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(゚、゚トソンムジナのようですミセ*゚ー゚)リ

97名も無きAAのようです:2014/03/01(土) 00:09:36 ID:jHk0pOPc0

 俺はクールのように音だけで相手の位置を特定などできない。
 もし狭い路地でなどであればある程度推測はできるが、残念なことにここは廃市場の倉庫跡。
 広く障害物も少なく、だが周囲を囲む壁と天井が反響を生むせいで音が明確さを欠く。
 この状況で適当に引き金を引いたところで、当たるわけがないのだ。
 試しに一発撃ってみたが、まったく落ち着かない。

 クールが弾倉に残った最後の弾を放った。
 何かが壊れる音が響く。今は使われていないとはいえ過失物損だ。
 書かねばならない書類が一つ増えた。頭が痛い。

「ああ、くそ。弾が切れた。流石くん君の弾を寄越したまえ」

 珍しく苛立った声色でクールが叫ぶ。
 いかにも怒っているという気配で空の弾倉を地面に投げつけた。
 らしくない。だからこそその意図を読む。

 俺たちは常に予備の弾倉を持ち歩いている。
 クールなぞは自分の乱射癖を自覚しているため、通常の二倍も申請しているほどだ。
 確かに襲撃を受けてからかなりの弾を無駄にしているが、弾切れはまだ遠いはず。
 ならば彼女の狙いは。

「ダメですよ素直さん。俺の弾はここに来る前の戦闘で全部使ってしまいました」

 出来る限り焦りと狼狽をにじませて、返す。
 わざとらしい大きさにならないようクールよりも控え目にはなったが、十分聞こえただろう。
 少々説明的過ぎたのは反省だ。


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