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(‘_L’)は命令が欲しいようです
58
:
名も無きAAのようです
:2014/06/26(木) 06:06:18 ID:7IUNAGs60
('、`*川「アンタが欲しいってさ。どうする?」
ペニサスの取引相手だった。受け渡しが終わったのに、まだその場にいる。フィレンクトの交渉をしたらしい。
('、`*川「「いい条件じゃない?ちゃんと使ってくれるってよ」
フィレンクトは沈黙している。その権限は彼にない。ジョルジュが命じるなら素直に受け入れるが。
('、`*川「何人いた?」
(‘_L’)「四人です」
('、`*川「あらら。けっこう本気で狙ってきたわね」
('、`*川「アタシが何をしてるか、知りたい?」
(‘_L’)「はい」
彼女の行動を、ジョルジュに報告せねばならない。内容は主人が判断することだ。
('、`*川「教えない」
にこにこと嬉しそうにいじわるされる。
彼女はフィレンクトがジョルジュのために動くことを、邪魔するのが好きだ。
(‘_L’)「そうですか」
('、`*川「もっとねだりなさいよ。口説くみたいに。そしたら教えたげる」
そう言われるが、どのようにしてもペニサスは口を割らないだろう。
代わりに嘘も言わない。それを悟ったのでフィレンクトは何も言わなかった。
59
:
名も無きAAのようです
:2014/06/27(金) 02:22:55 ID:TIjqCXDI0
しえん
60
:
名も無きAAのようです
:2014/08/18(月) 21:28:10 ID:RDT23Eiw0
支援
61
:
名も無きAAのようです
:2014/08/26(火) 16:28:10 ID:ytzCl5C20
待っておるよ
62
:
名も無きAAのようです
:2014/10/04(土) 18:02:11 ID:S4N5dkbU0
_
( ゚∀゚)「似合ってるな」
元々薄い顔立ちで、さらに表情豊かでもない。仕事着としてスーツしか着てこなかった。その評価は妥当なものだろう。
フィレンクトは今日のできごとを報告する。一からすべて。ペニサスとの会話。
店員の様子、取引の相手、暗殺の男たち。さすがにオーダーメイドのくだりになると苦笑した。
63
:
名も無きAAのようです
:2014/10/04(土) 18:02:53 ID:S4N5dkbU0
_
( ゚∀゚)「つけられた?」
(‘_L’)「いいえ監視です」
_
( ゚∀゚)「どう違う」
*鼹鼹鼹*
(‘_L’)「我々の居場所よりも行き先が目的です」
辻馬車の利点は窓が大きく通りを一面みることができた。移動手段はすべて馬車のため、待機の間は車と違って人が居ることは少ない。
排気ガスの心配がないため窓にガラスはなく、冷気も入れられないので走らせないと中は蒸して暑い。
行きも帰りも、同じ馬車が同じ場所で人を入れたまま居るのはかなり不自然だ。
64
:
名も無きAAのようです
:2014/10/04(土) 18:03:39 ID:S4N5dkbU0
誰かを待つなら、近くの喫茶に入ったほうがいい。以上の推論からフィレンクトは何者かによる監視だと報告する。
ペニサスかフィレンクトか。
どちらが目的かはわからないが。
*鼹鼹鼹* _
( ゚∀゚)「恐ろしいな……」
先行きの不安よりも、目の前の淡々とした男は食事中に人を殺して、帰りに怪しげな馬車を見抜いてしまう。
その能力の高さが何より恐ろしい。
今更ながらジョルジュは幸運だった。
フィレンクトに主人がいたまま相対していたら、いまごろ簡単に死体となっている。
65
:
名も無きAAのようです
:2014/10/04(土) 18:04:23 ID:S4N5dkbU0
_
( ゚∀゚)「ペニサスを狙った相手の目的はなんだ?」
(‘_L’)「わかりません」
教えてもらえなかったし、情報を引き出すには手段も道具も足りなかった。
_
( ゚∀゚)「しょうがない。あいつにもあいつの思惑があるだろうしな」
66
:
名も無きAAのようです
:2014/10/04(土) 18:05:08 ID:S4N5dkbU0
一つだけジョルジュに話していないことがある。
67
:
名も無きAAのようです
:2014/10/04(土) 18:05:54 ID:S4N5dkbU0
('、`*川「それ、高かったんだから。ちゃんと着なさいよね」
ペニサスにそう言われたが、このスーツはフォーマルなもので、着る場所は限られる。前の主人たちならばいくらでも場を作れたが、今の状態では機会は恵まれないだろう。
下着とスーツ一着。あれほどジョルジュと共有することに嫌悪をみせたペニサスだったがフィレンクトに与えたのはこれだけだった。
('、`*川「必要ないんでしょ」
酒に酔って頬に赤みがさす。いつもなら表情がころころと変わる女だったが、その時は表情をなくしていた。
68
:
名も無きAAのようです
:2014/10/04(土) 18:06:41 ID:S4N5dkbU0
('、`*川「アンタはジョルジュより先に死ななきゃ駄目よ?それが嬉しいんでしょ?仕事になるんでしょ?弾よけでいい。できるだけ頑丈になりなさい。」
('、`*川「少しだけ同情されてるだけ。あいつこそバカだから。八虫類に恐怖を教えたいだけなの。わかった?」
('、`*川「これから死ぬ人間に、多くは要らないの。アタシからのプレゼント。できたら血塗れにしてね。生地に栄えるわ」
('、`*川「あいつきっと怒るわね。口だしするなって。バカなのよ。バカなんだから、仕方ないじゃない」
69
:
名も無きAAのようです
:2014/10/04(土) 18:07:23 ID:S4N5dkbU0
フィレンクトは悩んだが、結果ジョルジュに伝えなかった。一つにペニサスの感情、思考がジョルジュを害するものでも邪魔するものでもなかったからだ。
以前にも、主人の陰口を聞いたことがあったが聞かれるまで告げなかった。
もう一つに、主人とても近しい交友関係の場合決定的な裏切りが見つからないかぎり愚痴は見逃すことになっている。
たわいない文句も、第三者からの口で聞くと別の意味に聞こえてくるからだ。フィレンクトはそれを考えてやめた。
ペニサスは忠誠に似ている感情をジョルジュに抱いている。それで十分だった。
70
:
名も無きAAのようです
:2014/10/04(土) 18:08:59 ID:S4N5dkbU0
ーーーーーーーーーーーーーーーー
71
:
名も無きAAのようです
:2014/10/04(土) 18:10:01 ID:S4N5dkbU0
爪'ー`)y「何が食いたい?」
何でも。と答えると不機嫌になるので、彼の好きなものを答える。
爪'ー`)y「肉と魚、野菜。この三つが全部で理想だ。おまえいい加減自分の好みを覚えろ。」
連れられていくのは高級な店ばかりだった。彼は自分に惜しみなく与える。
72
:
名も無きAAのようです
:2014/10/04(土) 18:10:45 ID:S4N5dkbU0
服も、食事も、部屋も、武器も。必要な時以外は置物としてしか動かない自分に、際限なく話かける。
食事もレーションがあればそのほうが効率がいいのだが、せっかくマナーを知っているのだからと隣に座らせた。
爪'ー`)y「成り上がりに必要なのは品格なんだと」
用意される事情通の店でなく、一般の高級会員向けに通うことを好んでいた。
ためされることで、彼はスキルを学んでいる。
73
:
名も無きAAのようです
:2014/10/04(土) 18:11:29 ID:S4N5dkbU0
爪'ー`)y「なにもかも終わったらお前を返さなきゃならん」
契約は急だった。
ある日突然彼の元に送られた。七つのビルに、海を渡って。
爪'ー`)y「そら、うまいか?」
レア・ステーキ。些細な火加減で味が微妙に変化する。だが自分には成分はわかっても、旨みがよくわからない。ビタミン・ミネラル・亜鉛。脂質の高いほうが、美味とされる。
74
:
名も無きAAのようです
:2014/10/04(土) 18:12:17 ID:S4N5dkbU0
爪'ー`)y「お前は銃だ。オールマイティ。
使い方さえ知っていれば、誰にでも扱える」
肉の味。付け合わせのポテト。それから芳醇なワイン。
爪'ー`)y「だがもし銃に意志があったら。
お前がそのままに意志があったら。」
彼の話はいつも難しい。呼吸することと同じようにしか、自分は動けない。
彼が望むことならすべて従う。けれど、それは彼が欲しいものではないようだ。
爪'ー`)y「せめて嘘のつきかたくらいは覚えろ」
その命令に、はいと答えた。
75
:
名も無きAAのようです
:2014/10/04(土) 18:13:05 ID:S4N5dkbU0
ーーーーーーーーーーーーーーー.
