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ノハ^益^)1cafeのようです
1
:
名も無きAAのようです
:2014/02/19(水) 19:56:19 ID:SCAIZNlI0
.
ここは創作者の憩いの場、ちょっとうるさい看板娘のいる喫茶店……。
ノパ⊿゚)「したらば創作板のブーン系民の皆さん、こんにちは!!」
ノパ⊿゚)「このスレは、創作に疲れてちょっと一息入れたい時や、お話が浮かばなくて困ったなーって時に休憩するためのスレだよ!!」
ノパ⊿゚)「お茶やソフトドリンク、簡単な軽食、軽めのお酒なんかも用意できるから、気軽に立ち寄ってね!!」
ノパ⊿゚)「それと前々スレから、1cafeを舞台にしたSSを超不定期投下しているよ!!」
ノパ⊿゚)「良かったらみんな見ていってね!!」
.
761
:
名も無きAAのようです
:2014/09/19(金) 23:25:16 ID:1LE8VN4wO
(´<_` )
【生野菜】⊂(´<_` )
(´<_` )
(´<_` ) すんません調子のりましたおやすみなさい
762
:
名も無きAAのようです
:2014/09/19(金) 23:30:29 ID:GM/GHWac0
ノパ⊿゚)「こちらこそごめんね.おやすみ!」
763
:
名も無きAAのようです
:2014/12/05(金) 18:28:51 ID:8AuljD2s0
( ^ν^)……まだこのお店はやっていますか?
( ^ν^)珈琲とサンドウィッチを下さいな。何だかとても疲れました。
764
:
名も無きAAのようです
:2015/01/24(土) 23:35:26 ID:FgTG0zXkO
ヒートさんも忙しいんだろうナ…。
765
:
名も無きAAのようです
:2015/02/14(土) 02:13:46 ID:TvAYTz/M0
1cafeも9cafeも閉店ですかね
寂しい限りです
766
:
名も無きAAのようです
:2015/05/16(土) 21:24:43 ID:1x3tzC2s0
ノパ⊿゚)「なんか最近どんどん人少なくなってる気がするねぇ」
ノパ⊿゚)「寂しい限りだ」
767
:
名も無きAAのようです
:2015/05/20(水) 10:30:57 ID:XjhSgV2c0
ヒーちゃんご無沙汰
768
:
名も無きAAのようです
:2015/05/20(水) 13:30:32 ID:osk0GDEM0
ノパ⊿゚)「職場からこんにちは」
ノパ⊿゚)「呼ばれたら来る、ただそれだけの都合の良いAAなのです」
769
:
名も無きAAのようです
:2015/11/03(火) 21:34:58 ID:QABJQuh2O
(´<_` ) 伊藤計劃のSF小説3作品が劇場アニメ化していることを今更しって、凄い衝撃をうけた
(´<_` ) 凄い衝撃を受けたんだ…
(´<_` ) それはさておき、シベリア店の復活予定はありますか?
770
:
名も無きAAのようです
:2015/11/03(火) 21:59:01 ID:44XXNrE20
ノパ⊿゚)(建て直そうと思ってすっかり忘れてた……)
ノパ⊿゚)「おいおい立てるよ、うん!」
771
:
名も無きAAのようです
:2015/11/04(水) 19:12:48 ID:HzjHjLZQ0
ノパ⊿゚)(シベリアに新スレたてたよ)
ノパ⊿゚)(URLは貼らないけど良かったら来てね)
772
:
名も無きAAのようです
:2016/01/08(金) 00:26:38 ID:38Oa3v1w0
.
