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( ^ω^)百物語のようです2014( ω )
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( ^ω^)おいすー。今年も百物語の季節がやってきたおね。
( ^ω^)ここは百物語専用スレだお。開催日まではルール確認や質問等、自由に使って欲しいお。
・開催日は八月八日(金)から八月十七日(日)まで
※ただし投下できるのは八日〜十日と十五日〜十七日の金土日のみ。投下期間以外の本スレは作品の感想などご自由に使用してください
・作品はホラーでなくても幽霊、妖怪、人外などが出るならギャグでもなんでも可。
・レス制限は一作品30レスまで。それ以上は個別スレ建てをお願いします。
・ながらはNG。個別スレを建ててそこでやるのは可。もちろんVIPに建てるのもOK。
※個別スレ参加の場合
レス制限無し。
スレ立て
↓
百物語スレにて投下開始報告、URLを貼る
↓
投下終了後、百物語スレにて投下終了報告(その際、前の人の数字を引き継いで話数宣言)
・1人何話でも投下可!
※連続投下→次に投下する人がいないか確認を取り、無ければOK
※作品の投下間隔についてはルールはありませんが少し間を開けることを推奨します
・イラストでの参加も可!一話としてカウントします。
※ただし作品への支援絵は作品としてカウントしない
・開催時間は18時から翌朝7時まで
・話が終わったら本スレ(自分でスレを立てた人はそのスレでも可)で蝋燭のAAを貼る
過去の百物語のまとめ
( ^ω^) ブーン系図書館主催・百物語のようです ( ω )
http://iroirotunpeni.blog11.fc2.com/blog-entry-521.html
( ^ω^)百物語のようです2012 in創作板( ω )
http://boonbunmaru.web.fc2.com/collaboration/dreadful_story/dreadful_story.htm
( ^ω^)百物語のようです2013( ω )
http://mzkzboon.blog.fc2.com/blog-entry-755.html
( ω )なお、こちらは何があっても責任は負いませんので、自己責任での投下、閲覧をお願いいたしますお
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涙が滲む。生理的なものか、恐怖のためか。
左手で首を押さえる。何の効果も得られない。
ああ、もう、無理だ。
ひゅう、と俺が先程よりも強く息を吸い込んだ、その瞬間。
(;^Д^)「──うおおああああああ!!」
プギャーが叫び、ベッドから這い出した。
すぐに立ち上がって病室を飛び出していく。
(;^Д^)「外! 警察!」
単語を2つ吐き出して、それからまたプギャーは叫びながら走っていった。
男が踵を返す。
相変わらず重心の偏った、そのくせやけに素早い足取りでプギャーを追う。
プギャーの声と足音が遠ざかっていく中、俺は1人取り残された。
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(;・∀・)「……げほっ、げほ」
とりあえず咳をして喉をすっきりさせ、恐々、ベッドの下から出る。
──外。警察。
あれは俺に向けての発言だろう。
(;・∀・)(外に逃げて、警察を呼べってことか)
「あれ」が警察でどうにかしてもらえる存在なのかは分からないが、
迅速に駆けつけてくれる第三者の介入は、たしかに必要かもしれない。
慎重に廊下を窺う。
誰もいないのを確認し、病室から出た。
情けないことに、足が震えて走れない。
出来る限りのスピードで階段へ歩いていった。
エレベーターは開きっぱなし。
パネルも、エレベーター内も、光は既に無い。動くようには思えなかった。
(;・∀・)(何で、さっきは……)
湧き上がる疑問は恐怖をも齎してくるので、俺は何も考えないことにした。
ともかく今は、一刻も早く外へ。
階段を下りる。
しかし、踊り場に差し掛かった辺りで足を止めた。
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「……ぁああああ!!」
階下から、プギャーの大声と足音が響く。
奴を引き付けるために叫んでいるのだろう。ということは、奴はまだプギャーを追っている。
差し迫って問題があるとすれば、こっちに近付いていることだった。
(;・∀・)(こっちは駄目か)
このまま下りれば、多分プギャーと鉢合わせる。
そうしたら、彼の努力も虚しく2人で逃げ回る羽目になってしまう。
俺は慌てて引き返した。別の階段から行こう。
ここは3階。高さを考えると、窓から飛び降りるのも難しい。
1階へ下りないことには始まらないのだ。
焦りが足を動かす。いつもの調子とは行かないが先程よりはマシだ。
長い廊下を真っ直ぐ進む。角を曲がる。
暗くて、どこに階段があるのかいまいち分からない。
(;・∀・)(……上がってきた!)
プギャーの声が3階に上がる。
あの階段は4階へは繋がっていない。
そしてあそこからは、いま俺が進んできた廊下くらいしかマトモな逃げ道がない。
きっと、こっちに来る。
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(;・∀・)(ええと……)
俺は走った。階段が見付からない。
背後からプギャーの声が近付く。
いずれ追いつかれるだろう。それは俺のためにもプギャーのためにもならない。
(;・∀・)(一旦隠れよう!)
そうするしかあるまい。
近くの病室に飛び込む。
316号室、というプレートが目に入った。
他の病室よりは、比較的荒らされていない。あくまでも比較的。
扉を閉め、背を預けるようにして座り込む。
しばらくすると悲鳴と足音が病室の前を通り過ぎていった。
足音は2人分。プギャーと、あの男の。
大して走っていないのに、疲労が凄まじい。
心臓がばくばくと跳ね回り、呼吸は一向に穏やかにならなかった。
むりやり頭を働かせる。これからどうする。闇雲に動いても、今のようなことになりかねない。
プギャーはいつまでも走っていられない。
すぐにでも助けを呼ばないと。
なら、いっそ、外に出るのは後回しにしよう。
身を隠しながら警察の到着を待てばいい。
そう判断し、ポケットから携帯電話を出した。
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(;・∀・)「……あ?」
画面は真っ暗だった。
電源を入れる動作をしても、反応がない。
(#・∀・)「──くそっ!」
携帯電話を床に叩きつけ、俺は体を丸めた。苛立ちと不安を抑え込む。
電池切れ。故障。いずれにせよ、何だってこんなときに。
最悪だ。
やはり外に出る必要がある。
たしか病院の近くに電話ボックスがあった筈。
あそこに行けば通報できる。
俺は、割れていない窓ガラスを見遣った。
上手いこと足場になるようなものが外にあれば、窓から逃げられるのだけど。
そろそろと移動し、窓に手をかける。
(;・∀・)「……ふっ! く、うう……」
──開かない。
鍵は掛かっていない。窓をスライドさせれば開く筈だ。なのに全く動かない。
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(;・∀・)「ふざけんなよ、くそっ……」
ベッド脇の椅子を持ち上げる。
少し躊躇してから、思いきり振り下ろした。
重たい衝突音はあったが、手応えがまるで無かった。
何度試しても、割れやしない。
やがて俺は椅子を転がし、膝をついた。