76
:
名も無きAAのようです
:2014/10/04(土) 18:14:01 ID:S4N5dkbU0
目が覚める。
規則正しく、いつもと同じ時間。
記憶の反復。夢ではない。過去だ。
前主人との会話。結局何をさせたいのか、わからないままに終わってしまった。
着替えて、朝の日課を行う。窓をあけて風を入れ、掃いてから雑巾でほこりをぬぐう。
77
:
名も無きAAのようです
:2014/10/04(土) 18:14:48 ID:S4N5dkbU0
着替えて、朝の日課を行う。窓をあけて風を入れ、掃いてから雑巾でほこりをぬぐう。
ジョルジュからは相変わらず仕事の命令をもらえない。
ペニサスとの事を思い出す。
少数だが片づけた。フィレンクトは役にたったろうか。
ジョルジュはなにもかも主人たちと違う。
殺しを命じてくれない。物のように扱ってくれない。放置することもない。
彼のおかげで困惑することが増えた。考えることは苦手だ。それは主人の仕事だった。
78
:
名も無きAAのようです
:2014/10/04(土) 18:15:31 ID:S4N5dkbU0
_
( ゚∀゚)「手伝え」
キッチンに行くと珍しくジョルジュが起きていた。着てるものの様子から、寝ていないようだ。
階段を降りて、持たされた荷物を運ぶ。
塀の外に、組まれた木があって中に炭が燃えている。それにあふれるほど家にあった雑貨をつぎつぎ投げ込んだ。
79
:
名も無きAAのようです
:2014/10/04(土) 18:16:14 ID:S4N5dkbU0
小さなぬいぐるみ。リボンの花。目覚まし時計。キノコの電球。編まれたショール。小説。女物の靴。ヘアバンド。
生活する上で必要なものも、かまわず燃やしていく。塩化ビニールが、黒煙をだした。カラフルな彩りは、焦げて色を失っていく。
炎がひときわ大きく燃えあがった。わずかにガソリンの匂いがする。
80
:
名も無きAAのようです
:2014/10/04(土) 18:17:11 ID:S4N5dkbU0
_
( ゚∀゚)「お前生まれはどこだ」
(‘_L’)「わかりません」
_
( ゚∀゚)「家族は?」
(‘_L’)「わかりません」
カチカチ。ジョルジュはシリンダーをいじっている。彼の癖なのかもしれない。
みたことがあった。ライナスの毛布。
無自覚の、精神の安定。
81
:
名も無きAAのようです
:2014/10/04(土) 18:17:54 ID:S4N5dkbU0
_
( ゚∀゚)「自分が可哀相だと思ったことは」
(‘_L’)「わかりません」
ジョルジュは苛立っている。まるでゾウに噛みついたアリのような抵抗しかなかったが、それも滞っていた。
フィレンクトに仲間を殺されたことで勢力は大きく低下している。
82
:
名も無きAAのようです
:2014/10/04(土) 18:18:37 ID:S4N5dkbU0
開発の遅れを嫌って交渉に入っていた企業も、自滅を狙って手を引いてきた。
ほとんど詰んでしまった状態で、仕事を貰って傘下に入ってしまえという声もでている。
ジョルジュは起死回生を待っているわけではなかった。死と引き替えに手痛い攻撃をしかけて、妹の仇をとれればそれでよかった。
このまま膠着が続ければ資金も底をつき、それを埋めるためにさらなる犯罪を起こさなければならない。
仲間を養う立場の彼は、それを憂いている。
83
:
名も無きAAのようです
:2014/10/04(土) 18:19:21 ID:S4N5dkbU0
_
( ゚∀゚)「…あいつがいるから、後のことは心配してなかったんだ」
あの日、フォックスを殺した日。
死んでもいいと思っていた。
担当がいなくなれば開発に時間をとられ、
地味な嫌がらせと敵討ち。
命令をしたものと手を下したもの。この手で殺すと決めていた。
84
:
名も無きAAのようです
:2014/10/04(土) 18:20:04 ID:S4N5dkbU0
_
( ゚∀゚)「お前が死ぬのが簡単なのが悪い」
(‘_L’)「申し訳ございません」
復讐するのに手ごたえがなさすぎた。
「なあ、俺の事、どう思う」
(‘_L’)「……」
主人の評価はフィレンクトがすることではない。それでもジョルジュが苦しそうなので、フィレンクトは考えた。しばらく考えて、
85
:
名も無きAAのようです
:2014/10/04(土) 18:20:46 ID:S4N5dkbU0
(‘_L’) 「わかりません」
それしか答えられない。
86
:
名も無きAAのようです
:2014/10/04(土) 18:21:55 ID:S4N5dkbU0
_
( ゚∀゚)「俺はお前を許せない」
(‘_L’)「はい」
_
( ゚∀゚)「でも迷ってる」
(‘_L’)「はい」
_
( ゚∀゚)「……もう一人殺したい奴がいる。その時まで、働いてくれ」
(‘_L’)「はい」
ジョルジュが黒い炎で煙草に火をつけた。最初の煙を堪能してからフィレンクトにわたす。
生まれてはじめての煙草の味、上手に吸えなくて、しばらくむせた。
87
:
名も無きAAのようです
:2014/10/04(土) 18:24:43 ID:S4N5dkbU0
しばらく書き込める状態じゃありませんでした。見ててくださった人たちありがとう!
88
:
名も無きAAのようです
:2014/10/04(土) 19:13:50 ID:BSJxuORc0
見てます!!乙でした!!