世に奇怪なることは数多くあれど、ショボンの人生ほど数奇なものはそうはあるまい。
何が奇妙と言って、死してなお彼の人生に終わりの来ないことが、最も奇異であると言えるだろう。
ショボンは数多の世界の危機を救った英雄である。
しかもそれは、ただの英雄ではない。
幾度となく輪廻転生を繰り返し、その都度自らの住まう世界の危機を救う、本物の勇士であった。
彼の存在した世界は歴史、文化を問わず多岐に渡っており、枚挙に暇がない。
ある時は、剣携え自らの信じる神に殉じた神聖なる騎士。
またある時は、腐敗した王族を打ち倒し民衆から喝采を浴びた義賊。
そしてまたある時は、大型戦艦を操り大戦の雌雄を決した国軍大将。
さらにまたある時は、幾つもの航宙母艦を伴い、宇宙を股にかけ疾駆した自由人。
エトセトラ、エトセトラ、エトセトラ、エトセトラ……。
数え上げれば数千、数万にも及ぶ輪廻の旅の果て、その数と同じだけの世界と、
さらにそれ以上の人々の命を、彼は何人の分け隔てもなく救い出した。
人々は彼に喝采を浴びせ、彼を敬愛するものは止むことがなかった。
時代によっては、彼を神の如く崇拝する者もいたほどだ。
しかし、彼の心が弾むことはない。
彼が死して次の世へ産まれ変われば、彼を知るものは誰一人としていなくなる。
生前の記憶を引き継ぎ続ける彼にとって、それは言い様のない哀しみでもあった。
しかしなお、それでも変わらないものはある。
数万回にもなる輪廻の旅の始まりは、既に朧な記憶の残影となって久しいが、
彼が死して次の人生に進むまでの短い間、最初に送られるのは決まってある特定の場所だった。
.
773
:
名も無きAAのようです
:2016/01/08(金) 00:28:28 ID:38Oa3v1w0
.
(´・ω・`)
今まさに彼は一つの人生を終え、その場所に立っている。
月明かりも街灯も何もない、暗黒の只中である。
彼が死に至った年齢はその時々によって当然違うが、不思議なことに
この場所へ立つと、彼の最盛期の肉体へと変貌を遂げているのだ。
光源になるような物の何一つ存在しない場所で、唯一目に見えるものは二つだけだ。
一つは、ショボン自身の引き締まった肉体。
そしてもう一つは、彼の立つ数メートル先に存在する、白い建物だった。
さして大きくもないその建物へ向けて、ショボンは歩き始める。
思うことは何もなかったし、考えなければならないこともない。
ただそこへたどり着けば、否応なしに事態が進展するだけなのだ。
ショボンは白い建物の木戸の前へ立つと、屋根を見上げるように視線を動かした。
白い壁には経年劣化による小さなひび割れが幾つも見つかり、木戸はささくれ手触りが悪い。
そうなるまでに掛かった時間に思いを馳せて、ショボンはゆっくりとその木戸を押し開いた。
.
774
:
名も無きAAのようです
:2016/01/08(金) 21:53:42 ID:oT/MEu32O
>>772
>>773
(´<_` ) 確認しました。明日にでも、シベリアの方に、改めて顔出します
775
:
名も無きAAのようです
:2016/01/08(金) 21:59:53 ID:CJRDy0wM0
ーーーー
ーーー
ーー
この場所が一体どういったところなのか、ショボンとて全く考えなかった訳ではない。
死後の世界と捉えるのが最も難がないのだろうが、それにしてはあまりにも殺風景である。
ただ、ショボンは答えの出ない問いにいつまでも頭を悩ませる性分ではない。
それほど無駄なことはないと、長い転生の中で悟ったからだ
軋む木戸を開くと、一瞥すれば全貌が見渡せる程度の、さほど広くない屋内が目に入る。
机が二つ、そして据え付けられたカウンターが部屋の奥にある。
カウンターの後ろにはさらに酒棚が作られており、ここが酒を飲ませる場所だということがかろうじて分かる。
建物の内部は、これもまた薄暗く、明かりがほとんど見当たらない。
机とカウンターの上には数本の蝋燭が灯してあり、それがかろうじて狭い部屋を照らしている。
勝手知ったるなんとやら、ショボンは我が家のようにずけずけと、屋内に足を運ぶ。
そしてカウンター席の一つへ腰掛けると、自分の座った席の隣へと目線を移す。
もう数えきれないほどの回数、ショボンはここへとやって来ている。
そしてその度に、ショボンは全く同じ台詞を呟いた。
(´・ω・`)「……こんにちは、またお会いしましたね」
その言葉は、同じくカウンター席に座る、初老の男へ向けられたものだった。
.