──ぴりり、と。
響いた甲高い音に、肩を跳ねさせた。
ぴりり。2回、3回。
日常で馴染みきった音が、背後から聞こえる。
(;・∀・)「……なんで……」
携帯電話が鳴っている。
さっきは動かなかったのに。
呆然としていた俺は、ようやく我に返ると携帯電話に飛びついた。
プギャーの名前が表示されている。瞠目し、反射的に電話に出る。
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『よう』
(;・∀・)「プギャー! お前大丈夫かよ?」
『ああ、撒いたっぽい』
(;・∀・)「そっか……」
『おまえ今どこ?』
(;・∀・)「悪い、まだ病院にいるんだ……。
──なあ、外に出るより、どっかに隠れて通報してさ、警察待とうぜ」
『そうだな、ひとまず合流しようぜ。どこにいる?』
(;・∀・)「ええと……ちょっと待ってな。
えー……316号室だ」
『316号室』
-
(;・∀・)「おう……。……大丈夫か? 俺がお前の方に行こうか?」
『いや、俺が行くよ』
(;・∀・)「そ、そうか。悪いな、俺もちょっと怖くて……お前から来てくれるなら助かる」
『316号室』
(;・∀・)「うん……なるべく急いで頼むな」
『316号室』
(;・∀・)「……プギャー?」
『316号室』
(;・∀・)「おい、何だよ」
『316ごウしつ』
(;・∀・)「……おい」
『316ごうしつ、316、3、16、』
──プギャーの声が歪み、震え、低くなる。
それは既に、彼の声ではなくなっていた。
『316ゴウシツ、行く、そっち行く、今から、316、しつ、』
-
(; ∀ )「──!!」
携帯電話を放り投げる。
喉がからからに渇いていて、ひい、と引き攣れた声が呼吸に混じった。
今のは。電話の向こうにいたのは。まさか。
316、316と声が吐き出され続けている。
手を伸ばして通話を切ろうと試みたが、さっきみたいに、どこを触っても反応がない。
床に転がる電話をそのままにして、俺は部屋を出るため扉の把っ手を握った。
──それと同時に。
『310』
電話の言葉が変化した。
何故、と考える間もなく、今度は違う音が耳に入り込む。
ぺたぺた。足音。廊下、すぐ近くから。
-
『311』
ぺたぺた。足音が移動すると、電話の声も数字を変えた。
意味するところを悟り、俺はへたり込む。
『312』
近付いてきている。
わざとらしく、ゆっくりと。
足音が進むにつれ、番号も進んでいく。
ついに、315、の言葉と共に、足音がすぐそこまで迫った。
俯く。力の入らない手で、把っ手を押さえる。
足音は、この病室の前で止まった。
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怖すぎる…
-
長い間、誰の声も響かなかった。
俺の死にそうに掠れた呼吸音が聞こえるだけで。
耐えられなくなった。
顔を上げた。
扉に嵌め込まれた、細い磨りガラス。
その向こうに人がいる。
べったり張りついていて、不透明な筈のガラス越しでも、その姿は大体見えた。
真っ白な顔と大きな目と食い縛った歯。
口角は限界まで持ち上げられ。
〈……さんいちろくゥ……〉
その声が背後の電話から聞こえたのか、目の前から届いたのか、分からなかった。
*****
-
そうして誰もいなくなった病院の中に、ぽおん、とエレベーターの音だけが響き渡った。
終
-
(
)
i フッ
|_|
割り込んですまんかった
そして>>405でタイトルからAA消えてた、正しくは「( ・∀・)廃病院のようです」で
-
乙
こわかった
-
乙 漏れた
-
乙でした
二週目に相応しい怖さ
あかんほんと起動しない…(; ´∀`)
霊障かな
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ついに参加者から犠牲者が出始めたか……
-
曰くの十五本目か
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乙!
廃病院っていう言葉だけでも怖いのに…
-
投下します
-
十六本目 かくれんぼのようです
.,、
(i,)
|_|
-
あれは、私が九歳の夏休みだった。
私の住んでいたS町は古い家が多く、私の祖母の家もその一つだった。
当時の流行であったというトタン張りの壁で、屋根には立派な鬼瓦が乗っていた。
普請好きの祖父が自ら間取りを決め、柱を伐ってきて建てたのだという。
もっとも祖母は「台所が動きにくい」と度々こぼしていたが。
-
私は放課後や休日になるとよく友達を連れて祖母の家に遊びに行った。
私の家がある住宅地からほど近い場所にあり、それでいて周りに自然が多く残っていたため、
遊びの種には事欠かなかったのである。
なにより、広くて部屋数も多いその家は、かくれんぼをするのに最適だった。
-
その日、私はプールの帰りに友達を誘って祖母の家に行った。
玄関で私達を迎えた祖母は、型の古い、小さな冷蔵庫からアイスキャンデーを出してくれた。
アイスキャンデーを舐めていると、祖母は
( ,'3 ) 「隣の畑行ってくるすけ、ちっと留守番しててくれや」
と言って、かごを持って家を出ていった。
私と友達は家の中だけで遊ぶということで、お気に入りのかくれんぼをすることにした。
同じ場所で何回も、よく飽きもせずやったものだと思う。
-
(゚、゚トソン 「じゃ、三十数えたらさがしてね」
友達が柱に額をつけて数え始めるのを見てから、私は廊下に出て足音をたてて台所に行く。
わざと足音を出して鬼を迷わせるのが、家の中でのかくれんぼの基本だ。
台所につくと、今度は足音を忍ばせて廊下に戻る。そのまま二階へ続く階段へ向かった。
本当は二階によその人を入れてはいけないのだが、祖母が留守にしている時などは
内緒で友達を二階に上げたりしていた。お転婆な子供だった。
-
階段をのぼりきると、暖かい空気がむわ、と体をつつむ。
二階にある部屋は三つ。母が使っていた部屋と叔父が使っていた部屋、つきあたりに物置がある。
私は全ての部屋の扉を開けた後、階段から一番近い母の部屋に入った。
この家で唯一床が板張りになっている部屋だ。扉を開けておいて、そのかげに座り込む。
友達はもう探し始める頃だろう。
しばらくぼんやりとしていた。雨戸が閉められた部屋は暗く、少し湿っぽい空気がこもっていた。
下からどたどたと廊下を歩き回る音がしている。
-
思うに私達は、長い廊下や広い座敷を好きなだけ走り回れる事が気に入っていたのだろう。
親に怒られることもない。木目の浮き出た床板、うす黄色に焼けた畳の目ははだしの足に心地よかった。
-
なんだかいつもより遅いな、と思った。
もう何回もかくれんぼをしているから、大抵の隠れ場所はわかっているはずなのに。
相変わらず足音はどたどたと家の中を探し回っている。
どたどた、どたどたどた。
(゚、゚トソン 「………?」
そこで私はおかしなことに気付いた。
-
足音の動きが妙に早い。部屋をちらりとのぞく程度の速さで家中を動き回っている。
それに、廊下でなければそんなに大きな音は出ないはずだ。
動き回る足音は私の右下から手前へ通り抜け、家の裏手、風呂場の方に大回りする。
どたどたどた。
そこは、
そこは家の外だ。
-
背中がざくざくと粟立った。
友達はあれに気付いていないのだろうか。いや、そもそも友達が下にいるのかどうかもわからない。
祖母はまだ帰ってこない。
どたどたどた、どたどたどたどた
-
足音は今や家中を止まることなく動き続けている。
音の調子が早い。叩きつける様な大きな足音。
私を探している。
⊂( 、 ;トソン
私はとうとう耐え切れなくなり、せめて開けたままの扉を閉めようと手を伸ばした。
扉に腕が触れる。
その時。
-
どがどがどがどがどがどがっ!!