89
:
名も無きAAのようです
:2014/10/05(日) 01:50:12 ID:HDUtD6nM0
来ていたとは!乙です 続きも待ってます
90
:
名も無きAAのようです
:2014/10/05(日) 07:29:06 ID:a5eyF7jk0
待ってた!ありがとう!乙!
91
:
名も無きAAのようです
:2014/10/05(日) 11:38:36 ID:5nU2oR1E0
乙
92
:
名も無きAAのようです
:2014/10/05(日) 13:48:22 ID:bCsv2Otw0
いい雰囲気だな。
93
:
名も無きAAのようです
:2014/10/05(日) 14:02:59 ID:.CpxSjvc0
乙!とても好きだ!続きを渇望して待つ!
94
:
名も無きAAのようです
:2014/10/06(月) 13:56:59 ID:hZ3SYm9c0
乙
しんしんと静かな雰囲気がいい
だんだん話が動きそうで期待
地の文好きだわ
95
:
名も無きAAのようです
:2014/10/08(水) 04:44:46 ID:y9lJb8uA0
( ^ν^)「仕掛けるのか?」
_
( ゚∀゚)「ああ」
( ^ν^)「……勝てると思うのか?」
_
( ゚∀゚)「そんなわけない」
( ^ν^)「じゃあなんで」
96
:
名も無きAAのようです
:2014/10/08(水) 04:45:34 ID:y9lJb8uA0
_
( ゚∀゚)「いろいろだ。考えた結果これが一番いいと思う」
( ^ν^ )「……気負いすぎだ。おまえは責任を負いたがる。一度捨ててみたらどうだ」
_
( ゚∀゚)「……ハハッ……無理な相談だ」
(‘_L’)
( ^ν^)「…………」
( ^ν^)「……おい、どういうことだ」
( ^ν^)「なんでこいつがいる」
97
:
名も無きAAのようです
:2014/10/08(水) 04:46:27 ID:y9lJb8uA0
_
( ゚∀゚)「言ったろ?」
「戦争だ。歯止めはない」
カチリ。トリガーをセット。
いつでも発射可能。フィレンクトはジョルジュの隣の頭に銃口を当てた。ひやりとした鉄の感触に、男が身を凍らせる。
98
:
名も無きAAのようです
:2014/10/08(水) 04:47:15 ID:y9lJb8uA0
( ^ν^)「……あの女か」
_
( ゚∀゚)「いいや。ペニサスは何も言ってない。引き際がうまい奴だ。そもそも、」
_
( ゚∀゚)「おまえ、あいつとは別人だろ?」
( ^ν^)「…………」
_
( ゚∀゚)「お喋りが上手じゃないな。ここで黙秘は認めたようなもんだぞ」
99
:
名も無きAAのようです
:2014/10/08(水) 04:47:57 ID:y9lJb8uA0
( ^ν^)「…………」
_
( ゚∀゚)「……わからないのは、交渉が決裂した後もおまえが留まった理由だよ。もうこちらには引き出せるものなんてないはずだ。」
( ^ν^)「…………」
_
( ゚∀゚)「狙いは何だった?こっちは大幅に人が減って工作は必要ないくらいだ。これだけ近くにいて俺を殺さなかった理由は?」
脅しは必要ない。ジョルジュの合図でいつでも殺せる。銃を構えた腕のまま、フィレンクトは動かない。
100
:
名も無きAAのようです
:2014/10/08(水) 04:48:40 ID:y9lJb8uA0
( ^ν^)「…………守るためだ」
_
( ゚∀゚)「何を……?」
( ^ν^)「おまえを守るためだジョルジュ」
_
( ゚∀゚)「笑えないな」
( ^ν^)「真実だ」
_
( ゚∀゚)「なんのために?」
( ^ν^)「決まってるだろう」
( ^ν^)「おまえが死んだら、誰があのクズどもをまとめるんだ」
_
( ゚∀゚)「……」
101
:
名も無きAAのようです
:2014/10/08(水) 04:49:22 ID:y9lJb8uA0
( ^ν^)「勝てない戦いなんて自殺と同じだ。おまえがそんな無謀なことをするなんて信じられん」
( ^ν^)「無駄なことは嫌いじゃなかったのか?」
_
( ゚∀゚)「無駄をそぎ落とした結果、後ろの男みたいな奴を作るのか?」
( ^ν^)「……こいつらの事は知らない」
_
( ゚∀゚)「おまえと同じ顔の男は知ってたぞ」
( ^ν^)「管轄外だ。俺らとはまったく違う」
_
( ゚∀゚)「自分の事は認めるのか」
( ^ν^)「……」
102
:
名も無きAAのようです
:2014/10/08(水) 04:50:05 ID:y9lJb8uA0
_
( ゚∀゚)「……あいつの事、少しでも愛してたか?」
( ^ν^)「…………」
( ^ν^)「……いいや」
( ^ν^)「好きだっただけだ」
_
( ゚∀゚)「……まあいいさ。おまえが誰で、双子でも三つ子でも、整形だってかまわん」
_
( ゚∀゚)「これから特攻に行くんだ。土産に何か持たせてくれよ」
103
:
名も無きAAのようです
:2014/10/08(水) 04:50:47 ID:y9lJb8uA0
( ^ν^)「…一つ聞きたいんだが」
_
( ゚∀゚)「なんだ」
( ^ν^)「フィレンクト」
「おまえ、チップは入ってないのか?」
(‘_L’)「…………」
_
( ゚∀゚)「答えてやれ」
(‘_L’)「はい」
( ^ν^)「そうか」
( ^ν^)「俺は入ってる」
104
:
名も無きAAのようです
:2014/10/08(水) 04:51:43 ID:y9lJb8uA0
口径の大きな銃の引き金を、男が言い終わるまえにフィレンクトは引いた。
轟音がして頭から男が吹っ飛ぶ。弾は頭蓋を貫通して、脳漿を飛び散らし、壁にめり込んだ。
血をまともに浴びて、一瞬のできごとにジョルジュがたじろぐ。
_
( :** ゚∀゚)「おい」
(‘_L’)「逃げます」
その一言だけを言ってジョルジュの腕をつかむと、想定していたルート、裏口の窓から飛び降りる。
ジョルジュは怪訝そうだったがフィレンクトの勢いに多くは尋ねなかった。
日頃からちくいちジョルジュを伺う彼の行動だ。緊急性が感じられた。
入り組んだ背の低い建物は逃げやすかった。崩れやすい建物を住民が直していくたびに等号のない壁が作られ、足場が多くなる。
迷路のような入り組んだ通路は常に道を変えている。