776
:
名も無きAAのようです
:2016/01/08(金) 22:08:37 ID:oT/MEu32O
(´<_` ) ふむふむ
777
:
名も無きAAのようです
:2016/01/08(金) 22:25:43 ID:CJRDy0wM0
ショボンがこの建物……酒場へとやって来た時、必ずショボンに先んじて酒を飲んでいるのがこの男だった。
薄暗い室内に溶け込むように、男の表情は闇の中に隠されている。
居住まいや手先の皺の深さから初老と判断しているものの、実際は男が
何者で、どんな顔をしているのかすら知りはしないのである。
朧な記憶を辿れば、最初に話しかけてきたのは彼の方からだったような気はする。
よく分からない場所へ連れてこられたショボンへ向けて、酒を勧めてくれたのが彼だっただろうか。
見も知らない相手に対し、しかしショボンは、ほとんど警戒心を抱かなかった。
死してなお取られるものもありはしまいと、開き直ったためである。
ショボンは勧められるままに酒を飲み、男は黙ってショボンに酌をする。
ただそれだけの奇妙な関係性を、二人はこの場所で構築していた。
.
778
:
名も無きAAのようです
:2016/01/08(金) 22:26:35 ID:CJRDy0wM0
とりあえずここまでで……この後ショボンの人生を語って聞かせたりするパートがあればなぁと思ってます
779
:
名も無きAAのようです
:2016/01/09(土) 22:21:23 ID:qrTRmtf2O
*
(´・ω・`) 隣、失敬
着ている服は、いつものように新品同様、それでも軽く埃をおとす仕草を行ってから
ショボンは男の隣に、腰を下ろした。
そして髪をかきあげ、深い深い呼吸をしながら天井へと視線を仰ぐ。
心地好い暗闇が、ショボンを満たした。
帰ってきたとさえ、感じた。が、同時に思う。
あと何度、此処に来ることになるのだろうか?
詮無き事と解っている。もう何度も考えて、けれども結局は考えるだけ無駄なのだと。
とっくに、考えないようにしていたことを、口に出してしまう程に。
ショボンの心は渇いていた。
(´・ω・`) フゥー…うん?
一息ついて、視線を戻したテーブルに、そっと置かれていた一杯のグラス。
あの時のだ、ショボンは気付く。
これは、かつて自分があんまり無念な最期を迎えてしまい、悔し涙を堪えながら席に着いた時。
隣の彼が、優しく注いでくれた酒、まさにその酒だと分かった。
笑みが、こぼれた。
(´・ω・`) ありがとう…ありがとう、ございます
カラン、暗がりから氷とグラスの音が響く。
↓
780
:
名も無きAAのようです
:2016/01/09(土) 22:25:39 ID:qrTRmtf2O
数え切れないほどにショボンと酌み交わした彼は、来店からの少しの仕草で、雰囲気でもって
今の彼を理解したのである。
乾杯、ひとくち、毒にも薬にもなるアルコールを取り込む自虐的な享楽が、ショボンの心をあやす。
(´-ω-`) ああ…美味しい
枯れ果て、ひび割れた心が彼の思い遣りに豊かさを取り戻した。
そうして、暫し黙りこくって酒を味わっていたショボンだったが、やがて隣の彼に声をかける。
(´・ω・`) 聞いて貰えますか?