ものすごい勢いで階段をのぼってくる音。全身が凍りつく。
足音はそのまま突き進み私のいる部屋へ――
ばぁん!!!
強烈な破裂音が響き、真っ暗になった。
-
母の部屋で縮こまっていた私を見つけたのは、友達ではなく祖母だった。
从;'ー'从 「とそちゃん全然見つかんないから、お外いっちゃったのかとおもったよ〜」
外で私を探そうとしたところで祖母が帰ってきて、二階を見てみることになったらしい。
祖母には、見つからないようにずるをして二階に行き、そのまま寝てしまったと嘘をついた。
心配させてと叱られたが、むくれる気にはなれなかった。
どたどたという音が、床板のおそろしいほどの振動が、しばらく体に残っていた。
-
後で聞いたところ、友達は二階にも探しに行っていたらしい。
しかも、部屋の扉は閉まっていて、どこにも私はいなかったという。
最初は物置の奥の方に隠れていて、後から母の部屋に移ったのだと説明した。
友達は少々いぶかしんだものの納得してくれた。
私は結局、足音のことを誰にも話さなかった。
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それからも私は祖母の家に行った。
怖くはあったが、同時に、何かを期待する気持ちもあったと思う。
しかし、何度行ってもあの日のようなことは起こらなかった。
もっとも、かくれんぼはできず二階にも行けなかったのだが。
ほどなくして両親が祖母を家に呼び、同居することとなった。
古い家は祖母の意向で貸に出され、玄関のガラス戸には鍵がかけられた。
それきり私はあの家に足を踏み入れていない。
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そして、祖母が亡くなってから数年後、住宅地拡充のため、その家は取り壊された。
あの日からちょうど十年、私が十九歳の夏のことだった。
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(
)
i フッ
|_|
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乙
本怖的な後味だな
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乙、結局何だろうな、こえーよ
投下させていただきます
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夏のその日その夜中、内藤という男は夜の山にいた。
滑るように軽快に車を走らせ、或いは取り急いでいるようにも見えるが、
とにかく法定速度を無視した速さで駆けていた。
( ;゚ω゚)
そのハンドルを握る手と足は震えて、
流れる汗は車内を充分冷やしている冷房と関係なく沸き上がる。
どこまでも真っ直ぐに伸びる道路に、内藤は早く終れと願い、
出来れば突然にカーブなどが来ないことを祈った。
本当はそんなことを思っている場合では無いことは分かっている。
分かっているが正面の景色に集中する他無い。
というか、正面以外を見たくない。
何かが、迫って来ている。
それも尋常でない程の気配を放ちながら。
.,、
(i,)
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( ^ω^)道路はつづくよ何処までものようです
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ここで話は少し戻る。
内藤が車で軽快に山道を上がっていた時だ。
( ^ω^)「道路はつづくーよー、どーこまでもー♪」
内藤は鬱田という友人が倒れたらしいという話を聞き、急ぎ病院に向かうところだった。
不安がる顔をしては友人にも不安が移ると思い、
心配していた気持ちを片隅に押しやり、歌を歌ってごまかそうとした。
ちょうど山を上りきり、先には直線の平坦な道が見えたので、
内藤は『線路はつづくよどこまでも』の歌詞を文字って、頭だけ歌った。
それから本当に道路が上ることなく下ることなく続いてると察したのは、
一分ほどハンドルを切る事を止めた頃だ。
(;^ω^)「……この山、こんなに平坦な道があったかお?」
内藤は山向こうにある大学に行き、そこで一人暮らしをしているが、
何度か実家や鬱田の家に行くため車で戻ることがある。
だが、ここまで長い直線の道があっただろうか。
不思議に思い、一度路肩に停めて外に出てみようか、
と、スピードを少し緩めようとした。
-
( ;゚ω゚)「っ!?」
.
-
( ;゚ω゚)
……が、スピードは落ちない。
逆にアクセルを踏む足をゆっくりと沈め、どんどん加速させる。
そして最初の時にもどるのだ。
何かの気配は突然襲ってきた。
そしてそれを確認するより前に、脳が逃げろ!スピードを緩めるな!
と警報を鳴らしたので、それに従う他無かった。
実際、内藤の判断は正しかった。
スピードを上げた時から後ろでごうごうと風の音が響き、
その音が唸りをあげ始めたのだ。
いくつもの風の音が混ざり、唸る。
しかも車の後方限定で。
それを必死に引き離そうと内藤はアクセルを踏み倒し続けるが、
音は距離を保ち、追ってくる。直線も未だに変化がない。
それに加えて、対向車の影すらも見えない。
夜中であれど、車の通りはそこそこ多いはずなのに!
と内藤は焦る頭で考える。
-
もうかれこれ五分はアクセルを踏みっぱなしにし、
切らないハンドルを握りっぱなしにしているのに、
そんな状況などなって無いような程になだらかで何処までも真っ直ぐな道路。
ふと、内藤は後ろが気になった。
焦ってはいる。いるが、長いこと同じ状態が続いていたからか、
内藤の心に多少の余裕が出来ていた。
相変わらず脳ミソは警報のオンパレードだが、それにも慣れ、嫌気が差したからかもしれない。
一瞬、正面から目を反らし、バックミラーを覗き見る。
すると、
.
-
顔とも呼べぬいくつもの何かが、
内藤に向けて必死に手を伸ばしあっていた。
.
-
( ;゚ω゚)「うわああああああああああああああああああああああ!!!」
バックミラーの光景から目がはなせなくなり、ハンドルを握る手がぶれる。
車体は大きく揺れ、対向車線に飛び出た事で内藤は意識と視線をとり戻し、
大きく蛇行しつつも、何とかぶつけることなく体制を立て直す。
その後はいやだ、死にたくない、と何度も連呼して、
もう正面から目を反らす様子は無い。
それもそうだ。
内藤が見たものは普段絶対見ないもの。
半透明の血の気が全く無い顔ばかりだったからだ。
目玉が無いもの、皮膚が剥がれているもの、顔がくり抜かれたもの。
それらが口を大きく開け、中には口が裂け、
文字通り口を大きく開けて何かを叫び、
爪や、指や、皮膚が無いその手を我先にと伸ばす事など、
現実ではあっても空想やゲームの中ぐらいだろう。
とにかく内藤はその視線を変えず、ただ前を見ることに集中する。
内藤は内心で前に『何か』が居ないことを本当に感謝していた。
車から、がり、と音が聞こえるまでは。
.
-
( ゚ω゚)「!!」
音が聞こえたのは車の運転席側、側面後方。
少し時間を置いてから、がり、と再び音がする。先ほどより、近い。
がり、と音がする。
音は、運転席の側まで来ている。
今度は、ぎっ、という引っ掻いた音。
内藤の耳元で鳴る。内藤はただ前を見る。
ずり、という音と、嫌がおうにも視界に入ってきた『何か』に、視線が向く。
『何か』は裂けた顔で笑い
その手を内藤の首に向けて、伸ばした
.
