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(゚、゚トソンムジナのようですミセ*゚ー゚)リ

488名も無きAAのようです:2016/02/21(日) 02:37:23 ID:K0Dfv0VQ0

 幸福な微睡だった。

 頬に、腕に、胸に感じる、自分とは違う体温。
 はっきりしない意識で、少し強く抱きしめる。

 静かに続く寝息に、「んん」と声が混じった。
 もぞもぞと動く。
 これ以上ないというくらいにひっついているのに、さらに近づこうとする。
 肌が擦れ合う。堪らなく愛おしく、彼女の頭に顔を押し付けた。

 人の臭い。
 シャンプーの残り香と、汗と皮脂の混じった、ほんのり塩気と苦みのある甘い香り。
 幸せが胸の中にじわじわと広がってゆく。

 薄い毛布が一枚。
 少し肌寒い、雨模様の夏の朝。
 服を纏わない互いの体の熱が、めまいがしそうなほどに心地いい。

 掌で体を撫でてやる。
 瑞々しい肌。触れているこちらの方が気持ちよくなってしまう。

 この柔らかい幸せの塊を、壊さないよう、傷つけないよう優しく。優しく撫でる。
 孤独を融かし尽くして、柔らかな日だまりを思い出させてくれる彼女を、
 自分からすれば刹那の間に老い朽ちる彼女を、少しでも長く傍らに置けるよう。


  「ミセリ」


 小さな声が、胸元で紡がれた。
 寝ぼけている。軽やかな鈴のような声に少女の甘さが混じっている。


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