数え切れぬほど発した合図。隣の彼に、自分の事を聴いて欲しくて、ショボンは訊ねた。
いつもならば、隣の彼が、ショボンに合図を送るのだが、今回彼は待っていた。
ショボン自らが語り出せる、静けさの訪れを待っていたのである。
あまりに多いショボンの人生、語るに辛い事も多いのだ。
(´・ω・`) ありがとうございます
いつもながら、快諾した彼と同時にグラスを傾けてから、ショボンは吐き出す。
(´・ω・`) その世界で、僕は、戦わずに生きようと決めていました
向かいの暗がりから差し出されたボトルが、ショボンの杯を満たし、また闇に紛れた。
ショボンは何処へともなく礼を言い、やたらに乾く唇を湿らせて、続ける。
(´・ω・`) 僕は、その世界で一番平和な国の、海を望める田舎町で生まれました。その回では、ちゃんと母がお腹を痛めてくれたんです
言葉はない、しかし頷く彼のグラスに、新しい酒が注がれる。
(´・ω・`) 幸せな家庭でした。富も権力も、大したことは無いのだけれど、暖かい。僕は皆と緩やかな人生を送りたい、そう願っていたんです
多くは要らない。眼が眩むような勲章も、横暴で爛れた劣情も、心臓に悪い冒険も、要りはしないから家族と慎ましく暮らしていたい、ショボンは願った。
(´・ω・`) でもダメでした
カラリ、隣のグラスで氷が割れた。
(´・ω・`) その世界の、その星は、その国は確かに平和でした。けれどもある日、全ては変わった
781
:
名も無きAAのようです
:2016/01/09(土) 22:26:59 ID:qrTRmtf2O
(´<_` ) 以上です、また顔を出しますね
782
:
名も無きAAのようです
:2016/01/12(火) 20:13:52 ID:DI37OqeE0
(´・ω・`)「原因不明の病が、世界中で同時多発的に蔓延しだしたんです」
ショボンは無意識のうちに、グラスを握る手に力をこめていた。
まるでそうしなければ、己がどうかなってしまうとでも言わんばかりに。
(´・ω・`)「未知の病原菌によるものと判明はしました。けれど、その治療法は長らく確立されないままで」
堰を切ったかのように、ショボンの語りは止まらなかった。
(´・ω・`)「……何人、何千人、何万人と死んでいきました」
(´・ω・`)「ワクチンも、薬物も、放射線も、その病原菌には何もかも効かないんです」
(´・ω・`)「感染地域は恐ろしいスピードで広がり、自衛の手段を持たない小国から滅んでゆきました」
そこでショボンは一拍の間を置いて、天井を見上げた。
(´・ω・`)「……その小国の一つが、僕の産まれた故郷だったんです」
783
:
名も無きAAのようです
:2016/01/12(火) 20:23:36 ID:DI37OqeE0
表情を極力変えずに、しかしどこかに含まれる苦いものを隠そうともせず。
ショボンは淡々と、自らの身に起こったことを、吐き出し続けた。
(´・ω・`)「最初の罹患者が発見されて僅か一年足らずで……国民の六割が死に至りました」
ショボンは、酒で思いを誤魔化そうとでもするように、グラスに一度口をつけた。
(´・ω・`)「……防菌マスクだけが、我々に残された唯一の防衛手段でした」
(´・ω・`)「そしてそれすらも所持できない貧困層は、次々と病の餌食となったんです」
(´・ω・`)「お上は早々に他国への亡命を企て、政府への不信感は市民の暴動へと繋がって行きました」
(´・ω・`)「それを止めるために軍は強硬な手段を取り……血を血で洗うような、酷い有り様になっていきました」
(´・ω・`)「分かりますか?人が人として扱われない残酷が。目の前で最愛の人が的となって倒れてゆく、その無念が」
そしてショボンは、薄く目を瞑る。
(´ーωー`)「……僕はかつてこれほどに、無力な自分を呪ったことはありませんよ」
(´ーωー`)「なぜよりによって、平穏を望み何の力も持たない人生の折に、力こそが物を言う時代に産まれてしまったのか」
(´ーωー`)「僕が常のように力を持っていれば、あるいは何らかの重要な立場に立ってさえいれば……」
(´ーωー`)「家族や愛する人を、せめて国外に逃がすことくらい、出来たのではないかって」
(´ーωー`)「……そう、思ってしまうんです」
784
:
名も無きAAのようです
:2016/01/12(火) 20:39:56 ID:DI37OqeE0
