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(゚、゚トソンムジナのようですミセ*゚ー゚)リ

47名も無きAAのようです:2014/02/16(日) 20:39:57 ID:FUwnuIG.0

 唾液を塗り付けられたそこ。
 ミセリの鋭い犬歯が、優しく突き刺さる。
 ハーモニカを吹くように、少しスライドし傷口を広げた。

( 、 トソン 「ッ」

 痛いのは、最初だけだ。
 唾液が皮膚に沁み込むと、次第に感覚がぼやけて、何も感じなくなる。
 少しすれば傷口から血が流れ出る熱い感触だけが、ぼんやりと意識の中で脈を打つ。

 吸血鬼が血を啜るというと、歯を剥いて人の肉に噛みつく画を想像されるかもしれないが、ミセリは少々違う。
 傷を作ると赤ん坊が母親の乳房を一所懸命に吸うように、唇で優しく血を吸い出す。
 唾液で痛覚と意識がぼやけはじめると、倒錯もあって、懸命に血を吸い出すその姿が愛おしく思えるほど。
 
(゚、゚トソン 「……もう。今日は簡単にお昼を済ませたから、薄いですよ」

 ミセリは答えない。
 どんな表情をしているか見ることはできないが、きっといつもの通り目を細めて幸せそうな顔をしているのだろう。
 肩ごしに手を回し、頭を撫でる。
 あまり長くないミセリの髪は猫のように柔らかで、ますます赤ん坊のようだ。

(゚、゚トソン 「……ちょっと、ミセリ」

 私を羽交い絞めにしていた腕が、するりとほどけた。
 体を這うように指が移動し、私の胸元で止まる。
 嫌な予感がする。たぶん当たる。


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