105
:
名も無きAAのようです
:2014/10/08(水) 04:52:32 ID:y9lJb8uA0
_
( ゚∀゚)「チップってなんだ」
建物をいくつも通り抜け、階段を上下してようやく一息つく。一定時間の休憩を入れてフィレンクトは常に移動する。
ジョルジュには影も形も感じられなかったが、フィレンクトは追ってを確信していた。
逃亡するなら同じ場所に止まってはならない。意識して周回するのが望ましい。
追跡者たちの気配を振り切って、ようやくフィレンクトが足を止める。
それでも壁に耳をはりつけて、振動を感じようとしていた。
「生体認証コード、ナンバーとGPSのついた米粒台のマイクロチップです」
_
( ゚∀゚)「ってことは」
106
:
名も無きAAのようです
:2014/10/08(水) 04:53:15 ID:y9lJb8uA0
(‘_L’)「盗聴の恐れもあります。あの男があなたの側にいて、一度も本社に帰っていないのならその機能は停止しているかもしれません。しかしGPSは生体が死ぬまで機動し続けます」
_
( ゚∀゚)「もうあの隠れ家使えないな……」
_
( ゚∀゚)「……おまえには入ってないのか?」
(‘_L’)「はい」
_
( ゚∀゚)「なんでだ?、おまえ回収されないって事だろ」
(‘_L’)「分かりません」
_
( ゚∀゚)「……フォックスは何か言ってたか?」
107
:
名も無きAAのようです
:2014/10/08(水) 04:53:57 ID:y9lJb8uA0
(‘_L’)「注文通りだと」
_
( ゚∀゚)「注文……?」
(‘_L’)「はい」
_
( ゚∀゚)「……」
_
( ゚∀゚)「つまり奴も、奴と組んでいた奴も、何かしらの理由でおまえを必要としてたのか。管理されない、人形を」
(‘_L’)「…………」
_
( ゚∀゚)「企業も一枚岩とはいかない、おまえがここに居るのは偶然なのか……?」
(‘_L’)「…………」
ジョルジュが睨みつける。だが無機質の目で見つめ返された。相変わらず、何も映すことのない目。
ジョルジュは考えようとしてやめた。
推論は無意味だ。偶然なら幸運。陰謀だとしてもフィレンクトを使うことでしか、一矢報いることはできない。
108
:
名も無きAAのようです
:2014/10/08(水) 04:54:46 ID:y9lJb8uA0
_
( ゚∀゚)「奴とのやりとりは覚えてるのか」
(‘_L’)「はい」
_
( ゚∀゚)「どのくらいだ?」
(‘_L’)「すべて」
まだ、削除命令は出されていない。
109
:
名も無きAAのようです
:2014/10/08(水) 04:56:18 ID:y9lJb8uA0
ー.ー.ー.ー.ー.ー.ー.ー.ー.ー.ー.ー.
ー.ー.ー.ー.ー.ー.ー.ー.ー
ー.ーー.ー.ー.ー.ー.ー
110
:
名も無きAAのようです
:2014/10/08(水) 04:57:17 ID:y9lJb8uA0
伸びてくる腕がある。
追いかけられている。死に直結するものではない。むしろ必死に、こちらへ追いつこうとするものがあった。
だが自分は歩みを止めない。変わらない速度でそれをふりほどいて進んでいく。
首のうしろ。所有者のあかし。
わめき声は耳に入らない。次の命令は受けた。主人の登録もすんでいる。
こめかみにチップが埋め込まれる。これでなにもかも把握される事になっている。
「フィレンクト!」
その名前は記号だ。自分はコードで整理されている数字のひとつにすぎない。
伸びてくる腕がある。強い、確かな力で腕を掴まれた。ふりほどけない。
「撃て」
正面からの声。名を呼ぶ声のうえからかぶさり、その命令は頭に浸透した。
まっすぐに腕を伸ばす。
頭に照準を定めて、引き金をひいた。
慣れた感触なのにずいぶんと重く感じる。
「フィレンクト」
声が遠くなり、視界から姿が消えた。
首のうしろ。
「やっかいな痕をつけられたな。焼くぞ」
「はい」
111
:
名も無きAAのようです
:2014/10/08(水) 04:57:58 ID:y9lJb8uA0
.ー.ー.ー.ー.ー.ー.ー.ー.ー.
ー.ー.ー.ー.ー.ー.ー.ー.ー.ー.ー.ー.
ー.ー.ー.ー.ー.ー.ー.ー.ー.ー.ー.ー.ー.
112
:
名も無きAAのようです
:2014/10/08(水) 04:59:04 ID:y9lJb8uA0
_
( ゚∀゚)「妹の結婚相手だったんだ」
拠点に帰らず、近くのバーガーショップで食事をとる。冷めたバンズを食べながら、無感動にジョルジュが言った。
_
( ゚∀゚)「なにもかも終わったら所帯を持たせるつもりだった」
_
( ゚∀゚)「妊娠してたからな」
フィレンクトは思い返す。死んだ者は数えない。数えられないほど手にかけてきた。
_
( ゚∀゚)「なんであいつが狙いをつけられたんだ?」
(‘_L’)「わかりません」
_
( ゚∀゚)「奴は何と言っていた?」
(‘_L’)「命じられました。写真の人間を処分するようにと」
113
:
名も無きAAのようです
:2014/10/08(水) 04:59:47 ID:y9lJb8uA0
(‘_L’)「それだけです」
_
( ゚∀゚)「そうか」
死者は数えてはいけない。依然それで痛い目にあった。
それでも記憶を半数しようと試みる。
ジョルジュがそれを望んでいるからだ。
みどりの黒髪。幼い顔立ち。
スパイの男が妊娠の失態を犯してしまった女。
ジョルジュの、妹。
(‘_L’)「あなたのせいではありません」
114
:
名も無きAAのようです
:2014/10/08(水) 05:00:47 ID:y9lJb8uA0
_
( ゚∀゚)「……俺以外に理由があるかよ」
めずらしくフィレンクトの意見に眉を寄せる。
だがフィレンクトは根拠なく言ったわけではない。少し考えれば分かることだ。
そしてそれは初めてのことだった。
(‘_L’)「妊娠です」
_
( ゚∀゚)「……どういう意味だ」
あの男が整形ならば妹は対象にならなかった。ひとつの家族で戸籍のある場合でも同じだ。
だが彼らは遺伝子から製造されたオリジナルに仕える兄弟。
その遺伝子をむやみに振りまくことが許されるはずがない。
あの男はミスを犯した。それゆえジョルジュの妹が処分されることになった。