ショボンはそこで一旦語るのを止め、男のいる方向を伺った。
男は変わらず無言のまま、何を考えているのかも分からない。
それがショボンには、酷く心地よく感じられるのも事実であった。
(´・ω・`)「……僕に出来たのは、反政府レジスタンスとして、無念のうちに死んだ両親と恋人の仇を取ることくらいでした」
(´・ω・`)「それだって、いつ病に冒されるか分からない恐怖との天秤計りでしたよ」
(´・ω・`)「その病気は、潜伏期間が一定でないのも特徴でした」
(´・ω・`)「発症すれば瞬く間に進行して行くんですが、それまでにかかる時間は人によりけりだった」
(´・ω・`)「ですが、病は僕を殺さなかった。僕は政府軍の銃弾に倒れ、レジスタンス御用達の病院に運ばれた」
誰のためのものか、そこでショボンはほう、と、小さな溜め息をついた。
(´・ω・`)「……その時だったんです。僕の血液中に、その病原菌に対抗しうる抗体が発見されたのは」
強い意思を宿しながら、少し疲れたような瞳のまま、彼は言葉を探しているようだった。
(´・ω・`)「思えばとんでもなく皮肉な話だと思います。僕は世界を救うよう、最初から宿命付けられていた」
(´・ω・`)「けれどそれが、こんな形での救済だとは、思いもしなかった」
その声に含まれるのは哀しみでもなく、怒りでもなく。
強いて言うなれば、諦めに似たような感情であるかもしれなかった。
785
:
名も無きAAのようです
:2016/01/13(水) 23:09:01 ID:owRXMIxQO
※以下要改変
グッとあおったショボンは、強くグラスを打ち付ける。
(´・ω・`) それからというもの僕は毎回毎回眠る度に魘された!毎回毎回僕が今まで過ごした人生の中で助けたくても助けられなかった人や人ならざる生き物や人工知性体や思念体!僕が愛した者達だ!みんなが僕に諭すんだ!
『きみならば救えただろうに』『備えていれば対処できたろうに』『きみならば其の存在に気付けたろうに』『わたしの世界では成し遂げたのに』
『ぼくの時は先に脅威を潰したのに』『あの世界では出来たのに』『あの世界は上手くいったのに』『きみならば、皆護れたはずなのに』
(´・ω・`) ちくしょうドイツもコイツもジッとジロジロ見つめてきやがんだ!僕の実態を知りもしないで僕ならできるとほざくんだ!
柄にもなく声を荒げるショボン。此処が普通の店ならば、宥められるか追い出されるか。けれども此処の何者も、隣で嗜む彼すらも、静かに言葉を聞いている。
彼は今にも泣き出しそうで、その声はガラスに爪を立てているような、悲痛な慟哭であったから。
(´・ω・`) だから!だから…それからは戦ったさ、ああ僕は戦ったとも何せ、大切なモンなんて戦う前から消えたから、それはそれは集中できたさ…
グラスを手放し、激しく背を震わせてカウンターにふせったショボン。隣の彼は、優しい荒々しさでもって彼の肩を抱き寄せた。
こぼれ落ち、砕けたグラスは薄闇に消え、落ち着いたショボンが座り直すと、またいつの間にやら眼前に置かれていた。
(´・ω・`) すみません…すみません
平謝るショボンに、隣の彼は酒をつぐ。その寛容さに、ショボンはつくづく彼は大人なのだな、そう思った。
786
:
名も無きAAのようです
:2016/01/13(水) 23:13:03 ID:n157wBfc0
おお…ショボンが荒ぶっておる
787
:
名も無きAAのようです
:2016/01/15(金) 23:41:22 ID:ljZjCLYcO
※
ショボンは、最初の人生で世界が滅ぶきっかけとなった人物。
男は、自分の生きる世界が誰かの幻想だと気付いてしまった人物。
最初に酒場で出逢った時、ショボンは罪悪感から世界滅亡の経緯を、自分が犯した罪(?)を男に自白する。
ショボンの予想に反し、男はどこまでも無感動に話を聞いた。
そして全てを語り終えたショボンを責めるでも諭すでもなく酒でもって励ました。
自らの生きる世界全て無意味だと感じてしまっている、男にとっては、ショボンの語る世界はただ新鮮な物語に過ぎなかった。
やがてショボンは、ひたすらに第三者視点で話を受け止めてくれることに。
男は、失っていた生への興味を、全く想像もつかないノンフィクションを通じて思い出したことに。
救われたと感じ、いつしか2人は、互いに欠けたものを埋め合わせていく関係となった。
…みたいな。
何かに使えればと思います。