-
その時、何処からか吼えるように唸りを上げるエンジンの音が響いた。
音につられ内藤は正面を見ると、大型のバイクが対向車線に現れた。
引き剥がすように煌々と照りつけたライトと一瞬のうちに交差し、その姿を視線で追う。
窓にいた『何か』が居なくなり、気配も消えた事に気づいたのは、
視線を戻した先に見えた、左に曲がる緩やかなカーブを越えた後だった。
( ;゚ω゚)「おわああああああああああああ!!?」
内藤は先ほどの叫びより半ば腑抜けた声で叫びつつ、
アクセルを離し、ブレーキを小刻みに使って、
しばらく対向車線に出たままそのカーブを曲がりきる。
もし対向車線に車が来ていたら即死だった。
内藤はまずそのことにほっとした後、『何か』を振り切ったことに安堵する。
平坦だった道のりは終わりを告げ、緩やかに曲がるカーブと町が見える下りを迎えていた。
.
-
内藤が後で聞いた話によると、あの山では平坦な道が続くと異界へ招かれる、
という都市伝説があるらしい。
そんなことを知ってるのはごく一部の人間だけだが、
内藤は晴れて都市伝説を体験したごく一部になったわけだ。
とにかく、内藤は急ぎ病院に向かうと、鬱田は帰らぬ人となっていた。
鬱田の両親はおいおいと泣き、内藤には申し訳ない旨を伝えるが、
逆に内藤は鬱田の両親に感謝を述べる。
( ^ω^)「鬱田がいなければ、僕もここにはいませんでしたお」
内藤は思った。
鬱田はバイクをよくイジるのが趣味だったことを。
そして、後からではあるが鬱田の家に訪れた際に、
車庫に見えたバイクで確信した。
あのすれ違った大型バイクは、間違いなく鬱田のものだったことを。
そして内藤は、バイクとのすれ違いざまに、
こちらに向けて手を上げていたのを見逃さなかった。
顔はフルフェイスのヘルメットで覆われて見えなかったが、
あれは間違いなく鬱田であると、内藤は思い、涙をこぼした。
-
それから葬儀の準備や何やらでしばらく町に残り、
落ち着いた頃に内藤は大学のある山向こうに戻ることになった。
帰りもまた夜中になり、また車で山を上ることに不安を感じる。
がりがりと音のした運転席側の車の塗装が、何ヵ所か傷が付いていたことも不安の中にあった。
だが、それも杞憂に終わり、少し平坦な道を走るとすぐ下り始める。
あいつは、と内藤は思う。
たしか鬱田は、このバイクでいつまでも走り続けたいなどと昔に言っていた。
ならば、きっと今頃あいつはあの平坦な道を独り占めにして、
異界のやつらにバイクの素晴らしさを語り、飽きるまで走っているだろう。
と、山を越えたあと、内藤はぼんやりと考えた。
('A`)「道路はつづくーよー、どーこまでもー……♪」
(
)
i フッ
|_|
十七本目
( ^ω^)道路はつづくよ何処までものようです
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申し訳ない、
個人的な都合でもう一本いただいて去ります
十八本目
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勇気を出して初参加
投下します
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おっとすいません、やっぱ明日にします
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>>465
すいませんお先にどうぞ
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>>468
ありがとうございます、では……
男はただただ不満だった。
残業漬けの毎日、終わらない部下のミス、取引先に頭を下げる日々。
(#`・ω・´)「それでいて、手取りが20万しか無いんだぞ!」
シャキンと言う男は、顔を真っ赤にして酒をがぶ飲みしながら、
横にいるキャバ嬢に不満をぶつける。
ζ(^ー^*ζ「わぁ、シャキンさん可愛そう、シャキンさん、頑張ってるのにね」
(#`・ω・´)「頑張ってる?……そうだ、俺は死ぬほど頑張ってるのにだ!」
キャバ嬢の作ったような笑顔も、当たり障りの無い返事も、
独り身のシャキンとしては、そんな受け答えでも人を必要としていた。
(#`・ω・´)「今日も部下のミスで金が飛んだ!俺の財布からだ!部下はへーこら頭を下げるだけで済むというのに!」
(#`・ω・´)「金、かね、カネ!世の中金が大正義だ!」
(#`・ω・´)「カネさえあれば、俺は会社を辞めて悠々自適に暮らせるのに!」
シャキンは次のボトルに手を出しながら、半ば怒鳴るようにキャバ嬢に語る。
そうして何杯か飲んでいると、やがてシャキンはキャバ嬢がこちらをずっと見つめていることに気づいた。
ζ(゚ー゚*ζ
(`・ω・´)「……なんだ、今日俺が金を持ってきて無いとでも思ったか?大丈夫……」
ζ(゚ー゚*ζ「いいえシャキンさん、私は貴方の願いを叶えようと思ったの」
.,、
(i,)
|_|
十八本目
(`・ω・´)金に愛されるようです
-
(;`・ω・´)「……は?」
シャキンは一気に酔いが覚めたような気持ちになり、キャバ嬢を見つめる。
キャバ嬢は一度にこりと微笑むと、ポッキーをつまみながら語り始める。
ζ(゚ー゚*ζ「実は私、悪魔なの。ねえ様方が人間の誰かの願いを叶えなきゃ私を追い出すって煩くて」
(;`・ω・´)「……な、何を言い出すんだ急に、悪魔?あれか、小悪魔系女子とかいうやつか?」
ζ(^ー^*ζ「あはは、古いよシャキンさん。私は本当の悪魔なんだよ?」
それからデレは悪魔が至るところにいること、
願いを叶えないと人間にされて早死にすることを噛み砕いて説明する。
シャキンは妙に説得力のある説明に、半信半疑といったところまで心情が傾いた。
(`・ω・´)「……とにかく、君に願えば金が手に入る訳だな?」
ζ(゚ー゚*ζ「うん、すっごい手に入るよ?」
(;`・ω・´)「……嘘じゃないな!?」
ζ(゚、゚*ζ「そこは信じて貰わないと、私も困るかな」
シャキンは目を下に向けて何度か泳がせた後、
やはり半信半疑ではあったがキャバ嬢に向かって、小さく首を縦にふった。
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キャバ嬢はその仕草を受けると、シャキンの手に自分の手を添えた。
ζ(゚ー゚*ζ「……オッケー!シャキンさんはここを出たら、お金がすっごい手に入るようになるよ!」
(`・ω・´)「へ?もう終わりなのか?」
ζ(゚ー゚*ζ「うん!その代わり、死んだときは私が責任もつから宜しくね!」
(;`・ω・´)「し、死ぬのか!?私はまだ死ぬ訳には……」
ζ(゚、゚*ζ「いつ死ぬかはシャキンさん次第だけど、多分、すぐ死ぬわけじゃないよ」
ζ(゚ー゚*ζ「ただ、死んだ時には魂をいただきに来るよってだけだから!」
シャキンはその話を聞き、不安になりながらもキャバ嬢のいる店を出て、家に帰った。
-
翌日、シャキンは出勤する電車の中で百円を見つけた。
(`・ω・´)(……なんだ、金が手に入ると言われたが、こんなものか)
不安だった反面、期待もそれなりに大きくなっていたシャキンはがっかりしながらも、
その百円を拾いあげる。
(;`・ω・´)「……あっ」
と、その百円は手が滑り、空中でくるくると回転して遠くに飛んでしまった。
すると、うつらうつらとしていた坊主頭の若者の頭に百円がぶつかり、
こつ、と小気味良い音が鳴る。
シャキンは顔が青ざめるなか、若者は逆に顔を赤く染め上げ、シャキンを睨む。
(#'A`)「……いてぇなあー、オッサン、いてぇんだけどなぁー!」
若者は抱えたバッグを捨てるように置くと、シャキンへ一直線に向かってきてその胸ぐらを掴む。
(;`・ω・´)「あ、いや、事故だ」
(#'A`)「事故ぉ!?お前、優先席でよろしく眠りこけた俺が気にくわなかったんだろ!?あぁ!?」
(;`・ω・´)「そういう訳じゃ」
(#'A`)「じゃあ言ってみろよオメー!」
すっかり激情した若者は懐からナイフを取りだしちらつかせる。
シャキンのいる辺りが騒然としだした。
-
「な、何をしてるんだ!」
「キャー!誰か、誰かぁー!」
(#'A`)「うるせぇクソ共!黙ってろ!おいオッサン!どういう訳だったんだ!」
(;`・ω・´)「わ、私は」
シャキンは答えに渋るなか、頭では全く別のことを考えていた。
(;`・ω・´)(何が金が手に入るだ!他の運がだだ下がりじゃないか!)