遺伝子情報に鍵をかけられていない彼は、どの道使い捨てられる。
フィレンクトの説明を聞いて、ジョルジュが穏やかに笑った。
表情とは裏腹に心内では激高しているのがフィレンクトにはわかった。
115
:
名も無きAAのようです
:2014/10/08(水) 05:01:31 ID:y9lJb8uA0
_
( ゚∀゚)「……あいつを信じてそばに置いていたのは俺だ。結局、原因は俺だったってわけか」
(‘_L’)「……」
_
( ゚∀゚)「……何人いる?」
_
( ゚∀゚)「あいつは後、何人いる?」
(‘_L’)「把握していません。少なくとも本社には数人、世界では1000人ほどだと思われます」
_
( ゚∀゚)「何のために、あんなのを作ったんだ」
(‘_L’)「……分かりません」
影武者、裏切るリスクの少ない身内。
役割は多々ある。彼らもコードで管理されている。立場はフィレンクトと変わらない。
違うのはフィレンクトが主人を代えること。彼らが生涯オリジナルに仕えること。
ジョルジュの怒りが高まる。思考すればするほど苛立ちを増していった。
116
:
名も無きAAのようです
:2014/10/08(水) 05:02:30 ID:y9lJb8uA0
_
( ゚∀゚)「妊娠したから、やつの子供を受精したから、あいつはお前に殺されたのか?」
答えればさらに怒りを煽るだろうと思ったが、フィレンクトは素直に答えた。
「はい」
興奮したジョルジュが殴りつける。それでも理性は残っていたようで、顔でなく肩を思い切り殴打した。
フィレンクトは立ち続けるか、流れに身をまかせるか一瞬迷う。
だがジョルジュの拳が望んだようにしようとそのまま力に押され、壁に身体をぶつけた。
続けて拳が降ってくると思ったが、ジョルジュは忍耐強く耐えている。
_
( ゚∀゚)「……抵抗しろとは言わないから、身を守れ、でないと俺が困る」
(‘_L’)「了解しました」
ジョルジュをなだめるに必要な行為なのだ
う。受け流すようにして彼の拳を受けた。
ときどきまともに身体に入れてやる。
フィレンクトは息を乱すこともなかったが、ジョルジュは大きく深呼吸した。
それからひとつ、ふたつの涙を流した。
117
:
名も無きAAのようです
:2014/10/08(水) 05:03:34 ID:y9lJb8uA0
('、`*川「やだ、アンタこれなあに?」
そう言われたが自分で背中は見れない。
ペニサスはフィレンクトのうなじを軽くさすった。
('、`*川「火傷のうえから、移植されてる。何か埋め込まれたの?でも反応はなかったけど」
最初の日にフィレンクトの身体はセンサーでチェック済みだ。不審なものは何もない。だがペニサスはフィレンクトの肌の一部を気にした。
('、`*川「……歴史のある人形なんてめずらしい。普通は傷なんて消されるのに」
('、`*川「あんたの主人がやったの?」
(‘_L’)「覚えていません」
事実だ。
118
:
名も無きAAのようです
:2014/10/08(水) 05:04:19 ID:y9lJb8uA0
_
( ゚∀゚)「必要なもの、ほかにあるか?」
マシンガン、ハンドガン、いくつかの手榴弾、それから補充の弾薬。トラップ用の地
雷。グレネードといったものも少ないがあった。
ジョルジュがどこからかかき集めてきたものだ。フィレンクトは一瞥する。
どれも役にたちそうもない。火力による襲撃にはシェルターとマニュアルで対応される。陽動でしか使えないだろう。
唯一の救いはペニサスの補助。彼女が用意したPCがあれば数分のハッキングが可能になる。
(‘_L’) 「目標は何でしょう」
119
:
名も無きAAのようです
:2014/10/08(水) 05:05:03 ID:y9lJb8uA0
これだけの銃器を使用すれば少なからず打撃を与えることができる。
だが相手の心臓には届かないうえに末端で相手されることは間違いない。
命をかけるには小さな抵抗だ。対象の確認さえあればそれも違ってくる。鉛筆ひとつでも、人は殺せた。
_
( ゚∀゚)「多くは狙わん。爆弾巻いてつっこんでもどうせまた補充されるだけだ。お前みたいのが」
_
( ゚∀゚)「だから代わりのないものを狙う」
ジョルジュの命をかけた、最大の嫌がらせ。
_
( ゚∀゚)「…メインコンピュータ吹き飛ばしてやる」
都市付近になるほど機械は進出している。
人体に埋め込んだICカードで買い物から契約まで事足りた。
町を管理しているのは大企業でありジョルジュたちの敵の七つの企業。
密集したビルの上層部に機械は納められており、そこからすべてを管理していた。住民情報も、都市の信号カメラも、さまざまに。
120
:
名も無きAAのようです
:2014/10/08(水) 05:05:50 ID:y9lJb8uA0
七つのビルは国のなにより高くそびえている。侵入するのは困難だった。認証がなければまず入れない。
むやみに突破し、住民登録されていない者はレーザーで首をはねられる。
非人道的だと非難されたシステムだったが、その後起こったテロリストの襲撃でその声もやんだ。
_
( ゚∀゚)「お前と俺くらいしかこんな事するバカがいない。できるか?」
警戒線をくぐり抜け、フィレンクトと同じように警備に付く者たちに見つからず、
重要レッドの最上階へとたどり着かなくてはジョルジュの目的は達成できない。
_
( ゚∀゚)「……できるか?」
フィレンクトは常に命令を享受してきた。
だが彼にも限界はある。
強力な後ろ盾がない。最新の武器がない。先手をとれる情報も、バックアップの仲間もいない。
121
:
名も無きAAのようです
:2014/10/08(水) 05:07:14 ID:y9lJb8uA0
(‘_L’)「命じてください」
能力を越えた働きはできない。
主人に虚偽はつけない。たやすくYESと言えるような内容ではなかった。
だがフィレンクトは焦れる。
ジョルジュからの初めての、具体的な仕事の案。命令を、命令を!それさえ貰えばなんでもできる。身体ひとつで死に行けと、できるだけを殺してこい。
だが主人を目的の場所まで運ばないとならない。
内容はハード。しかしジョルジュは今までの主人たちとは違う。規約に縛られない。
ルールを破ることには当たらない。
何でもできる。ジョルジュが命じればなんでも!