あと、ショボンの記憶ですが、わすれたといっても完全に失われるわけでなく
忘れていることすら忘れている記憶でも何かきっかけや、強く思い出そうとすれば正確に出てきます
どこかに外部メモリで保存されているイメージ
おやすみなさい。
788
:
名も無きAAのようです
:2016/01/21(木) 23:05:12 ID:0UUK2WNo0
(´ーωー`)「……」
しばらく続いた彼の独白は、一端の休止を見せた。
酒の面に、ぽんと一つ波紋が広がって行く。
その波紋を目で見ることなく、ショボンは思う。
逃げ場など、どこにもない人生だった。
また、逃げようなどとも考えなかったし、逃げてはいけないという使命感もあった。
その宿命は長く、果てしなく、彼の心を苛んだ。
その痛みさえ、彼は飲み込んだ。飲み込もうとした。
しかしここでは、それも意味を成さなかった。
隠し立てること自体が、ここでは無意味だからだ。
吐露することが正しいのかどうか分からないまま、
それでもショボンは居ても立ってもいられなかった。
ただの愚痴と言ってしまえばそれまでのこと。
だがそれは、命を削り続けた男の人生の総括なのだ。
安く聞き流してよい言葉であるはずがない。
それを知ってか、男はただ黙して座っている。
789
:
名も無きAAのようです
:2016/03/02(水) 21:40:34 ID:6ixAP75QO
ショボンが、乱れた心を虚しさでしずめて、何か言わねばと顔を上げ、彼の方を見やる。
(´・ω・`) えっ?
目と鼻の先、空のグラスが掲げられていた。今まで使っていたのと違う、新しいソレの透明越しに、男はショボンを見つめる。
睨むように険しく、親のように優しい、歳を重ねた者だけが見せる真の同情。
掲げられたグラスに、これまた新しい酒が注がれる、男の手によって。
「きみの大切な者に」
シンプルな言葉。再び空いたグラス。静かに置いた彼。
(´・ω・`) あ…
思えばあの世界では、悼む暇が無かった。葬儀などしている場合では無かったし、感染防止の観点から死体は直ぐ燃やして、灰やらも樹脂や硝子で固め、埋立処分されていた。だから墓らしい墓もなく、遺品といえば記憶だけ。ショボンの家族が死んだ頃、世界は既にそうしていた。
みんながみんな、そうだった。
だから他人を弔う余裕は殆ど無く、ショボンの大切な者も、そして恐らくショボン自身も、他人から悼まれなかった。
これが上辺だけの口上ならば、ショボンは逆上したかもしれない。しかし男の深い瞳は、ごく人間的な生を送る者なりの想いに溢れていた。男なりの苦難から来る共感や、酌み交わしてきた時間から芽生えた情が、男にショボンの無念を再現させた。心の底から、男はショボンを哀れみ、そして彼と…彼が何を犠牲にしてでも救いたかった者達を、悔やんだのだ。
(´・ω・`) そうだったのか
ショボンは思い出した。あの世界で一番の心残りを。
ショボンは自分のグラスを一気にあけて。
(´・ω・`) …わたしにもソレ、もらえますか
彼に再び満たして貰う。知人、友人、恩人、恋人、家族。そして路傍の虫けらの如く見捨てた他人と憎しみのままに殺した他人へ向けて。
(´-ω-`) 愛しく、憎き人々に
空っぽになったグラスがそっと置かれる。テーブルには結露した水。そこに加わる飾りではない涙。
男の口から、ふと、なにかで読んだ言葉がこぼれた。
『あなたを想う。だからあなたがいる。
あなたに想われて、わたしがいる。』
(´・ω・`) …ロマンチックですね。あなたらしくない
ショボンは笑った。
790
:
名も無きAAのようです
:2016/06/21(火) 23:52:35 ID:M.iBCmQ.0
小さな、ほんの小さな安堵だった。
だがそれは、ショボンがやっと手に入れた安息だった。
(´・ω・`)「……皮肉なものですね。こうして死後になってようやく、僕の魂は平静を得ることが出来た」
ここへ至るまでの間に、どれ程の死と向き合い、どれ程の辞世の言葉を聞いてきたか。
そのショボンが今やっと、心を休めることが出来たのだ。
(´・ω・`)「ここは不思議な場所だ。何もないのに全てが満たされるような気がする」
この酒場へ身を置いていると、ショボンは自らが矮小な存在だと知ることが出来た。
如何なる英雄であろうと、また王であろうと、広い視野で見ればただの一つの点である。
そんな感覚になる何かが、この場にはあるような気がしていたのだ。