( ・∀・)「おい、お前」
(#'A`)「んだよテメー!今こっちは取り込んで」
( ・∀・)「強盗犯の、ドクオだな」
(;'A`)「……っ!」
突然現れた青年が、若者に名を確認したかと思うと、
瞬時に若者の顔へ拳をめり込ませ、次いで腕を固める。
若者もシャキンも、訳が分からぬ内に事が済み、
ちょうどよく電車の扉が開かれる。
-
( ・∀・)「ちょうど良い、話は署で聞くぞ」
(#ノA`)「いてぇー!離せ、離せクソがーっ!」
ズルズルと引きずられて外に出る若者と、それを引きずる青年。
気味悪がってぞろぞろと客が他の車両に消え、外に出た頃には、
シャキンの周りには誰も居らず、代わりに若者の持っていたバッグが残っていた。
(;`・ω・´)(……まさかな)
シャキンは若者の持っていたバッグをそっと開けたかと思うと、
ひっ、と情けない声を上げてしまう。
何故ならその中には、札束がごっそりと入っていたからだ。
.
-
(`・ω・´)「は、ははは……」
シャキンはそのバッグを持つと、何度か周りに注意を払いつつ、
会社の一歩手前の駅で降り、それを抱えて走り出す。
警察に届けることは、もう頭に無かった。
キャバ嬢に言われた事だけが、今のシャキンを動かしている。
(*`・ω・´)(ははは、あのキャバ嬢の言う通り!俺は大金を手に入れた!)
(*`・ω・´)(もう今日限りで会社は辞めだ!好きな場所に行き、好きな酒を飲む!)
(*`・ω・´)「そうだ、ギャンブルに行っても良い!何せ大金を手にする力がある!」
(*`・ω・´)「やはり世の中は金だ!金が全てだ!ははは……」
シャキンは駅を出て、タクシー乗り場へと走り出す。
たくさんの夢を描きながら。
-
そんなシャキンの夢は、
突如空から落ちてきたアタッシュケースにより、
頭と共に粉砕された。
.
-
(`゚;:.. .:;;..。 ....,,
ζ(゚ー゚*ζ「自家用ヘリでお偉いさんが純金を運んでいたときに襲われて」
ζ(゚ー゚*ζ「ポロっと純金の入ったアタッシュケースが落ちた先が、シャキンさんの頭なんて」
ζ(^ー^*ζ「運が良いのか、悪いのか……でもね?すっごいお金が手に入ったでしょ?」
ζ(゚ー゚*ζ「抱えたバッグを駅の警察署に届けてたら老衰するまでお金に恵まれたのに、本当に馬鹿な人!」
キャバ嬢はシャキンだった塊の側を通り、新鮮な魂を手に取ると、
嬉々として人混みの中へと消えていった。
(
)
i フッ
|_|
(`・ω・´)金に愛されるようです
-
終わりです、譲ってくれた方
ありがとうございました!
ではまた明日に
-
二連発乙
かたや救いの神、かたや死神か
-
割り込み申し訳ありませんでした
投下します
.,、
(i,)
|_|
十九本目
( ゚д゚ )こっちを見ているようです
-
河内ミルナは親の元を離れ、独り暮らしだ。
バイトをしながらの生活でお世辞にも裕福な生活ではない。
貧乏なミルナは今、格安のアパートに住んでいる。曰く付きだろうがなんだろうが安くて寝床と風呂があればそれでよかった。
( ゚д゚ )「疲れたな……」
近所付き合いが無く、寂しくて、職場で叱られ嫌な思いをしてもミルナは幸せだった。生きているだけで幸せだった。
( ゚д゚ )「今日はもう寝るか…」
風呂に入り、飯を食べ、電気を消し、布団に潜る。暖かい布団は疲れきったミルナの身体を癒すには充分だった。
眠れない。目が冴えているのだろうか。しかし身体は疲れきっているし瞼は重たい。
何か違和感を感じる。何だ?
視線…?…誰かが、こっちを見ている?