(‘_L’)「どうか、命じてください」
ほとんど懇願だった。高揚する気分と、計算する冷静が混同している。
ジョルジュは可能かと聞いている。
フィレンクトは「はい」と答えるべきだったのに、ねだるような口調になってしまった。
122
:
名も無きAAのようです
:2014/10/08(水) 05:08:03 ID:y9lJb8uA0
_
( ゚∀゚)「……俺を、タワー最上階のメインビル、motherの元へ連れていけ。お前が死んでもだ」
ジョルジュには何の表情も伺えなかった。反対にフィレンクトは目を輝かせる。
微表情がめずらしく仕事をした。
(‘_L’)「はい」
感情がこもった声。
自分がこの声を出したのだと少し驚いた。
123
:
名も無きAAのようです
:2014/10/08(水) 05:09:47 ID:y9lJb8uA0
('、`*川「作戦って呼べるほどのものじゃないのね」
実行役は二人。補助が一人。
陽動で動けるものがジョルジュの傘下数十人
。彼らには状況が混乱したさいの、強奪という飴がある。
幾人かが銃火器で押し寄せ、マニュアル通りならそれに対応する企業の用兵が出てくるので、その隙に開かれたゲートから侵入する
('、`*川「パスはどうするの?アタシじゃ無理よ」
(‘_L’)「わたしの登録を使います」
('、`*川「……使えるの、それ」
(‘_L’)「私たちのコードは変更されません」
まだ廃棄されたことはないが、番号は受け継ぐものだった。中身だけ入れ替えられる。
('、`*川「セキュリティが甘いんだか強いんだか……まあ裏切る心配がないからこそなのかも」
('、`*川「第二のゲートはそれで入れるとして、警備はどうすんの?犬に爆弾でも巻く?」
階が高くなるほど警備は厳重になる。
最上階はこのビルの頭脳が置かれている場所だ。
フィレンクトと同じ者たちが、守りを固めている。
(‘_L’)「それには及びません。」
('、`*川「……なによ?どんな考えなわけ」
(‘_L’)「最重要機密です」
('、`*川「…アタシには話せないの?ならジョルジュに聞くわ」
124
:
名も無きAAのようです
:2014/10/08(水) 05:10:30 ID:y9lJb8uA0
_
( ゚∀゚)「で、どういう事だ」
フィレンクトのたてた計画に目を向く。
時間がかかりすぎない事が成功率が高いというのは常識だが、それにしても。
_
( ゚∀゚)「おまえみたいな奴らの居る階を、五分で通るってのは無茶じゃないのか?」
フィレンクトはバランス型だ。もっとも優秀なタイプで特技に偏りがない。
それだけに万能として重宝された。
だが警備に置かれている者たちはパワーとスピードに特化している。
侵入者に対しての制圧と迎撃に対応させ、機械のように冷静で効率のいい判断ができる教育を受けている。
そんな者たちが数十人固まっているというのは、ジョルジュに鉄壁を連想させた。
125
:
名も無きAAのようです
:2014/10/08(水) 05:11:12 ID:y9lJb8uA0
(‘_L’)「……あの階がもっとも早く通り抜けられます。五分は最低で、もう少し早まるかもしれません」
_
( ゚∀゚)「どうやって」
(‘_L’)「……」
どのように説明したものか、フィレンクトは迷う。
ジョルジュひとりにだけ話しても、彼はこの情報をペニサスに流す恐れがあった。
計画は絶対に成功させないといけない。ジョルジュの命がかけられている。
そう思うと失敗させるわけにはいかなかった。フィレンクトはもう、足下が崩れる不安定なあの瞬間を経験したくない。
_
( ゚∀゚)「……なんで言えない?」
沈黙するフィレンクトをいぶかしむ。
126
:
名も無きAAのようです
:2014/10/08(水) 05:12:03 ID:y9lJb8uA0
ペニサスは彼にとって仲間だ。だが得体のしれなさをフィレンクトは警戒している。
彼女がジョルジュに抱く感情と、この情報の扱いは別物だ。
どのように使われてもいいが、実行するそのときまで内密にしておきたい。
_
( ゚∀゚)「もういちど聞く。……できるのか?」
(‘_L’)「はい」
説明ができない。
フィレンクトの警戒はペニサスへの嫌疑だ。ジョルジュにここまで尽くす彼女をないがしろにすることは、彼の怒りを誘発する。
計画にリスクを招けない。本来ならすらすらと喋れたのに、彼の命と天秤にかけた結果フィレンクトの口は重くなった。
フィレンクトはジョルジュから信用を貰わなければならなかったのに、不審を抱かれている。
成り行きの主人への錯覚、彼はフィレンクトを信用したわけではない。
127
:
名も無きAAのようです
:2014/10/08(水) 05:13:18 ID:y9lJb8uA0
遂行する計画と、従うべき主人への忠誠。
矛盾した行動にフィレンクトは気持ちが悪くなった。
_
( ゚∀゚)「……お前が困ってるのは分かる」
(‘_L’)
_
( ゚∀゚)「初めて会ったときもそんな顔してたな。どうしたらいいかわからないって」
(‘_L’)
_
( ゚∀゚)「俺は成功できればそれでいい。おまえは陰謀に向かない奴だし。
言えない理由がよくわからんが、おまえなりに何か考えがあるんならそれでいい」
(‘_L’)
_
( ゚∀゚)「銃よりも叱られるほうが怖いのか?」
そう言ってジョルジュが笑った。
128
:
名も無きAAのようです
:2014/10/08(水) 05:14:12 ID:y9lJb8uA0
フィレンクトには脅しも痛みも効かない。
恐怖も。
それを最初にジョルジュは知った。あとから彼の献身そのものが生きる糧だと気が付いた。
盲目のフィレンクトは主人を裏切れない。
失うことこそが最大の不安なのだとジョルジュはよく理解している。
129
:
名も無きAAのようです
:2014/10/08(水) 05:15:10 ID:y9lJb8uA0
('、`*川「……いっちょまえに内緒にするなんて生意気よ」
結局、ジョルジュにも打ち明けなかった。
それを意外そうにペニサスは眺める。もっと怒られるかと思ったが、ペニサスは問いつめたりしなかった。
('、`*川「……あんた何になるのかしら」
('、`*川「生きたい?」
(‘_L’)「わかりません」
('、`*川「死にたい?」
(‘_L’)「わかりません」
('、`*川「どっちでもいい?」
(‘_L’)「…………」
('、`*川「アタシあんた嫌いよ」
(‘_L’)「それもわかりません」
('、`*川「あら、嘘も覚えたの?」
(‘_L’)「…………」
130
:
名も無きAAのようです
:2014/10/08(水) 05:15:58 ID:y9lJb8uA0
('、`*川「ジョルジュの奴、情操教育のつもりかしら?」
('、`*川「……なんでもいいや。あんた、ジョルジュ死なせたら許さないからね。絶対生きて返しなさいよ」
それは難しい。主人の意志を違えることはできない。フィレンクトがどれほど動けても、自分はジョルジュの意志に忠実でなければならない。
彼を生かしたいのはフィレンクトも同じだ。だがジョルジュはーーー
……行動するのが一緒ならフィレンクトはひとりにならない。目的を達成すればジョルジュも満足するだろう。
計画の予想はできても想像は許されていなかった。もし、彼が死んだら。想像は困難だった。
思考するのに負荷がかかる。
重くて苦しいその何かは、フィレンクトの胸に混乱と戸惑いを落としていった。
131
:
名も無きAAのようです
:2014/10/08(水) 18:58:07 ID:Gj7qhEwg0
支援
今まで見てなかったけど
メチャクチャかっこいい オサレ
132
:
名も無きAAのようです
:2014/10/08(水) 20:31:48 ID:yhmKQF0k0
うおお、きてた!これからどうなるか楽しみ!
133
:
名も無きAAのようです
:2014/10/20(月) 23:06:35 ID:dKZGx9EQ0
ワクワクすっぞ
134
:
名も無きAAのようです
:2014/10/23(木) 16:36:40 ID:808waeSkO
おもしろいそして楽しみ
135
:
名も無きAAのようです
:2014/10/27(月) 23:31:39 ID:ONPZ5VOE0
(‘_L’)「あれをください」
そう示されたのは店の中央、メインに大きく展示されているブラック・ローズの花束で店員は一瞬たじろいだ。
売り物としては非常に大きな買い物だ。
切り花でなく、きちんと根を残して肥料を与えている。
一度購入し、維持するのにも手間がかかる高級品で、赤い色が栄えるようにわずかな黒みのあるバラ。
.
136
:
名も無きAAのようです
:2014/10/27(月) 23:32:21 ID:ONPZ5VOE0
男の服装に目をやる。タイトスーツ。
グレーの落ち着いた生地。
しっとりとした色で安物ではない。
袖襟もきちんと腕に合わせて詰められている。計ったようなオーダーメイト。
ζ(゚ー゚*ζ「かしこまりました」
客の値踏みをして注文が本気だと知る。
男はすましたような顔で店員が台座から花鉢を移す行動を眺めていた。
.