まるで宇宙のただ中に放り出されたような、孤独感と解放感が身を包むのである。
(´・ω・`)「……あなたは、ここがどういった場所なのかご存知なんですか?」
そしてショボンは、長年の疑問であったことを男へ向けて口にした。
791
:
名も無きAAのようです
:2016/06/22(水) 00:00:16 ID:3YP/55z20
それを長らく言葉に出来なかったのは、男へ対してそれを尋ねる事が憚られたからだ。
もしかしたら男は、このうら寂しい場所でショボンのことをずっと待っていたのかもしれない。
それこそ、ショボンが転生し生まれ変わるその都度、ここへ足を運んでいるのかもしれない。
そんな人間へ、この場所が何なのかと問うのは、些か不躾であるように思われたのだ。
それでもショボンは、尋ねてみたかった。
(´・ω・`)「ここはいわゆる、死後の世界なのですか?」
(´・ω・`)「天国でも地獄でもない、魂の待機する場所なんでしょうか」
そして、
(´・ω・`)「……もしかしたらあなたは、神と呼ばれる存在なのですか?」
と。
792
:
名も無きAAのようです
:2016/06/22(水) 00:08:04 ID:3YP/55z20
それは、ショボンがここを訪れる度に思っていたことだった。
彼こそが自分の運命を司る何者かで、だからこそ彼は自分の最期を
看取り、新たな人生へ出立する様を見届けるのではないかと。
そう感じていたのだ。
(´・ω・`)「もし……あなたが知っているのなら、どうか僕に教えてください」
(´・ω・`)「僕はあと何度転生すれば良いのですか?」
(´・ω・`)「なぜ僕だけ、記憶を保持したまま来世へと向かうのですか?」
(´・ω・`)「僕は、答えの出ない問いにあと何度頭を悩ませ、精神を狂わせなければならないのですか?」
(´ ω `)「……教えて、くださいよ」
そこまで言うとショボンは、固く握っていた拳をゆるりとほどいた。
793
:
名も無きAAのようです
:2016/06/22(水) 07:43:12 ID:ibI7QNjU0
それはショボンが何度自問し、何度懊悩しても答えの出なかった問い掛けだった。
いっそ全て忘れてしまえれば、前世との繋がりの一切合切を切り捨ててしまえれば。
目前の男がもし神ならば、それが可能なのではないか?
そう思わずにはいられなかったのだ。
ショボンは僅かに期待を込めた瞳で、男のいる方向を見た。
「……私は、あなたの思うようなものではないよ」
しかし男の返した言葉は、ショボンの望んだ物とは違っていた。
794
:
名も無きAAのようです
:2016/06/22(水) 08:24:58 ID:ibI7QNjU0
「私は、ただの人です。あなたと違い凡庸な人生を歩んだ、ただの人」
(´・ω・`)「……」
ショボンは口を閉じ、彼の言葉を聞いていた。
自分の推測は、やはり的外れなものだったのか。
「けど、ここについて語れることは幾つかあるかもしれない」
ぽつりと、男は溢した。
「ここは恐らく、特異点のような場所なんだと思います」
(´・ω・`)「……特異点?」
「えぇ。あなたの時空と私の時空が邂逅する、唯一の接点です」
そう言われても、ショボンには何のことか、皆目見当がつかなかった。
それ故に、ショボンは男の話の続きを聞きたいと思った。
795
:
名も無きAAのようです
:2016/06/29(水) 23:44:45 ID:7/g9CMj20
「あなたの生きる所と、私の生きる所はあまりにも違いすぎる」
「例えばあなたの住む世界では、私は異端としか見なされないであろう程度には違うんです」
「そこに何らかの力が介在し、歪曲されて繋がったのがこの場所なのではと、私は考えています」
男の語り口調は至極丁寧であり、柔和な物を感じさせた。
そしてそこから語られることを、ショボンは疑ったりしなかった。
そもそもが幾度も転生を繰り返す現実離れした人生を送っているショボンなのだ。
今さらどんなことを言われようと、突拍子ないことなど何もない。
796
:
名も無きAAのようです
:2016/07/24(日) 21:09:12 ID:CCGNLnRw0
おひさしぶりです、携帯かえたら書き込めなくなった弟者です
797
:
名も無きAAのようです
:2016/07/24(日) 21:49:05 ID:CCGNLnRw0
わたしは仕事に忙殺されていますが、ヒートさんはどうですか?