寒気を感じミルナは天井に目をやった。
( ∵)
天井に浮かぶ大きな顔のようなシミがこっちを見ている。
-
とたんにミルナは可笑しくなった。
( ゚д゚ )「なんだ、ただのシミじゃないか!はははは!」
こんな物を怖がっていたのか。つくづく自分の臆病さには呆れてしまう。
明かりをつけて、まじまじとそのシミを見て、そして安心したミルナはもう一度、布団に潜った。
-
今日も店で働くミルナ。
( ゚д゚ )「ありがとうございましたー!」
バイトも1年は経っただろう。愛想笑いも板についてきた。
( ゚д゚ )
ふと、ミルナは違和感を感じた。昨日の夜感じたような違和感だ。
( ∵)
こっちを見ている。昨日のシミにそっくりな顔をした人が、こっちを見ている。
( うд⊂)
気の迷いだ。疲れてるんだ。そう自分を納得させると、目の前でぽつんと立っていたシミのような顔をした男は消えていた。
( ゚д゚ )「…ただいま…って、誰もいない、と」
ミルナは今日も疲れていた。あのシミのような顔をした人の事で頭がいっぱいだったからだ。
風呂に入り、飯を食べ、いつものように布団に潜る。
( ∵)
やはりこっちを見ている。
ミルナは枕に顔を埋めて眠った。
-
ミルナはバイト仲間の長岡と出掛けていた。
( ゚∀゚)「ミルナさん、腹減ったっすね」
( ゚д゚ )「そうだね」
( ゚∀゚)「昼どうします?」
( ゚д゚ )「…ファミレスとかでいいんじゃない?」
( ゚∀゚)「カレー食いに行きましょ、カレー!」
( ゚д゚ )「じゃあ、そうしようか」
シミの事など忘れていた。
はずだった。
( ∵)「ご注文は?」
( ゚∀゚)「あ、俺ハンバーグカレーで」
( ∵)「ハンバーグカレーがお一つ」
そいつは長岡の言葉に答えている。しかし、視線はこちらをじっと見つめている。
( ゚д゚ )「…お、俺帰る」
( ゚∀゚)「へ?」
( ゚д゚ )「ちょっと…気分悪くなっちゃった」
( ゚∀゚)「そりゃないっすよ!今日はミルナさんのおごりで…」
( ゚д゚ )「金は置いとく!」
ミルナは5000円札をテーブルに置き、店から逃げるように走った。
( ゚∀゚)「ちょw何なんだよww」
川 ゚ -゚)「ご注文を繰り返します、ハンバーグカレーがお一つ、以上でよろしいですね?」
( ゚∀゚)「あ、はい」
-
何で、何で、何で。
ミルナの頭にはその言葉しか無かった。
家に帰った。そして枕に顔を埋めた。
ピンポーン
チャイムが鳴る。
ミルナは恐る恐るドアを開けた。
( ∵)「あ、どうも…お届けものです」
あいつだ。
( ∵)「印鑑お願いします」
まただ。
ミルナは足早に印鑑を押して、すぐにドアを閉め、布団に潜った。
いつの間にか寝てしまっていたようだ。空が暗い。
ミルナは布団からもぞもぞと出て、時計を見た。
夜2時。
ミルナは視線を感じた。
( ∵)( ∵)( ∵)( ∵)( ∵)( ∵)( ∵)( ∵)( ∵)( ∵)( ∵)( ∵)
一つではない。たくさんの目がこちらを見ている。
ミルナは怯え、泣きながらもう一度布団に潜った。
-
ミルナは今日も仕事に行く。何があろうと決して休まない。それはミルナが子供の頃から続けていた事だ。
( ゚д゚ )「おはようございます……」
( ∵)「あっ、ミルナさんおはようっす!昨日のカレー美味しかったっすよwwwwwミルナさんも帰らなきゃ良かったのにww」
( ∵)「河内さん…少し、やつれてませんか?」
( ゚д゚ )「うわぁぁぁぁぁぁ!!」
ミルナは店から抜け出した。怯え、恐れ、半泣きで雨の中を走った。
( ∵)
ここにも。
( ∵)
そこかしこに。
( ∵)
あちこちに。
そいつはいた。
( ゚д゚ )「あ…ははは…あはははは…」
ミルナは狂ったように笑い出した。
-
( ゚д゚ )「あ…ははは…あはははは…あはははははは」
ミルナはもう笑うしか無かった。
そして、恐怖から逃れようと
目を、潰した。
-
内藤ホライゾンは親の元を離れ、独り暮らしだ。
バイトをしながらの生活でお世辞にも裕福な生活ではない。
貧乏な内藤は今、格安のアパートに住んでいる。曰く付きだろうがなんだろうが安くて寝床と風呂があればそれでよかった。
-
( ^ω^)「疲れたお…」
近所付き合いが無く、寂しくて、職場で叱られ嫌な思いをして、内藤は疲れきっていた。
( ^ω^)「今日はもう寝るかお…」
風呂に入り、飯を食べ、電気を消し、布団に潜る。暖かい布団は疲れきった内藤の身体を癒すには充分だった。
眠れない。目が冴えているのだろうか。しかし身体は疲れきっているし瞼は重たい。
何か違和感を感じる。何だ?
視線…?…誰かが、こっちを見ている?
内藤は天井に目をやった。
( ゚д゚ )
天井に浮かぶ大きな顔のようなシミが、こっちを見ていた。
-
(
)
i フッ
|_|
( ゚д゚ )こっちを見ているようです
-
おつ
画面をネガ反転して読むとそれっぽい雰囲気出ていいな
-
あーこういうの弱い、つーか怖い
乙!
-
最後やめてーって思った…乙でした
投下いけますかね、怒濤のホラー連続に勢いを感じますが
-
というわけで二十本目頂きます
-
張り忘れた…
.,、
(i,)
|_|
二十本目
-
ーー 君たちは御存知か?
世の中、目には見えないものが最も恐ろしい
仮面を被った化け物達が
あちらを向けば微笑んで
こちらを向けば牙を出す
: : : : : : : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
_i___ : : : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
l _l__l_,_|_ __i____l_
ニ*ニl i |_ | | l ̄ ̄ ̄ ̄lニl| _| |◆◆○○重工| ____
|.:.:.:::::::| _|三三|::::::l___l| | |LLLLLLLLL| | | ̄ ̄= ̄ ̄ ̄= ̄||=|i□iニll
|.:.::::: l-i*鼹*i===i*、 *鼹顗*| | ̄| _,|LLLLLLLLL| | ii|ココココココココココココl|l ̄ ̄ ̄l|
|.: :: | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ll ̄ ̄ l| |_| _|_lコニニl_ LLL|三ll]| ii|ココココココココココココl|ロロロロロロ|
|::: : |ココココココココココlil-*鼹*l| |/ |LLLLLLLLL|l*鼹鼹顚* | ii|ココココココココココココl|ロロロロロロ|
| |ココココココココココlil_-**l| |lニl |LLLLLLL_iニニニニllllii|ココココココココココココl|ロロロロロロ|
__ |コココココl,___ _,-−| |三 |LLLLLLl______ \ lココココココココココl|ロロロロロロ|
|=| |=|_ / __/l ̄ /| | _|__ LLl| = = |lニニllニニlコココl|ロロロロロロ|
`´ `´ / |lニニニll/i //| / / //´ ̄`ヽ | _ .:.:.:::::::::::::::::|| || l\l l|ロロロロロ__
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/__,/ | LLLLl|/l|v" == | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ l|:::..:.\\
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|________,|/ | LLLLl|/l| |__|__|__|__|__|__|__|__|__|__| |
そう、奴等は堂々と潜んでいるんだ
気を付け ーー
.
-
ガツン!
<_プー゚)フ 「イテッ!」
ξ#゚⊿゚)ξつ|「うるっさいわね、いま何時だと思ってんのよ!」
<_プー゚;)フ 「あ…ドーモスミマセン…」
|そ 「まったくぅ!」ピシャッ
<_プー゚)フ 「……。 おっかねえ」
俺は頭上三階から降ってきたハーモニカに何故かささやかな物理ダメージを受けながら、
ラジオに備えられた録音モードを解除する。
あのくそアマ。
マンションの中庭でこんな歯痒い思いをしてる自分に嫌気がさす…
こんなんじゃなかった、こんなはずじゃ…
-
( ^ω^)つ| ガラッ
今度は頭上二階のベランダ窓が開いた。
しまった、俺の怨念じみた声が漏れていたか。
<_プー゚)フ 「…すすすみません、うるさかったですか?」
(;^ω^)「いや…固い音がしたから大丈夫かなって」
ちょうどさっきの女の真下に住むコイツは俺を気遣ってくれる良い奴だ。
入居した時からそう思っていた。
<_プー゚)フ 「はい、ダイジョーブス、スンマセンッした」
(;^ω^)「そうかお。 …なら」
(;^ω^)「………えーと、あのー」
(;^ω^)「次うるさくしたら塩まいて庭にすらいられなくしてやるお」
|そ ピシャッ
<_プー゚)フ 「……優しすぎるぜ子豚ちゃん」
奴の場合はぎりぎりルールに基づいて言ってるだけってのが分かる。 だから気にしない。
ちくしょう、
そもそも俺がまいた種ってのが悔やまれる……
-
俺が計画し建てたマンションがやっとのことで完成した時、
あたまいー俺はこの建物に住む住人にルールを課すことにした。
ごみの捨て方、設備不良対応、夜間騒音禁止…
そして、一番力をいれたのは
<_プー゚)フ 「このピラミッド型いいなー!
