた。
やがてドアが細く細く開く。
そうすると、ますます揺れが激しくなった。
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〈……入れて……〉
こちらが招き入れるまでもなく、もうしばらくしたら、勝手に入ってくるだろう。
ひたり、変色しきった薄い指がドアと壁の隙間から覗く。
俺はディスプレイに向き直り、また無意味な羅列を眺める。
がたがた。がたがた。
がたがた。ぎい。
背後で、ドアが一層開く音がした。
終
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(
)
i フッ
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あぁ……乙
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乙!!
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こえーよ…
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リョナが流行りと聞いて
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ラスト一夜でどんだけ延びるか…
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こわすぎる…
ヤンデレいいね、乙
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あと15分くらいで最終日開催か
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消せない番号のようです
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/16305/1408261228/
投下開始しました。本数カウントは終了後に
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消せない番号のようです
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/16305/1408261228/
四十八本目、終わりました
(
)
i フッ
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個別スレ立てて、ながらはいいんだっけ?
間に合うか分からないから先に立てて置いてOK?
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いいよ
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>>987
個別スレでのながらは可
ただ先に建てておくってのは意味なくね?間に合わん時は間に合わんでしょ
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ありがとう、いけそうだったらあとで立てる
なんか、こう、プレッシャー的なパワーで間に合わせられそう(震え声)
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>>989
百物語が終了する前にスレと蝋燭さえ立てておけば、終了時刻までに投下が完了できなくても参加作品と認められる(であろう)からじゃね?
去年や一昨年にも、百物語が終了してから数日後に完結した参加作品はあったし多分大丈夫だろう
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>>991
あーそういうことかあ 納得したわ
>>987
なんか噛みついたみたいになってすまん
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>>992
謝ることないよ、ありがとう
それよりあなたの後ろの人、誰?
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>>993
やめろよ…明日早いんだからやめろよ…
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皆さん乙乙
だるまさんの対処法覚えとくわwwwww
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投下報告です。
2スレ目にて、四十九本目投下させて頂きました。
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残りじゃ投下難しいだろうし次スレに投下来て紛らわしくなるし埋めよか
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埋めよか
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999
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埋め
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