137
:
名も無きAAのようです
:2014/10/27(月) 23:33:21 ID:ONPZ5VOE0
(‘_L’)「そのままで」
包装しようとした手を止める。
ζ(゚ー゚*ζ「……ラッピングはお辞めになりますか?」
(‘_L’)「はい」
ますますおかしな客だった。
この花の価値を知らないのだろうか、と不審に思う。
見かけだけを整えたおのぼりさんが、ガラスケースの中の目についたものを何も知らずに買おうとしているのでは。
けれど渡されたカードはプラチナ・ナンバーで、息を飲んだ。
ζ(゚ー゚;ζ「少々お待ちくださいませ」
.
138
:
名も無きAAのようです
:2014/10/27(月) 23:34:03 ID:ONPZ5VOE0
レジに通すが問題はなく代金が引き下ろされた。しばらく待ったがエラーはない。
本物のゴールデン地区の住民らしい。
笑顔を作り直してカードを返却した。
こんな客が再び訪れるのはめったにないだろう。
他の花も勧めてみたが、よい返事はもらえなかった。
店の高級感を出すためと、品揃えを誇るために取り寄せたバラはここ何年も売れることはなかった。
おそらく手近で買うしかなかったのだろう。もう少しいけばもっとランク上の店だあるのに。
139
:
名も無きAAのようです
:2014/10/27(月) 23:34:58 ID:ONPZ5VOE0
(‘_L’)「片手で持てるように仕上げてください」
そう聞いてぎょっとした。
これだけで贈り物としては十分すぎる価値のある花を、直接腕に抱いて帰るらしい。
通常なら花弁が痛まないように業者が揺れない電子車で配達する扱いなのだ。
金持ちの考えはわからない。
けれどもしかしたら、上流階級の女性たちは高価なモノをおざなりにプレゼントされるのが好きなのかもしれない。
世界が違うな、とバカらしくなって考えるのをやめた。
.
140
:
名も無きAAのようです
:2014/10/27(月) 23:35:46 ID:ONPZ5VOE0
包装を拒否されても刻印されたリボンは巻かなければいけない。
本来ならこの花には金を練り込んだリボンを使うのだが、再び客によって止められた。
「あれを」
選んだのはブラック。地味すぎるかと思ったが、ブラックの赤にそれなりに似合った。
ζ(゚ー゚*ζ「ありがとうございました。またお越しくださいませ」
受け取ると男はゆっくりとした、けれど無駄のない早さで出て行った。
.
141
:
名も無きAAのようです
:2014/10/27(月) 23:36:30 ID:ONPZ5VOE0
後から思い返せば実に趣味が悪い、高級な花束だと思う。別れか敵対か。
何にしろ意味のある贈り物に違いない。
欲しいとも思わなかった。
ζ(゚ー゚*ζ「……黒みのあるバラに、黒いリボンなんて、」
まるで血みたいーーー
.
142
:
名も無きAAのようです
:2014/10/27(月) 23:37:12 ID:ONPZ5VOE0
.
143
:
名も無きAAのようです
:2014/10/27(月) 23:38:07 ID:ONPZ5VOE0
管制塔、タワーのセキュリティを分割する一つの分室で、誰かの悲鳴を聞いた。
ソファに横になって眠気に誘われていたのに、無理矢理覚醒する。
聞こえた声の方向から内部の地図を思いだし、現在地からのシュミレートを目を開けるまえに済ませた。
起き抜けにコーヒーを淹れるのが楽しみだったのに。
うんざりした気分で監視システムを作動させた。
.
144
:
名も無きAAのようです
:2014/10/27(月) 23:38:50 ID:ONPZ5VOE0
カメラに侵入者の姿は映っていない。
だがわずかな小さい悲鳴は確かに聞こえた。
断末魔。
驚きと、命が消される恐怖に満ちた声。
数年前にすいぶんと聞いたもので、まだ忘れていない。
いくつかの部屋と、通路の映像を出すが侵入者どころか他の職員の姿もなかった。
この部屋はダストシューターのある隣で監査コントロールシステムのある部屋の後ろ。
つまり襲撃を受けた場合一番最後に押し入られる場所で、避難につながるエレベータが部屋に備わっている。
.
145
:
名も無きAAのようです
:2014/10/27(月) 23:40:27 ID:ONPZ5VOE0
進むべきか後退するべきか。
少し悩んで、それも無駄と理解した。
敵は自分が脳を休ませているあいだに手際よく征服している。
ドアの自動制御はすでにジャミングされ鍵の意味を無くしていた。
電源の制圧も完了。
空調管理のスイッチは切れている。
じかに電源を本社につないでいるコンピュータは無事だが、SOSを発信しても助けが来るまえに殺されるだろう。
舌打ちした。
だから警備員でなくSPを配置するべきだったのに。
銃も持っていない。
厳重な設定のプライドから携帯は許されていなかった。
.
146
:
名も無きAAのようです
:2014/10/27(月) 23:41:33 ID:ONPZ5VOE0
いくらセキュリティに自信があるからといっても、網の隙間を通る者は必ずある。
襲撃者はひっそりとしている。
ーーーひとりだ。
この狭い通路と部屋を多人数で制圧していたら、自分はとっくに息をしていない。
二人だとここまでたどり着くのがもっと早い。
武器は少ないはず、小銃で音がでないレーザー。もしくはナイフ。
一般のものなら悲鳴にかぶさった銃声が聞こえる。
それか素手による絞殺、かなりの技術を持っている。
これほどまでに、静かな襲撃のメリットは二つ。
事態の発覚を先延ばしにすることと、この部屋にある何か、何を奪われたのかさえ分からないように偽装すること。
.
147
:
名も無きAAのようです
:2014/10/27(月) 23:42:26 ID:ONPZ5VOE0
ここは襲撃の足がかりにする場所じゃない。
独立した建物で、重要な情報が分散された部屋のひとつ。
どこまで考えがあるのか知らないが、予想通りなら職員の誰かが横領で殺し合ったように見せかけるかもしれない。
その場合、目撃者は残してはならない。
そうだとしたら交渉は望み薄だな
ひそやかな足音でドアが開かれるのを見つめた。
.
148
:
名も無きAAのようです
:2014/10/27(月) 23:43:26 ID:ONPZ5VOE0
( ´_ゝ`)「取引しないか?」
出会い頭の一言。
普通の人間なら驚きと戸惑いで銃を向けてくるのだが、相手は普通ではなかった。
それも予測通り。
顔をみれば相手が同種か分かる。
彼は命令を受ける者。
そしてその命令に全滅は含まれていない。
彼は言葉の意味を考えようとした。
それだけで生きる可能性がある。
( ´_ゝ`)「欲しいパスコードを教えてくればすぐに割り出す。そしてそのまま帰ってくれたら後始末はこちらで済ませるぜ?」
追跡はかからない。ここで起きた出来事をなかったことにするつもりでそう言った。
.