よし、一番上に住む奴から順に偉いってことにするぜ、だっはっはー!」
ーー そう、ヒエラルキーの構築。
オーナー兼管理人の俺はマンション最上階のフロアに暮らすことになってたからな。
DQNやモンクレ共が入居しようもんなら
さっさと追い出す作戦とか…
とにかく色々考えてそれを考案したんだ。
そしたらその日、
まさかの俺は車に轢かれて死んだ。
よもや道路向かいのコンビニに行くまでに死ぬとは思わなかった。
玄関開けたら二秒で死亡!
ーー って、…居るか? 他にそんなやつ。
ちょっと長めの屁が出てるくらいの時間で大切な人が目の前で死ぬ想像、貴方にできますか?
<_プー゚)フ
っても独身だし、その結果がいまの俺だし。
まあいいよ、前向きにいこうぜ。
ーー そんな風に思いながら、俺は自分の言葉を蔑ろにするように上を向く。
いま前向いたって壁しか無えからな。
-
俺の生きた証となってしまったマンションは三階建て。
以前、ここにあった平屋アパートを取り壊して一から建て直した新品だ。
それぞれ2LDKほどの広さがあるからけっこう大きいと思う。
一階に5部屋、
二階に3部屋、
三階には1部屋しかない。
な? ピラミッド型だろう。
そしてその最上階こそが、
死してなお君臨する俺の城なのだ。
<_プー゚)フ 「ぶっちゃけ羨ましいだろが。 そんな生活」
えっ…さっきの女は三階に居なかったかって?
ノンノーン、あれは三階じゃないってば。
"頭上三階" 。
<_プー゚)フ 「わかんない?
まってな。 いま図にするから…」
-
中庭に敷いてある砂利から大きめの石を見繕う。
この石→■一つ一つが部屋だと思って見てくれたまえ。
これが俺のハンサムマンションだ!
~~~~~~~~~~
空
■■■■■
\■■■/
〝 ̄■ ̄
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 地上
<_プー゚)フ
<_プー゚)フ 「いや、別に書き間違えじゃないからね」
-
これには海より深い理由がある。
当然のことながら元々は普通のマンションだった。
とある日、住人がテレビを見て大爆笑した。
よくいない?
笑うと猿の玩具みたく手ぇバンバン叩き出すやつ。
…そのうちそれがちゃぶ台を叩き出し
ついには床を叩き始めた。
抱腹絶倒だよ。
いや、いいんだ、それはさ。
俺だって生前よくなったよ恥ずかしながら。
……問題はマンション住人の全員が一斉にそれをやったことだ。
マンションちゃんも驚いただろうな〜
胃袋のなかで一斉に物が弾けたようなもんだし。
その衝撃に驚いたマンションちゃんはひっくり返った!
…それ以来、俺の部屋は最上階から最下階になってしまった。
俺のヒエラルキーも一変してパシリ扱いさ。
.
-
\
川 ゚ -゚) □ <シッテル? コウツウジコハ…
/
川 ゚ -゚) 「おーい、エクスト」
<_プー゚)フ 「はーい」シュイン
川 ゚ -゚) 「テレビを面白くしてくれ」
<_プー゚)フ 「…はい?」
川 ゚ -゚) 「二度は言わん。 やらないのか?」
<_プー゚)フ 「は、はいヤリマス」
シュルルー □<エクスト電子侵入〜!!
\
川 ゚ -゚) □ <ソーノーチーノーサーダーメー♪
/
\
川 ゚ -゚) □ <ジョー! ジョー!
/
\
川 ゚ -゚) □ <テレーレレー♪ テレーレレー♪
/
\
川# ゚ -゚) □ <オシッコモレター オシッコモレター♪ テテーン!!
/
…とり憑いたテレビごと窓から放られたり
-
(´゚ω゚`) 「エクストぉー!」
<_プー゚)フ 「はい」シュイン
(´゚ω゚`) 「我慢の限界だぁ!」
<_プー゚)フ 「…えっ」
(´゚ω゚`) 「俺は垂れ眉なんかじゃないよねぇ?!」
<_プー゚)フ 「……ソウッスネ」
<それはどっちのソウッスネだー?!?!
<スンマセン肯定ッス! ゼッゼ垂れ眉ジャナッス!!
…追い出せなくなった薬中ヤンキーにボコられたり
-
( ´_ゝ`) |(´<_` )「ふーむ」
( ´_ゝ`) |(´<_` )「ガラスに映るとまるで兄者を思い出すな」
(σ´_ゝ`)|(´<_`a) ポリポリ
ソトカベ フキフキ
<_プー゚)フ
( ´_ゝ`)|(´<_` )「…少し窓が汚れてるのかな」
ソトマド フキフキ
<_プー゚)フ|(´<_` )
( ‘_⊃`) |(´<_` )「……」
<_プー゚)フ
ソトカベ フキフキ
( ‘_⊃`) |(´<_` )「……」
(б ‘_⊃`)|(´<_`a) ポリポリ
<ちゃんと拭け余計に滲んでんだろがー!!
<ッセン!! ヤリッス! アッシタ!
…管理人として仕事してただけなのに
理不尽に怒られたり…
-
ノパ⊿゚) っ≡つ シュッシュッ
ノパ⊿゚) 「うーん、もしかして」
ノパ⊿゚) 「エクストぉぉ!」
<_プー゚)フ 「なんですか」シュイン
ノパ⊿゚) 「今度ボクシングの試合があるんだ、スパーリングしてくれないか?」
ノパ⊿゚) 「エクストなら物理的に強くはダメージ通らないから怪我しないし、いいだろー?」
<_プー゚)フ 「あ、なるほど、おーけーです。
そーゆーのなら当方いつでもウェルカムです」
ノハ*゚⊿゚) 「サンキュー!」
<喰らえっ!新技バーンナッコゥ!
<コノママデハオワランゾーッ
…そのまま殴ってくれたらいいのに属性帯びてくるし…しかも古いし…
-
こないだなんてエントランスを箒掃除してたら…
<_プー゚)フ ザッザッ
(^ω^ ))) 「あ、どうもー」
<_プー゚)フ 「あ、おはようございます」
<_プー゚)フ 「暑いッスねえ」ザッザッ
(^ω^ )「ええ、参りますお…ではいってきますお」
<_プー゚)フ 「いってらっしゃ〜い」
ω^ )))
)))
<_プー゚)フ ザッザッ
<_プー゚)フ 「……」
<_プー゚)フ 「なにこの胸の虚無感?」
…何もされない事に安心より不安を覚えるとか
-
<_プー゚)フ 「これ洗脳されてるでしょ、間違いなく!