798
:
名も無きAAのようです
:2016/07/24(日) 23:23:54 ID:5EU/zWoA0
ノパ⊿゚)「ぼちぼちでんなぁ」
ノパ⊿゚)「八月は忙しいからなかなか書き込めないかもー?」
ノパ⊿゚)「てか書き込めなくなってたんかい……大丈夫?」
799
:
名も無きAAのようです
:2016/07/24(日) 23:28:34 ID:CCGNLnRw0
いやまあ、規制っぽいんですよね
実質的にはスマホでの閲覧と同じなんで、そのせいかもしれません
あとイチイチ広告うざい
800
:
名も無きAAのようです
:2016/07/25(月) 03:48:49 ID:dQSljnVQ0
ノパ⊿゚)「あれまぁ……」
ノパ⊿゚)「したらばとかもダメなん?」
801
:
名も無きAAのようです
:2016/07/25(月) 11:51:44 ID:X4cN3UD60
したらばなら、今のところ書けます
シベリアもipad使えばいけますが、SSの類いはしたらば以外だと代理投下を考えてます
802
:
名も無きAAのようです
:2016/07/25(月) 13:39:03 ID:JCg6j2bc0
ノパ⊿゚)「そっかー」
ノパ⊿゚)「もしも必要なときは代理するから言ってねー?」
803
:
名も無きAAのようです
:2016/07/25(月) 20:44:06 ID:PjqxyMGw0
ノパ⊿゚)「知人にamazarashiを薦められたけどいいねこれ…」
804
:
名も無きAAのようです
:2016/07/26(火) 16:09:31 ID:4c6e./Ic0
むしろまだ知らなかったのかと
9マスターも好きだそうですよ
805
:
名も無きAAのようです
:2016/12/02(金) 20:47:00 ID:5dKEIpVk0
マスター、御元気ですか?合作放ったらかしにしてすみませんな弟者です
代理投下をしてもらう事はできますか?
御迷惑ばかりかけているのに、我儘な事と思いますが、検討願います。
806
:
名も無きAAのようです
:2017/01/24(火) 20:59:31 ID:923q0.hU0
ノハ;゚⊿゚)「ぐわぁぁぁぁぁごめん弟者さんこのスレが何でか私のスマホから落ちてて通知がきてなかったぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ノハ;゚⊿゚)「シベリアの方しか見てなかったよ……代理投下ならいつでもするから見てたら言って!!!!」
807
:
名も無きAAのようです
:2017/11/02(木) 23:34:25 ID:FC2q3kY60
あーテステス
弟者です
長いこと連絡せず、すみません
また後日シベリアの方に顔出します。
808
:
名も無きAAのようです
:2017/11/04(土) 21:54:07 ID:8516s5QY0
ノパ⊿゚)「支援するよ!」
809
:
名も無きAAのようです
:2017/11/26(日) 19:59:13 ID:rcGXo16Q0
弟者ですが、合作放ったらかしのまま投下することを、
お許しください
今からシベリアで投下してきます
810
:
名も無きAAのようです
:2017/11/26(日) 20:05:06 ID:Reh1RsEA0
ばっちこい
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