149
:
名も無きAAのようです
:2014/10/27(月) 23:44:20 ID:ONPZ5VOE0
(‘_L’)「あなたに権限が?」
( ´_ゝ`)「できる」
フィレンクトは表情、身体の動揺から嘘を見破ろうとした。
しかしわずかな変化や微表情も現れていない。
(‘_L’)「あなたに利点は?」
( ´_ゝ`)「明日以降も俺が呼吸をできること。このうえないメリットだと思うね」
(‘_L’)「……」
( ´_ゝ`)「……」
.
150
:
名も無きAAのようです
:2014/10/27(月) 23:45:21 ID:ONPZ5VOE0
計画通りであればここに居る者すべてを片づけないといけない。
だがジョルジュから明確な命令は受けてこなかった。これまでとは何もかも違うやり方、臨機応変。
その場の対応が変わるのを隣で見ている。
リスクを思えば考えていた通りに事を勧めたほうがいい。
しかし誰にも知られずにパスを入手するというのは釣り合いの取れたメリットだった。
フィレンクトは男を見た。
背ばかりが高い、ひょろりとした体型。
しかし作業服の下は芯のある重心の乗った立ちすがた。
力の抜けた、いつでも動作可能の状態。
喉を狙う、すぐに手のひらでふさがれる。
注意を向け、足を掬おうと軸足を絡める。
その間、こちらの急所に拳が打たれる。
人体の最も柔らかく危険な場所。みぞおちとアキレス同時に肘と膝が入れられる。
回避するには退くしかなく、そうすればこちらの攻撃も当たらない。
.
151
:
名も無きAAのようです
:2014/10/27(月) 23:46:29 ID:ONPZ5VOE0
数秒間のイメージ。戦いになれば膠着状態に陥ることが伺えた。銃は持ってきていない。鉄の反応を感知されないために仕方ないことだった。
(‘_L’)「S9076854988のIDとコードを」
( ´_ゝ`)「はいよっと」
画面に向かって男が手をかざす。
指紋認識、生体登録。死体では使えない。
瀕死の状態にするのは難しいだろう。
どちらかの即死でなければ。
フィレンクトは取引を飲んだ。
( ´_ゝ`)「ほらよ」
待機する時間もなく、簡単に数字は現れる。
それからバーコードの圧縮されたファイル。
モバイルに読み込ませて入手した。
.
152
:
名も無きAAのようです
:2014/10/27(月) 23:47:22 ID:ONPZ5VOE0
背を向けて、ドアに向かおうとすると怪訝そうな、陽気な声をかけられた。
( ´_ゝ`)「え、もう帰んの?」
用事はすんだ。男は殺されなかった。
フィレンクトにはここに居る意味がない。
それでも振り返ったのは彼と似た意識を持っていたからだ。
同士は分かる。
彼はすこし、規格外の気もするがプレーンな個体が量産されるなか、変則したものを欲しがる人間は少なくなかった。
( ´_ゝ`)「なあ、無線のコードなんて何に使うの?俺に何かしてほしいことある?」
(‘_L’)「明日以降も息ができるように心がけてください」
よけいな喋りには死を。本来なら忠告する意味もない。
.
153
:
名も無きAAのようです
:2014/10/27(月) 23:48:19 ID:ONPZ5VOE0
よけいな喋りには死を。本来なら忠告する意味もない。
だが彼は人のような感覚で話しかけた。
おそらく現在フリー。
誰かに仕えていない。
直属でなく、ある程度の思考が許されていて、フィレンクトを見逃すことに優越と面白さを感じている。
理解できない個体だ。
生存することに忠実。いつかはフィレンクトの情報を人に流すだろうそれが明日であれば問題ない。
その頃には何もかも終わっている。
( ´_ゝ`)「アンタどこのシリーズ?違反者には見えないし、かといってメンバーにも見えないな。こんな事しでかせば誰の登録かすぐわかるぜ?」
(‘_L’)「連絡するのですか」
( ´_ゝ`)「いんや。しないけど」
(‘_L’)「では、なぜ」
.
154
:
名も無きAAのようです
:2014/10/27(月) 23:49:35 ID:ONPZ5VOE0
( ´_ゝ`)「俺はしないけどさ。
いいじゃん教えてよ。知られちゃまずいってんなら大丈夫。
ここでの騒ぎがバレたら俺も廃棄されるから全力で隠蔽するし。
てか、どうやって入ったの?通行許可持ってないだろ?」
(‘_L’)「……」
考える。ここで戦闘になるタイミング。
だが目の前の男は時間を稼ぐでも、たくらみがあるわけでもなさそうだった。
(‘_L’)「あなたに、何の関係が?」
( ´_ゝ`)「俺はただの傍観。
ぞくに言えば好奇心。
わかるか?興味本位だ。
どうみてもパターンに当てはまらない物事の対象を知ろうとする行為。
人間の探求心のひとつ」
(‘_L’)「理解できません」
( ´_ゝ`)「俺も。お前がどこに属していて、どうしてここを離れたのか
分からない。」
(‘_L’)「……」
( ´_ゝ`)「探求心だ。俺はまだ外を知らない。おまえはどうやってここへ来てどこに行くんだ?」
(‘_L’)
.
155
:
名も無きAAのようです
:2014/10/27(月) 23:50:34 ID:ONPZ5VOE0
「ここに居るのに何の感知もされないってことは登録されてないんだろ?
未登録なんてありえない。だれかの所有でしかないのに。」
(‘_L’)「……」
( ´_ゝ`)「なあ、教えてくれよ。お前はどうやって“そう”なったんだ?俺はまだできないんだ」
(‘_L’)「……故意ではありません」
そう呟いて、逃げるように部屋を去った。
必要もないのに止まるべきでなかったのに、耳を傾けてしまったのは男があまりにも必死に思えたからだ。
表情に変化はないのに、フィレンクトは内情がよくわかった。
彼がなぜここに居るのか分からない。
自分たちのような者には最も向かない仕事。配属されたからには何らかの理由があるはずだ。彼はそれを探している。
役割を振られ、それを全うすることは喜びで、呼吸するように当然の物事だった。
胸がざわざわする。
自ら頭を吹き飛ばしたときの感覚に似ている。
それは不安で、フィレンクトが男に共感したことの事実だった。
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156
:
名も無きAAのようです
:2014/10/27(月) 23:51:26 ID:ONPZ5VOE0
彼は部品の一つに成りきれていない。歯車として齟齬を起こしている。
それがあの奇妙な人格の形成へと成長したのかもしれない。
フィレンクトは直線で居られる。まだ、柔らかく崩れることはない。
命令をくれる人、ジョルジュが居るかぎり。
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157
:
名も無きAAのようです
:2014/10/27(月) 23:52:24 ID:ONPZ5VOE0
( ´_ゝ`)「……下手くそ」
首の折れた死体。
手際はいいが、殺すまでに時間があるマニュアルすぎるやり方。
もう少し自己流を考えた方がいい。殺しの仕方ひとつで簡単に癖は見抜かれる。
制御システムを復旧させて、カメラの映像を見た。
笑ってしまった。
侵入者は、所属するチームの顔をしてチェックをクグり抜けている。まるで解雇された社員が、当然のように社内を歩き回る様と変わらない。
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