犯罪者がよく使う手だよ!」
<_プー゚)フ 「だからね、俺はまた復権したいんだよ!
頼む、マンションをもう一度ひっくり返してくれ!!」
気が付けば俺は土下座していた。
もう今の暮らしを長く続ける自信が無くなって…
誰かに、誰かに…
助けてもらいたかったんだ。
(,,゚Д゚) 「ニャア〜…」
ミ,,゚Д゚彡 「ミャー?」
<_プー゚)フ 「マンションができる前からこの辺を牛耳ってるお前達野良猫なら、何か良い手を知ってるだろ?!
頼むなんとかしてくれ!」
(,,゚Д゚) 「ニャ」
ミ,,゚Д゚彡 「ミィ?」
(,,゚Д゚) 「ニャニャー、ウニャア」
ミ,,^Д^彡 「ミャ!」
(,,^Д^) 「ニャッハッハ」ミ^Д^,,彡
<_フ;ー;)フ 「ちくしょう全然言ってることわからねええぇーー!!」
\ / \ /
ドッ ヨッ ナカムラヤッ
ξ#゚⊿゚)ξつ|「毎夜毎夜うるせえってんだろがーー!!」 ガラッ
-
<_プー゚)フ 「くそ〜…おちおち作戦会議もできやしない」
文句は言えど、管理人としての職務を放棄したりはしない。
俺は今日もエントランスの箒掃除から一日をはじめる。
ホウキだけに…ぷぷ。つまんね〜()笑
( ・∀・) 「ああ、オーナーさん。
お世話になってます」
<_プー゚)フ キリッ 「これはモラハウジングサポートのモララーさん。
こちらこそどうも」
( ・∀・) 「ちょうどいい、本日は新規入居希望者を案内しにきまして」
('A`)「…ど、どうも」ペコリ
賃貸情報のチラシを持った気弱そうな男だ。
いつもなら収入増の喜ぶべきシーン。
だが、いまの俺には ーー
<_プー゚)フ 「新規って…」
( ・∀・) 「ええ、まだ空いてる二階の部屋を見てみたいとの事で」
<_プー゚)フ 「え、大丈夫? ヒエラルキーは二番目になるけど…」
('A`)「は、は、はい。 チラシにも書いてあるから確認してます」
-
本来一階に住んでいた最下層の奴等が
マンションひっくり返り事件によって三階にランクアップしたせいで
日に日に悪化する治安…
こんなひ弱そうな男がいじめられないか、心配ですよ俺は。
( ・∀・) 「なんせ築浅1年ですからね、人気があるんですよ」
<_プー゚)フ 「それならもっと早く全室埋まるだろjk…
ちょっとそのチラシ見せてもらえます?」
('A`)「あ、はい」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
建物名:プラズマンションext
二階:門部屋(三階建) エレベータ:無
築:1年 家賃:8万円 共益費:0円
▼ヒエラルキー制度導入による
新感覚ネイチャー人生RPG爆誕!!
【総ての過去を無かったことにする】
管理人が24時間巡回で単身女性も可
陽当たり良好な安心オートロック!
※オーナー、成仏寸前ですww
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<_プー゚)フ 「おいこら」
( ・∀・) 「色々書き直したらソッコーで内見希望者が殺到しまして」
<_プー゚)フ 「だろうね、家賃8万とか
俺そんなん聞いてないし」
('A`)「突っ込むところそこなんですね」
-
<_プー゚)フ 「まあいいや、死んでから飯とか食わないから俺にかかる食費光熱費0だし」
( ・∀・) 「さすがオーナー。ご立派」
<_プー゚)フ 「ところで中見るのはいいけど…
君は学生さん?」
('A`)「は、は、はい。 父さんが土木建築関係で、それを継ぐための学校が近いんです」
ーー 俺はピーンときた。
Mr.ピーン。 足もピーンよ。 俺もう足無ぇけど。
<_プー゚)フ 「家賃8万でもいいけどさ…
かわりに相談させてほしい。
このマンション実は "逆" なんだよ、
こういうの落とせるもんかな?」
俺は口頭で説明しながら両手を広げ指さし、
二、三階の両脇部屋を大地へと降ろす。
このデカブツをまたひっくり返すのは無理でも
フロアの部屋数さえ元に戻れば、理由をつけて住人を割り振り直せるはずだと考えた。
(;'A`)「? ぎゃ…えっ?!
えっと、はあ…
物理的に可能ならできると、思いますけど…」
<_プー゚)フ 「よし! ではお父上をご紹介してくれ早漏!」
('A`)「!! なぜそれを!」
( ・∀・) 「オーナー、慌て過ぎて言葉遣いがおかしくなってますよ。
ドクオさんも候違いで語尾に強く反応しないように。
…いやあとにかく良かった、では契約書作ってくるのでドクオさんはまた後で」
-
<_プー゚)フ 「ささ、どーぞ内見してやって下さいな」
('A`)「…本当に築浅なんですね、ピカピカだ」
<_プー゚)フ 「そりゃあもう。
なんせ建ててすぐ俺が死にましたから」
(;'A`)「完全に事故物件じゃないですか
…しかも珍しいタイプの。
あ、過去を無かったことにするってそういう…」
<_プー゚)フ 「ねえねえ、ところでさ」
('A`)「は、はい」
<_プー゚)フ 「あのチラシってどこで見たの?
お店で渡されて?」
('A`)「家にポスティングされてましたけど」
<_プー゚)フ 「風評被害届出してもバチあたんねぇなこれ」
('A`)「心中御察しします」
<_プー゚)フ 「いや釣られてここに来た時点で、君もある意味同罪だから。
…まあいいや、今夜同じ二階の人と顔合わせするかい? その人は好い人だよ」
-
m9゚ー゚)フ 「ーー と、いうわけで夜です」
( ^ω^)「誰に向かって…?」
('A`)「な、なんだかすみません、おお、お呼ばれしてしまって」
( ^ω^)「いいんだお、独り身だし人とご飯するのもたまには楽しいから」
<_プー゚)フ 「はい、ではマンションひっくり返して復権しちゃおう会議〜!」
ドンドンパフ♪
('A`)「オーナーさんていつもこうなんですか?」
(;^ω^)「普段はぎゅうぎゅうにおさえ付けられてるから…」
<_プー゚)フ 「何を仰るブーンさん!
貴方も二階住人として本来なら俺の次のヒエラルキー位に立ってるはずなんですよ!」
(;'A`)「…お、横暴さが透けてる!」
(;^ω^)「うーん…ストレスだおきっと」
<_プー゚)フ 「ところで、早速ですが提案です。
ご飯を食べながら楽にして聞いてもらいましょう」
生前の俺は煌めく頭脳を遺憾なく発揮し、
若くして不動産を所有した経歴の持ち主。
そう、一連の作戦はすでに頭に浮かんでいるのだ。
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