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( ゚д゚ )ブーン系小説&イラスト練習総合案内所のようです
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私の背には少々目立つ傷痕がある。
何かで刺された痕ではないか、と私は思う。
思う、と曖昧な表現をしているのは、別に私の記憶力が悪いからではない。
私には15年より前の記憶が無い。
いや、幼い頃の記憶がぼんやりとあるにはあるのだけれど、人と比べるとあまりに薄すぎる。
どんな町で暮らしていたか、学校、友人、その他諸々が思い出せない。
明確な記憶を持つようになったのは15年前、病院のベッドで目覚めた12歳の頃からだ。
傷痕が関係しているとは思うのだが、覚えていないのでどうしようもない。
親も教えてくれないし、退院してすぐ別の土地に越してしまったから。
('、`*川「ふうん……」
(´・_ゝ・`)「もういいかな。帰ってくれ」
('、`*川「何よ、普段は部屋でごろごろしても放っとくくせに」
(´・_ゝ・`)「客が来る。君みたいな売女が知り合いだと思われたくない」
('、`*川「あ、女? どんな人? あんたみたいな偏屈を相手にするくらいだから変わった人なんでしょ」
(´・_ゝ・`)「君は人のプライベートに首を突っ込みすぎだ。突っ込むのはギロチン台だけにしておけ」
──ひび割れ、間の抜けた、インターホンの音が響いた。
次いで、「デミタス先生ー」と可憐な声がする。
来た。
(;´・_ゝ・`)「ああ来てしまった、おい伊藤、君は押し入れにでも隠れろ」
('、`*川「浮気相手かっつうの。いいじゃない、ちょっと挨拶して普通に玄関から帰るわよ私」
(;´・_ゝ・`)「それが嫌だと言うんだ僕は!」
('、`;川「わ、ちょっ、痛い痛いっ、引っ張らないでよ!」
「デミタス先生?」
がちゃり。ドアノブが捻られる。
そこで私は気付いた。鍵をかけ忘れている。伊藤のせいだ。上げるなり服を脱げと言い出すから呆気にとられていた。
──私は天才小説家である。
天才であるが故、自分の生活レベルを下げて世間の感覚に馴染まねば、大衆向けの作品は作れない。
そのため私は古臭く狭苦しいアパートのワンルームで暮らしている。
玄関のドアを開ければすぐに部屋が見通せてしまう造りだ。
そのドアが、今、開けられてしまった。
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